一皮むけて

子供のころ、夏休みに海につれていってもらうと、日焼けのしすぎでその夜は大騒ぎをだった。数日のあいだ背中の痛みと、むずがゆさに悩まされたあと、ペリペリと皮が剥けるのが毎年の恒例だった。

今ではむしろ春先、腕まくりをしはじめたころ、一気に日焼けをして一皮むけることが多くなった。夏、それほど海に行かなくなったことと、夏はかえって長袖を着るなど紫外線対策をしているので強く日焼けをしなくなったのだ。

さて、以前にも紹介したことのある、圃場脇のユーカリ・グニーの皮も夏前から剥がれはじめてきた。もちろん、下にはしっかりとした表皮が表れている。つい、皮をはいでみたくなる衝動に駆られてしまう。

ユーカリ・グニー

気のせいかも知れないが、このユーカリにしろ、ティートゥリーにしろオーストラリアの植物は皮が剥がれやすいような気がする。ティートゥリーも別名でPaperbark(紙の樹皮)と呼ばれるように、ぽろぽろと剥がれやすい。

オイル分を含んでしかもこんな樹皮をした木が多いので山火事も起こりやすいのかななんて考えてしまう。

やいとすえーよ

「しゃんわることしちょうとやいとすえーよ!」
(そんな悪いことをしているとお灸をするよ)
と、昔は良く言われたものである。

本日伺ったお宅で木に絡みついていたヘクソカズラ。「ヤイトバナ」とも呼ばれる。花の内側が赤いので、花冠(開いた方ですね)に唾をつけ、肌にくっつけると、ちょうど火をつけたお灸に似ることからこの名前がついたとか。

ヘクソカズラ

なかなか可愛らしい花である。日が当って透けた感じの花色と、奥の赤紫がまたいい感じを醸し出している。秋になる実もまた風情があるので上手に使えば面白い素材になりそうだ。

残念ながら名前で損をしている。ヘクソである。確かにあまりよい匂いとは言えないが、我慢できないほどのひどい匂いではない。まあ、雑草として他のものに絡みつくと始末に悪いので、負のイメージが強いのだろう。

別にサオトメカズラという優美な名前もあるという。この名前で広まっていたらもう少し人気があるのだろうに。本人(ヘクソカズラ)も悔しがっているだろう。

快適な梅雨

梅雨は全くあける気配がない。週間予報を見ても7月の終り頃まで曇りマークが続く。苗の徒長を心配しつつ空を見上げている。

一方で、暑さや直射日光を嫌う種類は元気いっぱいである。快適に梅雨ライフをお過ごし中だ。

ゴールデンレモンバーム

このゴールデンレモンバームの苗も、例年ならば、梅雨の半ば頃までに強い日差しで葉が焼けたようになって、日陰で療養中の身である。ところが今年は日よけをしていないところでもこんな調子。壁紙にでも使えそうないい感じの葉を伸ばしている。

まあ、この後本来の暑さが戻ってきたときのほうが返って怖いというものだ。早めに剪定しておいた方が良いのかも・・・と思うこの頃である。

暑い昼下がりには

夏休みを目前にしてもまだ梅雨が明けない。梅雨明けは待ち遠しいと同時に、厳しい暑さの中での作業が待っているので身が引き締まる思いがする。

さすがに真夏になると昼から3時ぐらいまで、ビニールハウスの中での仕事は危険を伴うので、なるべく室内でできる仕事に替える。伝票の整理や、原稿作り、調べものなどである。

以前から気になっていたちょっとしたことを調べたりするのもそんな時である。

Salvia属は非常に種類が多く、姿形、性質も様々である。それでも名前はたいていがサルビア・○○とか、△△セイジというのが大半だ。

そのなかで異彩を放つ名前のジュピターズディスタフ(JUPITER’S DISTAFF)。今年も先頃開花しはじめた。花も大きめでなかなか素敵なSalviaである。ところが、名前を聞いただけではいったいどんな植物なのか全くピンとこない。サルビアの仲間であることさえ推測しにくい。

ジュピターズディスタフ

ジュピターというのは神話で出てくるような名前だし、木星?のことだったっけ。ディスタフというのはなにやら糸巻き棒だと言うことらしい。

実際に調べてみるとあっけない理由だったりするのだが、結構深いテーマが隠されていたりするので、気まぐれで調べはじめるのは危険である。

このようなことを真夏の暑い盛り。店内の涼しい環境の中で調べるのである。さてどんな答えが出てくるのやら。

夏の優等生

カラミント・ネペトイデスが、非常に良い具合である。春先には可愛らしい球状をしていたのに、順調に枝葉を伸ばし、すでに満開に近くなっている。

カラミント・ネペトイデス

この方は本当に手がかからない。夏前に咲き出すと、秋かなり遅くまで、松江なら11月ぐらいまで花を楽しませてくれる。切り戻しさえしなくても良い。一株は一株のままで増えて困ることはないし、何せ暑さに強い。その癖、結構な日陰でもコンディションを崩すことがない。

もう十年近く前になるが、ある公共施設で数年間鉢植えのディスプレイを担当したことがある。風がびゅんびゅん通り、日差しはガンガン、植物にとってはかなり過酷なコンディションであった。その上オーナーの「夏も花は絶やさないように」とのお達し。なんとか面目を保たせてくれたのがこのカラミント・ネペトイデスとロシアンセイジだった。今でも感謝している。

そう言ったこともあってひいき目もあるかも知れないにせよ、間違いなく夏の優等生である。通信簿には「5」をつけてあげよう。