思わぬところで

小さなカエルがチョロチョロ動き回るようになった。雨でも降るような天気なら思わぬところで顔を合わせることになる。

カエル

上のおちびちゃんはビニールハウスの入口のドア、ちょうど目の高さぐらいをペタペタと登っているところだった。この先上がっていっても何も無いんだが・・・虫も少ないだろうし。

カエル

この2匹は手洗い場のシンクに置いてある砥石の上がお気に入りのようである。雨が降るとしっとりするのだろうか。でもこの周りにもエサはありそうにない。まあ、いろいろ徘徊して経験値を高めているのだろう。でもこのあたりはヘビも多いからせいぜい注意して欲しい。

見かけで判断するべからず

今日は市内のお客様のところへお庭のお手入れに伺った。

作業中、スタッフの一人が、バラの枝にアシナガバチの巣を発見。幸いまだ小さめである。その上、普段良く見る黄色っぽいアシナガバチと感じが違う。見た目に何となく茶色みがかっているし、動きがのそのそしている。

アシナガバチ

バラの害虫となる青虫類の天敵としてそのまましておいても良かったのだが、お客様が刺されてもまずいのでこの場所から撤退してもらうことにした。

それでも、後学のために写真だけは撮っておくことに。近寄ってもあまり攻撃する素振りを見せないので大胆に近接撮影を行なった。あまりにおとなしいので、害のないアシナガバチなのかも・・・なんて話をしていた。無知というのは怖いものである。

後ほど調べてみたら、どうやらキボシアシナガバチという種類で、防衛本能、攻撃性は強いらしい。もう少し踏み込んでいたら危ないところであった。見かけおとなしそうでも、怒らせると怖いのだ。人間も結構そうだったりしますよね。油断禁物である。

実はこの翌日、別のお庭でアシナガバチにアタックされて痛い目を見たのである。

朝のディテクティブ

病害虫も、その原因や正体が分からないときは何かと不安である。特に園芸を始めた頃は毎回新しいトラブルとの遭遇でどきどきしっぱなしだった。それでも一つ一つ経験値を上げていくことでいつのまにか少々のトラブルには動じないようになってくる。

アジュガ・バーガンディグロウ

今朝も苗を見ているとアジュガ・バーガンディグロウの葉が半分、かじられたようになくなっていた。時期的にはナメクジや、そろそろバッタの被害も考えられるが、ナメクジなら跡が残っているだろうし、バッタも相当大きいサイズでないとこんなに奇麗に食べない。今見かけるのはまだ小さいバッタなので葉の表面に所々穴が開くぐらいだろう。

ヨトウムシ

さては・・・と株元を見てみると、いたいた。ヨトウムシである。カラフルなサラダを腹いっぱい食べてお休みのところ申し訳ないが、退場していただく。アジュガ(アユガ)も普通のreptansは濃いブロンズパープルのうえにごわごわしてあまり美味しそうに思えないが、バーガンディグロウはヨトウムシでなくたってサラダにして食べたくなるぐらいだ。

こっちは普通のアジュガ(アユガ)レプタンス
こっちは普通のアジュガ(アユガ)レプタンス

実際に葉を食べている姿はあまり見かけない。たいてい目にするのは食後、腹いっぱいになって株元で横になっている姿である。なおさら小憎らしい。

お客様と話をしていると相当憎んでおられる人もいるようだ。よほど悔しい思いをなされたのだろう。幸い、この圃場ではあまり被害が大きくならず、特に対策はしていない。食い残しの葉を見つけると株元を探す程度である。

人待ち顔のカエル

圃場の近所に幼稚園ぐらいの男の子がいる。行き帰りにであうと、時々手を振ってくれるフレンドリーな子だ。

彼は週に何度か、圃場の目と鼻の先にあるゴミ集積所におじいちゃんとごみ捨てにやってくる。そのとき、いつも水路の溜めマスのところで立ち止まり、何かを見ている。

こちらも気になって様子を窺いに行くと、ミドルサイズのウシガエル?がいらっしゃった。以来、毎朝、自分もなぜかこのカエルの様子が気になって溜めマスを覗くようになった。

ウシガエル?

近くの農家さんが置いている肥料袋(田んぼへの水引込調整用のようだ)がお気に入りなのか不思議といつも朝にはこの定位置にいらっしゃる。昼ごろになるとどこかへ消えて、また翌朝にはここにいる。

何をしているやら想像もつかないが、かの男の子がやってくるのを待っているのだろうか。そう思うとなにやら人待ち顔のようにも見えてくる。声はまだ聞かないので彼氏を待つメスなのかも知れない。それとも肥料袋のオジサンに恋をしているのか・・・

トカゲの足音

ガーデニングが心底好きなひとは、孤独を苦にしないひとが多いように思う。お客さんからも「一日中誰とも話さずに庭仕事に没頭できる」という話を良く聞く。

普段の作業も役割分担がはっきりしているので集中的に植え替えをしたり、何か大きなものを作ったりなどの特別な時以外はほとんど個人の仕事である。

広いビニールハウスで一日中一人で作業することも希ではない。誰かいれば別だが、そんな時、不意に背後から物音がするとびくっとさせられる。

トカゲ

夏にかけて驚かせてくれるのはこいつ、トカゲである。真夏の暑い時にでも、何をしているのかビニールハウスの苗が並ぶ台の下を行ったり来たりしている。地面にはシートを敷いているので余計に「カサカサッ」と言う音がしてびっくりさせられるのだ。

彼には無論罪は無い。ビニールハウスでは毎日のように見かける顔見知りのような間柄だ。トカゲを見て「キャッ」なんて黄色い声を出すひともいるが、全く気にならない。むしろ、お互いに邪魔をせず危害も加えず非常に良好な関係を保っている間柄といえそうだ。

なぜか写真の彼はしっぽの先が切れていた。しっぽが切れたトカゲは仲間からも阻害されやすいと何かで読んだ。彼にも表には出さない悩みがあるのかも知れない。

ちなみに地面に敷いているシート、なかなか良い製品である。非常に丈夫で敷いて5年以上たち、毎日歩いているのに劣化も少ない。水も通すし、とりあえず草取りをしたくないために敷いたところ予想以上の効果を上げている。個人的な園芸では使うことは少ないかも知れないが、良いものなので紹介しておきたい。商品名はダイオグランドシートである。ただ、切断するとその端はほつれやすいので注意が必要だ。