紫蘇の穂漬け

梅雨明け頃から、食卓で活躍を続けてくれた紫蘇もそろそろおしまいになりつつある。真夏の冷ややっこには欠かせなかったし、そうめんにも活躍。大葉の天麩羅も何度か楽しんだ。初めて試した紫蘇の穂の天麩羅もなかなか結構なものだった。紫蘇ジュースを作らなかったのは少し残念だったけど。

さて、花穂が下から咲き上がってきて、上部の2〜3輪になってきたらいよいよ紫蘇の穂の収穫時である。実は最後に採れる紫蘇の穂が一番楽しみだったりする。紫蘇の穂漬けを作るのだ。

収穫した後ですでに穂はあまり残っていなかった・・・
収穫した後ですでに穂はあまり残っていなかった・・・

作り方は簡単でレシピもいろいろあるようだが、一応塩水であく抜きをしてから漬ける方法で行なう。漬物と言ってもそれほど手間もかからない。でき上がると早速御飯にまぶして食べる。プチプチ感がたまらない。子供の頃はこれだけで何杯もおかわりができた。

こんなに美味しいのに、家族にはそれほど人気がない。季節柄、あるお客様とも紫蘇の穂漬けの話になって、やはり自分は好きなのに他の家族は食べないと言う。どうやら小さい頃の経験ではないかと言う話になった。食育は大切である。

ついでに金山寺味噌に混ぜると美味しいと教えてもらったので、また試してみようと思う。

さて、紫蘇は言うまでも無くシソ科である。シソ科のハーブは沢山ある。となると、「同じようにして食べれないか?」と思うのは当然であろう。さすがにラベンダーは香りが強すぎるだろうし、ローズマリーやセイジは硬そうだ。少々小振りながら、タイムなどは良い感じではないかと思うが、塩漬けにして御飯に・・・というのはあまりにも無理がありそうだ。「来シーズンにでも試してみようか・・・」と、ちょっとだけ思ったがすぐに断念したのである。

食害

この夏の猛暑で特に小さな苗たちは大きなダメージを受けた。では大きな株はどうだったかと言うと、根がしっかり張っている分、暑さによる被害はそれほどではなかった。でも、大きな株ほど被害を受けたのがコガネムシによる根の食害。しかも今ごろになって目につくようになってきた。

親木などの鉢を整理しながらついでに株元の草を取っていると、妙に草が少なく、土がふわふわしているものが見つかる。

元気がないオレガノ・プルケルムの鉢。コガネムシ潜伏の気配。
元気がないオレガノ・プルケルムの鉢。コガネムシ潜伏の気配。

「もしかして・・・」と鉢をひっくり返してみると、案の定コガネムシの幼虫が大抵は2〜3匹出てくる。

この鉢からは3匹。すぐに圃場にいるトノサマガエルのディナーとなった。
この鉢からは3匹。すぐに圃場にいるトノサマガエルのディナーとなった。

根は食い荒らされてしまい、大事な細い根などほとんどないことも珍しくない。

かなり根は食い荒らされているものの、まだ植え替えれば大丈夫。
かなり根は食い荒らされているものの、まだ植え替えれば大丈夫。

早期発見すればそれだけ回復する確率も高くなるが、いつまでも分からなければ枯れてしまうことも多いので夏が過ぎたからと言っても気は抜けない。

大きい鉢になればなるほどたくさんの幼虫がいることが多い。大きな株なら多くの幼虫を養えることが分かった上で産卵するのだろうか?あるスタッフは共食いすると言っているので小さな鉢では淘汰されるのかも知れない。

今年の記録?は、直径40cmの鉢から30匹ぐらい出てきたこと。さすがに呆れてしまった。

お彼岸のマドンナ

ああ、お彼岸だなぁとしみじみ感じるのは、おはぎを食べている時・・・じゃなくて、彼岸花の赤を目にした時である。ところが、ニュースでもやっていたが、夏の暑さが災いして今年は開花が遅れているそうだ。そう言えば、帰り道、毎年彼岸花の群落を見かける田圃の畔も今年はまだ隅っこでちらほらと咲いているだけだ。

彼岸花の球根は開花へのカウントダウンが上手だと言うことだが、今年の暑さには惑わされてしまったようだ。

同じように、9月の声を聞くと新芽が出てくるマドンナリリーも、ようやく新しい葉を覗かせ始めている。いつまでたっても芽が出てこないのでさすがに今年は暑さで球根が溶けてしまったかと気を揉んでいたのだ。どうやらここ松江では地植えでは暑さで溶けるリスクが結構高いものの、鉢植えにして乾かしぎみだと今年のような猛暑の年でもなんとか越えてくれるようだ。

ようやく新芽が出てきた株。回りの小さな芽はただの雑草です。
ようやく新芽が出てきた株。回りの小さな芽はただの雑草です。
こちらは少し早めに芽が出てきた株。隣りの枝は春に開花した時の茎。残しておく必要はない。
こちらは少し早めに芽が出てきた株。隣りの枝は春に開花した時の茎。残しておく必要はない。

やっと涼しい風が吹くようになり、今年はなおさら「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉が身にしみる。ああ、お彼岸だなぁ・・・。

民具

夏野菜もそろそろ終りが近づいてきた。キュウリはもうすでに片付けてしまったし、オクラもそろそろおしまい。ツルムラサキもさすがに飽きてきた。ナスはもうちょっと頑張れるかも知れない。猛暑のさなかさっぱりだったミニトマトがようやく復活してきた。粒は小さめながら味はまずまず。でも、暑い時期に楽しみたかったなぁ。

ザルと野菜

収穫は、把っ手付きのザルを片手に。このザルは、とある酒屋さんに訪れたとき、ちょうど納屋の片付けをしておられ、その時に出てきたものを譲り受けたものだ。どれぐらい前のものか不明だがとても丈夫で、もらってから10年近く経つのにザルの下の足の部分が壊れただけで(同じような竹で簡単に修理できた)、愛用させていただいている。プラスチックのカゴに比べると野菜を入れた時の収まりも良いし、野菜の色も映える。野菜たちも何となく気持ち良さそうである。

ところで、先月、子供が通っている小学校で校舎改築に伴う備品や器材の大移動が行われた。椅子や机を暑さの中、汗にまみれて運搬した。小学校には「地域の歴史の展示コーナー」みたいなものがあって、昔の調度品や、かつて稲の脱穀に使った道具など、昔使われていた民具が集められている。その中に、例のざると寸分たがわないものがあったのである。

民具として展示されるようなものが未だに現役とは・・・。昔の丁寧な仕事と素材の強さに改めて感心せざるを得なかった。今になって良いものを貰ったなあと思うのである。

れう子

例年ならお盆過ぎには咲いているはずのレウコジャム(レウコユム)・オータムナーレ。今年は今満開を迎えている。ようやく普段の年のお盆過ぎの気候に戻ったと言うことか?

レウコジャム・オータムナーレ

それにしても例年にない勢いで花が上がってきた。暑さをじっと耐え続けた夏の分を取り戻すかのようだ。

さて、ひとりのスタッフがこのレウコジャムを大変気に入っている。家でも育てたり、知り合いのプレゼントにしたりしている。大変良いことだと思うけれど、しょっちゅう、「レウコが大きくなった」とか、「今年のレウコは美しいねぇ」とか言っている。知らない人が聞くと「れう子」という名前のように聞こえそうなので人前ではやめてほしいなぁと時々思うのである。