棘との戦い

天候が回復して庭作業を集中して行なっている。このところはお客様のお庭のローズのお手入れ。冬の剪定と蔓バラの誘引である。

知り合いのロザリアンは鋭い刺を持つ蔓バラの誘引も全て素手でこなすと言うので感心する。自分もゆっくりと手間をかけて慎重にやるのなら素手でできるかも知れない。でも、お客様の前であまり悠長に作業を進めるわけにもいかないからこの作業に欠かせないのが革の手袋だ。ローズの強力な棘に素手で立ち向かっていけるほど手の皮は厚くないし。

革の手袋

もう5年以上使っている革の手袋も所々破れたりしてボロボロである。足も大きいが手も大きい自分は市販されているLLサイズの手袋では小さくて仕事がし辛い。指の股(というのかな)のところまでしっかりと入らないのだ。

愛用している皮手袋はLLBeanから個人輸入したものでもう4代目ぐらいになる。指の長さも充分だし、厚手で丈夫。しなやかで使いやすいのだ。だが、残念ながら今のカタログにはこのシンプルなデザインのものは載っていない。次の候補が見つかるまでは直し直し使う事になりそうである。

まだまだ頑張ってもらわなくてはならないのでローズのお手入れが一段落したら破れ目などを補修してやるつもりだ。

こんな厚い手袋をしていてもローズの棘は容赦なく手を突き刺してくる。紐で誘引するときにはさすがに手袋は取らなくてはならないし、終ったときには手は傷だらけ。夜、お風呂に入るときが大変なのである。

ガンバレ受験生

ここ松江では霜柱が立つ日がずいぶんと少なくなった。子供の頃は通学途中に時々見ていたように思うのに、目線が高くなったことばかりが理由とは思えない。

今日はそんな霜柱を久しぶりに見つけた。といっても歩くとサクッと音がする程度。地面に顔を近づけてみてもなかなか分かりにくい。

霜柱は耳で楽しむとして、朝日を受けて光る霜を少し楽しんだ。

何でもない雑草地も今だけは一寸良い感じ
何でもない雑草地も今だけは一寸良い感じ
クリスタライズド・ローズ
クリスタライズド・ローズ
ボリジの葉にもびっしりと霜が
ボリジの葉にもびっしりと霜が
小さなつぼみも見える
小さなつぼみも見える

それにしてもボリジの寒さへの強さは一寸驚く。ごわごわしているとは言え、結構水分の多そうな葉っぱである。こういった感じの葉を持つものは秋にさっさと葉を落としてしまうものが多い。寒さの中ロゼット状になってなるべく日の光を受けられるように頑張っている姿は健気でもある。冬も努力して、春には一気に花を開かせようと思っているようだ。受験生みたいだね。ガンバレ!

スパッと気分爽快

何事も実際にやってみないとわからないものだ。

特に園芸をしているとそう思わせられる事が多い。今年で2回目のチャレンジとなる津田カブ。今回は少し種まきが遅れた上に、間引きのタイミングを逃してしまって小さめではあるものの、収穫量はまずまずである。目的は津田カブ漬け。漬けるのは今年が初めてであったが、結構満足がいくものができた。家では「○○(漬物業者)のより美味しい!」と自画自賛している。

さて、この津田カブ漬け、最初はなかなか漬ける期間がつかめず、うまくいかなかった。糠床の具合も原因だったかも知れないけれど、何日経ってもカブの中まで赤色が染みて来ず、他に理由があるのかもとずいぶん悩んだ。

色々とお世話になっているJAのK君にも尋ねてみた。津田カブの収穫の手伝いをした事のある彼によると、収穫してすぐ、カブの先端を鉛筆を削るみたいにカットすると言う。これに何か秘密があるのでは?ということであった。実際に店頭で売られている生の津田カブは全て先がカットしてある。

こんなふうに先がカットしてある
こんなふうに先がカットしてある

一般の野菜作りテキストには普通のカブの説明はあるものの津田カブの栽培方法など書いていない。先端をカットするなんて説明はどこにも見当たらない。先をカットすることで成分が出入りしやすくなるのかもという結論に達した。それ以来、半信半疑ながら、収穫してからカットするようにしていた。

ところが、あるとき、実際に育てている方に聞いてみたら「な〜んだ」という理由であった。

津田カブの先端には細かいひげ根がつく事が多い。このひげ根は料理する際に邪魔である。それまで私は洗う時、その都度千切っていた。そんなまだるっこしい事はせず、収穫時にスパッと切り落としてしまうのだ。

問題のひげ根
問題のひげ根

理由も分かり、切り落とす作業もスパッと気分爽快。

K君にも教えてやらねば。でも、もう少し勉強しなさい!

春を感じさせて

今、大鉢でピンクとホワイトのスイートバイオレットが花の盛りを迎えている。残念ながら気温が低めのため、あまり香りは強くない。これがもう少し日が射してビニールハウスのなかがポカポカしてくると甘い香りがふわりと漂い、つかの間の春を感じさせてくれるのに・・・。

ピンクスイートバイオレット

ピンクスイートバイオレットは花もたくさん咲き、香りも強い方である。ただ、色的にはリディア・グローブスの方が優しい感じで好みだ。ピンクスイートバイオレットはちょっと色がきつい。特に単独では・・・。なにかと合わせる方が和らいだ感じがする。

ホワイトスイートバイオレット

ホワイトスイートバイオレットも花のあがりは良好、香りも強め。花色も清楚で、葉色ともよくマッチする。でも、似合うのはやはりもう少し暖かくなった季節かな。寒中では色が冷たすぎる。

どちらも鉢植えの場合、植えっぱなしでは調子が悪くなりやすい。できれば毎年植え替えてやると順調に育つ。この鉢も昨年、夏の暑さが過ぎた頃に植え替えたらその後御機嫌が良く、無事開花にこぎ着けたのである。

四季咲き

冬の間、ニオイゼラニウムの仲間はほとんどがお休み中である。ビニールハウスの中では株が大きく傷む事はないとはいえ、古い葉が落ちていったり、成長を止めてじっと春のベストシーズンに備えている。

唯一、パインゼラニウムだけが季節を忘れたかのように花をつけ続けている。「四季咲き」というキーワードは一般的には好意的に受け止められる事が多い。季節を問わず咲いてくれると言うのはなかなか有り難い事なのだ。

パインゼラニウム

だが、パインゼラニウムのように始終咲いていると一寸有難みが無くなってくる。これで葉の香りが良ければまだプラス面もあったろう。しかし、残念ながらまさに松やにを思わせる香り。好みもあるにせよ、少なくとも自分はあまり好きな香りとは言えない。むしろ、深みのあるグリーンみの強い葉の方に魅力を感じる。

普通四季咲きのものは、剪定するタイミングが図り辛く、つい躊躇してしまうものだが、このゼラニウムは惜しげも無くチャキチャキとハサミを入れることができる。その点は気楽でいいかも知れない。