ニートな葉

5月になると日差しも強い。朝や夕方はともかく、真昼は日陰のほうがかえって気持ち良いぐらいになってきた。

ハーブたちも強烈な直射日光を嫌う種類はそろそろなにか対策を始めなくてはいけない時期である。斑入りの種類については葉が焼けてくるものもぼちぼち出はじめる。

パイナップルミントも葉焼けに弱い種類の一つだが、春先にはさらにこんな葉も出てきたりする。

アップルミント

普通は縁取りのように斑が入る。ところが、たまに葉全体が真っ白になってしまったものが出ることがある。

かつてはこれを何とか増やせないかといろいろ試して見たこともあったが徒労に終った。写真でも分かるように葉の縁のほうから徐々に焼けてくる。5月の初めでこうだから、その後どうなるかは明らかである。可愛らしい葉ではあっても葉緑素不足ではあまりに弱いのだ。

この葉で光合成しないのであれば、他の葉で作ってもらったエネルギーでようやく成長しているのだろうか。早く自立しなさいと言いたいところだが、自分もかつてこの葉と似たりよったりであったことを思い出すと沈黙せざるを得ないのである。

時既に遅し

ここ半月ほど育苗作業はもとより、お客様のお庭の仕事が重なり、パーソナルな野菜畑の手入れがおろそかになっていた。圃場のすぐ脇にあるのに、気になっていながらその余裕がないのだ。案の定、ルッコラ(ロケットサラダ)が満開状態。その上草も伸び放題。

半月以上収穫も何もしなければ当たり前ではある。こうなってしまうと、葉は一層苦くなり、収穫する気持ちになかなかなりにくい。ついつい、
「このまま咲かして種子採り用にしちゃおう」
となってしまうのである。

ルッコラ

特に今年は株の出来がよかったようで花も充実している。どちらかといえばぱっとしないルッコラの花だが、初夏の日差しの中で咲いているとそう悪くないという気もしてくる。せっかくなので写真に収め、ホームページにも掲載しておいた。

実はトマトやナスビなど夏野菜のための準備もまったく出来ていない。少し暇ができたときにはと考えてはいるものの、これから更に忙しさはアップする予感。どうなることやら。

Amazing!

今、周り中でモッコウバラが満開を迎えている。特に今年は調子が良く咲いているところが多いようだ。

モッコウバラ

今日メンテナンスで伺った、あるお庭のモッコウバラも見事に咲いていた。何度見ても小さな苗がこれほど育ったことに当たり前ながら驚いてしまう。うっそうと茂り、背面のブロック塀を見事に覆ってしまった。今年は花数も多く、重たそうに見えるぐらいだ。

白花モッコウバラ

隣にある白花のモッコウバラはさあ、これからといった感じ。少し時期をずらしてくれるのが嬉しい。葉色もより深いグリーンでしっとりした感じになる。

作業中なのについ感心して見入ってしまった。気を取り直して草取りからスタートである。

この庭ももともとはごく普通の日本庭園だったのでそれほど肥料分の無い土であった。しかし、その後オーナーの御希望もあり、いくつかのローズのために毎年しっかり肥料を入れた。当店特製のスペシャル微生物入り牛フン堆肥ミックスである。

この先はミミズが嫌いなひとは読まないように。
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美味しい運動場

今年はナスタチウムの育苗が遅れた。失礼、「今年も」だった。育苗を始める時期がシビアな種類は割と注意しているのだけれど、ナスタチウムのように
「ま、今度でもいいや」
という種類はついつい後回しになってしまうものだ。

それでも、4月も半ばを過ぎてから葉のサイズも大体揃ってきた。肥料少なめなので葉も小さめではある。ただ、あまり葉を大きくすると株元が弱いのでポッキンといってしまうのも恐い。

「ようやく育ててくれたのかよ〜」と、早速ハモグリバエがやって来たようだ。一般には「字書き虫」とも呼ばれる。言い得て妙である。この字書き虫も何百種類ハーブがあっても見事にピンポイントで狙ってくる。

ナスタチウム

被害に遭うのはほとんどナスタチウム。希にマロウの仲間にもいたりする。でも、ローズマリーやラベンダー、タイムなんかには全く来ない。広くて美味しい運動場があることが絶対条件なのだろう。

うちではそう目立った被害も無いので、葉に見つけたら葉ごと取り除くぐらいである。いまのところ2枚。何かの資料には成虫になると他にも卵を産み付け増えていくと載っていたが、あまり増えて困った経験はない。運動場が少し狭いのがお気に召さないのかも知れない。

「ここにいますよー」とわざわざ居場所を書いているようなものだから目立つので防除も楽である。ただ、斑入りナスタチウムの場合は別。目を凝らさなくては見つけられない。こっちを選んで卵を産み付けるほどの知恵は無いようだ。

そばに来ないで

ハーブを育苗する用土に、ずいぶん前からそば殻を加えるようになった。用土を軽くし、水はけを促進、隙間を作って微生物の住み処としても役立つようだ。

庭作りをさせていただいているお客様のお庭でも粘土質の硬い土の場合、積極的に使って土壌改良している。以前はもみ殻なども使っていたが、見た目が悪いのと、チカチカして始末に悪いことでそば殻に替えている。実際に比べていないけれど、もみ殻の方が分解しにくいとか、土が酸性に傾きやすいとも言われているようだ。

ただし、そば殻の場合、しばらくすると出てくるのだ。蕎麦の芽が。脱穀する時少し残ってしまうのだろう。

蕎麦の芽

いったん発芽すると一気に成長する。さすがに優れた救荒作物である。当然、ポット上げしたばかりの隣りのハーブはあっという間に追い抜かれて日陰になってしまう。また、一説では成育阻害物質も出すというので早めに取り除いた方が良いようだ。幸い、根は弱くて簡単に抜ける。有りがたいことである。

あるときお客様の庭ですき込んだ蕎麦の芽が生えてきた。急いで抜こうとしたら
「花が可愛らしいから活けて楽しむので少し残しておいて」
と言われた。若いのに風情が有る方だな。と感心したことがある。

ビニールハウスでは一杯生えてくるので、時々取りにきて欲しい。小さな時はサラダにできると言われているようだし。試して見ても良いけれど、軟弱栽培しないと美味しくないのかな?