相変わらず畑の開墾作業を続けている。冬の初めのわずかな晴れ間を狙っての作業でもあり、他の仕事の合間を縫って行うので遅々として進まない。
開墾中はなかなか気づかないが、少し前に耕した場所に行くとこんな塊がよく見つかる。
ハマスゲの塊茎だ。「浜」と言う名前の通り、海岸部によく見られるというが、内陸部でもいくらでも育つ。夏には細い葉を伸ばして目立たない花も咲かせるが、結構困らせてくれる雑草だ。
塊茎を持つような植物は強いものが多いが、ハマスゲも繁殖力が半端でない。
こんな風に横に伸びるように広がっていき、上に伸びた葉を引っ張っても途中でちぎれて塊茎はしっかり残る。掘り上げて塊茎から取り除く必要がある。
ずいぶん昔だが、とある幼稚園の花壇を整備する仕事があったとき、予定地にこのハマスゲが繁茂していた。
「これは先にしっかり取り除いておかねば」
と、ずいぶん奮闘したのだが(ホント、うんざりするような作業だった)、土によく似た色の塊茎。全て取りきれるわけがない。
その年はそれほど目立たなかったのに、翌年の春、時限爆弾のように一斉に芽を出した。ものすごい絶望感を覚えた。
とはいっても葉が伸びてもせいぜい10センチかそこら。草丈のある植物なら周りに生えていても気にしなければいいのだが、放っておけばむろん増えていく。
おそらく困っている方も多いと思うのだが、一方で薬用植物だったりする。奈良時代に編纂されたといわれる出雲国風土記にもしっかり載っているし、漢方でも使うらしい。そういう意味では立派なハーブである。
しかも、塊茎といえばジャガイモと同じでデンプンを多く含むらしい。「救荒作物」とされるそうなので、いざという時のために少しだけ取っておくべきなのだろうか・・・