お彼岸のマドンナ

ああ、お彼岸だなぁとしみじみ感じるのは、おはぎを食べている時・・・じゃなくて、彼岸花の赤を目にした時である。ところが、ニュースでもやっていたが、夏の暑さが災いして今年は開花が遅れているそうだ。そう言えば、帰り道、毎年彼岸花の群落を見かける田圃の畔も今年はまだ隅っこでちらほらと咲いているだけだ。

彼岸花の球根は開花へのカウントダウンが上手だと言うことだが、今年の暑さには惑わされてしまったようだ。

同じように、9月の声を聞くと新芽が出てくるマドンナリリーも、ようやく新しい葉を覗かせ始めている。いつまでたっても芽が出てこないのでさすがに今年は暑さで球根が溶けてしまったかと気を揉んでいたのだ。どうやらここ松江では地植えでは暑さで溶けるリスクが結構高いものの、鉢植えにして乾かしぎみだと今年のような猛暑の年でもなんとか越えてくれるようだ。

ようやく新芽が出てきた株。回りの小さな芽はただの雑草です。
ようやく新芽が出てきた株。回りの小さな芽はただの雑草です。
こちらは少し早めに芽が出てきた株。隣りの枝は春に開花した時の茎。残しておく必要はない。
こちらは少し早めに芽が出てきた株。隣りの枝は春に開花した時の茎。残しておく必要はない。

やっと涼しい風が吹くようになり、今年はなおさら「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉が身にしみる。ああ、お彼岸だなぁ・・・。

民具

夏野菜もそろそろ終りが近づいてきた。キュウリはもうすでに片付けてしまったし、オクラもそろそろおしまい。ツルムラサキもさすがに飽きてきた。ナスはもうちょっと頑張れるかも知れない。猛暑のさなかさっぱりだったミニトマトがようやく復活してきた。粒は小さめながら味はまずまず。でも、暑い時期に楽しみたかったなぁ。

ザルと野菜

収穫は、把っ手付きのザルを片手に。このザルは、とある酒屋さんに訪れたとき、ちょうど納屋の片付けをしておられ、その時に出てきたものを譲り受けたものだ。どれぐらい前のものか不明だがとても丈夫で、もらってから10年近く経つのにザルの下の足の部分が壊れただけで(同じような竹で簡単に修理できた)、愛用させていただいている。プラスチックのカゴに比べると野菜を入れた時の収まりも良いし、野菜の色も映える。野菜たちも何となく気持ち良さそうである。

ところで、先月、子供が通っている小学校で校舎改築に伴う備品や器材の大移動が行われた。椅子や机を暑さの中、汗にまみれて運搬した。小学校には「地域の歴史の展示コーナー」みたいなものがあって、昔の調度品や、かつて稲の脱穀に使った道具など、昔使われていた民具が集められている。その中に、例のざると寸分たがわないものがあったのである。

民具として展示されるようなものが未だに現役とは・・・。昔の丁寧な仕事と素材の強さに改めて感心せざるを得なかった。今になって良いものを貰ったなあと思うのである。

れう子

例年ならお盆過ぎには咲いているはずのレウコジャム(レウコユム)・オータムナーレ。今年は今満開を迎えている。ようやく普段の年のお盆過ぎの気候に戻ったと言うことか?

レウコジャム・オータムナーレ

それにしても例年にない勢いで花が上がってきた。暑さをじっと耐え続けた夏の分を取り戻すかのようだ。

さて、ひとりのスタッフがこのレウコジャムを大変気に入っている。家でも育てたり、知り合いのプレゼントにしたりしている。大変良いことだと思うけれど、しょっちゅう、「レウコが大きくなった」とか、「今年のレウコは美しいねぇ」とか言っている。知らない人が聞くと「れう子」という名前のように聞こえそうなので人前ではやめてほしいなぁと時々思うのである。

瀕死

この夏の猛暑、店の花壇にもいたる所に爪痕を残して去っていった。

花壇でも一番良い場所に鎮座しているブルーマウンテンラベンダー。お盆前から暑さの影響が出てきたと思っていたらみるみるうちに枯れ上がっていった。こんな症状が進行している時は返って手をかけるのは危険である。せいぜい剪定したり、陰を作ってやるのがせいぜい。その後も続いた酷暑を考えると植え替えなどした日にはとどめを刺すようなものだったろう。

ブルーマウンテンラベンダー

さて、ようやく暑さも一段落したようで様子を見てみると、まさに瀕死状態。隣りのローズマリーが勢力を拡大し、覆いかぶさってきたのも蒸れに拍車をかけたのだろう。

ブルーマウンテンラベンダー

しかし、株はまずまず充実していたので株元から少し新芽が出始めたのは良い兆候である。今後の涼しさが良い影響を与えてくれることを願う。

今年もお蔵入り

夏から秋に花が楽しめるもの無いですか?と聞かれると、まず思い浮かぶのは秋咲きのセイジやサルビアだ。種類も多いし花もバラエティーに富む。そのため、どうしても彼等に隠れて見過ごしがちになってしまうのがアガスタキの仲間である。どちらかと言えばマイナーなせいか、呼びかたもアガスタシェであったり、アガスタチだったり定まらないようだ。

店頭でもあまり人気がない。そもそも知名度が低い上に、花が咲かないと目立ちにくいのだ。そのうえ、割と細身のものが多く、花が上がってくると苗では茎も柔らかなので枝がしだれてしまいやすい。夏の間、水切れしないようしっかり潅水するのも災いする。今年など特にひどい。

アガスタキ・アプリコットスプライト

写真のアガスタキ・アプリコットスプライトも花だけ写すと見事なんだけど、実はこの苗、下のほうの枝がぐにゃ〜っと曲っていてとても販売できる状態ではなかったりする。

結局写真を写してから剪定、植え替えのお決まりコースを辿ったのである。確か去年もじゃなかったっけ?