学習効果

お客様から今年はチュウレンジバチが多いと言う話を伺った。庭でたくさん飛び回っているとのこと。

確かに、先日庭の手入れにうかがったあるお客様の庭では、HTが十数本有るコーナーで既に幼虫を見つけた。毎年のことなのであまり驚かないし、被害が少ないうちならそれほど心配することも無い。

なので成虫についてあまり気にかけることもなく、どんな姿なのかおぼろげにしかとらえていなかった。実際、こういう場合図鑑やネットで見たところで自分のものにはなりにくい。

話をうかがったお客様の御主人がわざわざ成虫を捕まえて持ってきてくれた。一目瞭然。やはり昆虫は動いているところを見るのが一番だ。

その後、ビニールハウスの一角でチュウレンジバチが飛んでいるのを見つけた。やはり今年は多いのかも。普段も飛んでいるに違いないが今までは認識できていなかったのだろう。学習効果がでたようだ。

ミントは口に合わぬ。
ミントは口に合わぬ。

先のローズのお庭では油断していると大変なことになるのに、ビニールハウスのほうではさしたる被害も無い。たまにローズ系の枝に産卵した後を見ることはあっても幼虫が葉を食い荒らした形跡もない。天敵はアシナガバチだと言われているから、天敵の多いこの地には適していないのかも。

マヌカも硬くて嫌じゃ
マヌカも硬くて嫌じゃ

それとも、肥料たっぷりで育った美味しいローズの葉を探してきては見たものの、あるのはハーブと貧相な原種ローズばかり。食欲が湧かないのかも知れない。

ひばかり

田植えの時期を迎えている。スタッフの家でも今日からスタートするようでお休みして田植えに励んでいるようだ。

ビニールハウスの周りでもぼちぼち準備が進んでいる。横にある水路もまだ水量は少ないが、今後田に水が張られるようになると一気に水量が増える。水路脇の雑草が伸びつつあるのでそれまでに草刈りをすることにした。近所の農家の方は、「べつにかまあせんが(別に構わないよ)」と仰ってくれるのだが、水路に刈り取った草が流れ、田にはいるのはさすがに気が引けるからだ。

半月前に刈ったとは言え、雑草はすぐに大きくなるものだ。それでも夏に比べると楽な作業である。気持ちの良い風に吹かれれつつ作業を進めていると、水路の中で動くものがいる。蛇が水の中で泳いでいた。怪しげな体表のカラーリング。ヤマカガシである。

ヤマカガシ

マムシのように攻撃的ではないとは言われるが、ハブの10倍とも言われる毒を持つらしい。しかも毒液を飛ばすという話もある。
ヤマカガシ (Wikipedia)
知らなかったが、この辺りでは「ひばかり」と呼ばれているようだ。初めて聞いた時には何のことか分からなかった。
「さ、おめぁ、噛まれぇとその日ばかりしか生きられんかぁだわの(それは、あなた、噛まれるとその日ばかりしか生きられないからですよ)」
と教えてもらった。経験に基づいた素晴らしいネーミングである。

なのであまり関わりたくない蛇である。この周りではシマヘビに続いてよくみる種類とは言え、たいていはこちらが気づく頃には向こうへ逃げていくパターンが多い。今回も同様であった。

さて、草刈りのあと、水路に落ちた草を集めなくてはいけない。普段は何気なく行う作業なのに、今回は及び腰になってしまった。にょろりとしたものに縁のあるここ数日だ。

ヤマカガシ

当のヤマカガシは水路に置かれたせき止めようの土のう袋の上で水泳の後の日光浴中であった。

Amazing!

今、周り中でモッコウバラが満開を迎えている。特に今年は調子が良く咲いているところが多いようだ。

モッコウバラ

今日メンテナンスで伺った、あるお庭のモッコウバラも見事に咲いていた。何度見ても小さな苗がこれほど育ったことに当たり前ながら驚いてしまう。うっそうと茂り、背面のブロック塀を見事に覆ってしまった。今年は花数も多く、重たそうに見えるぐらいだ。

白花モッコウバラ

隣にある白花のモッコウバラはさあ、これからといった感じ。少し時期をずらしてくれるのが嬉しい。葉色もより深いグリーンでしっとりした感じになる。

作業中なのについ感心して見入ってしまった。気を取り直して草取りからスタートである。

この庭ももともとはごく普通の日本庭園だったのでそれほど肥料分の無い土であった。しかし、その後オーナーの御希望もあり、いくつかのローズのために毎年しっかり肥料を入れた。当店特製のスペシャル微生物入り牛フン堆肥ミックスである。

この先はミミズが嫌いなひとは読まないように。
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今年もよろしく

昨日、水やりをしていたら生まれたばかりのカマキリを見つけた。今日、あらためて定番の場所へ行くと、いたいた。なぜかラベンダーの親木のところでは良く見つかるのである。ラベンダーの新芽を背景にして見つけやすい色合いなのか、それともラベンダーの周りが餌が豊富なのか分からない。

カマキリ

小さな手足を動かしてラベンダーの新芽の周りを上へ下へと動き回っている。巨大な生物が現れたので驚いているのだろう。

カマキリ

カマキリは周りの小動物の中でもかなり好感度が高い。害虫も捕食してくれるし、園芸の邪魔にもならない。わりとビニールハウスの中に居着いてくれるのも嬉しい。害虫を食べることでは、クモもポイント高いのだが、張られた巣が何かと邪魔になることとが多いし、体にまとわりつかれた時はかなり不快なのがマイナスポイントなのである。

ごくたまに、今の時期、卵鞘から一気に飛び出すカマキリの幼虫の群れを見ることがある。何百匹もの小さな命が思い思いの方向へ進んでいく姿は感動的である(ちょっと気持ち悪いけど)。でも、そのうち、大きくなるまで生き残れるのは僅か数匹だという。昆虫の仲間ではかなり強いランクのように思えるが、自然界で生き残るというのはどんな種類でも厳しいものなのだ。

今年もしっかり活躍してもらいたい。だから秋から冬にカマキリの卵鞘を見つけると、剪定したいハーブについていてもそのままそっとしておくのである。今年もよろしく。

哲学的な番人

スタッフと話をしていて、「今年はタネバエが少ない」という話題になった。例年、春先にはタネバエが発生する。ネットで検索すると、幼虫は幼根を食害する大害虫のような説明が多い。幸いに、タネバエによる食害はあまり見受けられず、むしろ我々が鼻に吸い込んだり(ギョエッ)、まとわりついたりして気持ち悪いという害の方が目立つ。

また、未熟な有機物を多用すると発生するとも言われているようだ。しかしこの点もあまり当てはまらず、とにかく春の一時期のみ発生しては消えていくというのが毎年のパターンになっている。とにかくしばしの間だけ我慢すればよいのだ。

それが、どうしたことか今年は例年よりはるかに数が少ない。自分は気温のせいだと思ったのだが、スタッフ曰く、「カエルが多いのでそれが食べているのだ」と、分析していた。

アマガエル

言われてみれば確かに苗のポットの周りで小さなアマガエルを良く見かける。といっても、前にも述べたように実際に食べている姿は見ない。

それでも、哲学的な顔をして喉を動かし、じっと座っているだけで何となく頼もしい番人に見えてきた。健闘を祈る。