ほんのり桜色

苗の手入れをしていたら、ゴールデンリーフストロベリーの花がずいぶん上がっていた。この寒いのにご苦労様である。

ゴールデンリーフストロベリー

なかに、うっすらピンクに色づいた花があった。昔なら、「もしかして色変わりが現れたか!」と小躍りするところだが、なんてことはない、寒くて一時的にこんな色が出ているだけのようだ。同じ株も春になると色は消えてしまう。

開花してしばらくしたものに色が出やすいようで、膨らみ始める赤い実を予感させる。

ちなみに写真の後ろのほうに少し見えるのだが、ゴールデンリーフストロベリーはやはり葉が少し弱くてこの辺りでは真冬は葉が傷みやすい。そういうこともあって一番美しいのは春暖かくなってから出てくる新芽である。

真冬のムカデ

冬は片付けごとをするには良い季節である。時々ふと手持ち無沙汰になったりすることもほかの季節より多く、ちょっとした時間潰しには丁度よい。また、少々重労働になっても汗をかくわけではないし、雑草ややぶ蚊に煩らわせられることも無い。

と言うわけで、秋までに散らかり続けていた圃場が少しづつ片づいていくのが冬なのである。先日もずっと気になっていた鉢を少し整理した。

ヨイショと大きな鉢を持ち上げて出てきたのが中サイズのムカデ。噛まれたことの無い自分は怖い物知らずなのかそれほど嫌悪することはない。でも、スタッフのひとりは非常に嫌う。以前よほど痛い目にあったのだろう。

ムカデ

そういう自分も昔、嫌な目にあったことがある。蒸し暑い夏だったと思う。そのころはアパートの4階住まいであった。夜中、枕元でガサガサと音がする。何か嫌な予感がして明りをつけてみると大きなムカデがそこに。さすがに狼狽して大騒ぎになった。古い建物とは言え、4階にまでムカデが上がっているとは思わなかったのでよけいにびっくりした。

まあ、このムカデも真冬に明るい場所に引っ張り出されるとは思わなかっただろう。キミの友達も僕を脅かしたことがあるから、まあ、おあいこだね。

ちなみに、ムカデと良く似ていて間違えられるヤスデは、噛まれる恐れも無いし、分解者としてそれなりの役割を果たしているようなのだが、見た目の悪さで嫌われている。落ち葉を分解して土に戻してくれるので、もう少し大目に見てやって欲しい。

香りよりも色よりも

春をイメージする色は?と聞かれれば暖かい陽光を思わせるイエローと答えるだろう。少なくとも自分にとってはピンクではない。

イエローと言っても鮮やかなのではなく、オレンジがかった暖かみのあるイエロー。そう、例えばイエロースイートバイオレットのような色だ。

イエロースイートバイオレットは他の紫やピンク、白に比べるとやや遅くなってから咲きはじめることが多い。同じビニールハウスの中でもこの頃になってようやく花を見せはじめるようになった。

イエロースイートバイオレット

また、詳しくは調べていないが、他の色に比べると香りも弱い。私にとっては香りよりも色を楽しむニオイスミレがイエロースイートバイオレットである。距と萼の部分が濃い色なので花びらとのコントラストがはっきりしているのもまた良い感じなのである。

残念ながらこの写真の花はナメクジ?に花びらをかじられている。ナメクジ、カタツムリの類いはニオイスミレが大好きなようで、この寒いにも関わらずお食事にいらっしゃっているようだ。香りよりも色よりも味を楽しんでいるのだろう。

昔の名前で出ています

斑の無いピーコックゼラニウムを何と呼ぶ?

これはもう何とも呼びようがない。斑入りのゼラニウムは時々こうなってしまう危険性を持っている。今年の秋、斑が無くなってしまったピーコックゼラニウムの苗を見つけた。コンディションは悪くなく、処分するのは忍びない。店頭を飾るグリーンにでもなってくれればと思い、素焼き鉢に植え替えておいた。一応間違いが無いように「ピーコックゼラニウム・斑消失」とラベルに書いて。

ところが、この間ふと見てみると新しい葉にしっかり斑が戻っているではないか。斑入りナツメグゼラニウムなどは、夏の間斑が消えても、春先にまた戻ることが多い。しかし、ピーコックゼラニウムは今まで一度消えた斑が戻ることはなかったように思う。

ピーコックゼラニウム?今後どうなるのか少し興味深いところである。もしかしたら夏ごろ店頭に昔の名前がついて飾られていたりして。古い歌じゃないけれど。・・・あなたが探してくれるの待つわ・・・

節分の決心

節分。今日までが暦の上では冬。「節」と言われる日なので、どうしても今までに行なえなかったことが目につく。

12月ごろから気になっていたのに、できずにいるのが圃場の隅にあるセイジ類の剪定である。春になって新芽が伸びるのに古い枝が邪魔になるし、無論見た目も悪い。その上、春になってから行なうと枝も硬くて難儀する(もう既に手遅れである)。

メキシカンブッシュセイジ

この株はメキシカンブッシュセイジ。株元に見える白っぽいのは、冬の初めに出てきた新芽である。この辺りでは、冬前に新芽が出るものの、一旦枯れてしまう。初めて育てた時は慌てたものだ。しかし、心配はいらない。暖かくなるともう一度新芽が伸びる。

お客様には、「冬前に剪定を」とアドバイスしている者がこれでは失格である。とりかかれば作業自体はあっという間。次は雨水、いや、せめて春分までには行なおう。