竹割と鉈

先日から、育苗場の台を修繕するために竹を切る作業を少しづつ始めている。とりあえず今年はビニールハウス一棟分の台を直す予定だが、それでも結構な数の竹が必要になる。

竹を切り倒し、長さ120cmに切り、幅5cm程度に割っていく。竹を割る時に必要になるのが鉈である。もう何年も前、一番最初にこの作業をした時に使ったのが竹割器?なるものであった。しかしこれが全く役に立たなかった。太さが一定しない孟宗竹が対象なので、この竹割器が使えるのは長い竹のほんの一部のみ。刃の間に竹がはさまってしまい、どうにもこうにも行かなくなることも度々。結局鉈が一番良いという結論となった。

鉈

鉈はいつの頃からか実家の納屋に放置してあった。おそらく今は無き祖父のものだと思うが、いわゆる普通の鉈と違い、木製の握り部分が無い。刃の付け根がそのまま手元に向かって延長してあって、その先が二股に別れている。最初手に取った時、握る手は痛いし、良くこんな刃物が使えるものだと不思議でならなかった。

鉈

端が二股に広がっている
端が二股に広がっている

父に尋ねるとおそらく握りの部分に布や紐を巻いて使うようになっているんじゃなかろうかと教えてくれたので、綿ロープを巻き付けて使ってみた。見た目はスマートではないし、刃先にも出っ張りがあって頭でっかち。あまりカッコよくは無い。やはり木製の握りで、刃を収めるサヤが付いているのがあこがれである。しかし、使っているとそれなりに手になじんできたし、刃先の出っ張りも使い慣れない鉈を地面の石などに打ち付けた時も刃を傷めることが無い。

刃を研ぎ直して、紐も巻き直した
刃を研ぎ直して、紐も巻き直した

一年ぶりに引っ張り出した鉈は所々刃が欠けていた。今回もまだまだ竹を割ってもらわなければならないので刃を研ぎ直した。紐も少し細めのもので巻き直す。前よりも手にフィットする感じになり、竹割も楽しくこなせそうである。

寒中の芽(3)

暖かくなってくると一気に伸びはじめるラベンダーの新芽、剪定もまだ動き始めない今のうちが勝負である。

ソーヤーズハイブリッドラベンダー
写真はソーヤーズハイブリッドラベンダーの新芽。ふわふわとして可愛らしいのだが、横に伸びた古い枝から縦に延びようとしている。これが良くない。やはりラベンダーは扇型に展開した姿が美しい。形が悪くなるだけでなく、株元から縦に延びてくると枝は込み入ってくる。更に悪いことに横に伸びた枝はますます倒れてきてついには地面に付いてしまう。蒸れや病気の原因にもなりやすい。

ソーヤーズハイブリッドラベンダー

こまめに剪定を掛けていればある程度防げるのだが、風通しや湿度なども関係するので特にビニールハウスでの容器栽培では致し方の無いところもある。そうでなくても、この辺りではよほど環境がよくないとラベンダーを形良く育てるのは難しい。

でも、かつては山陰ではラベンダーは育成困難といわれていた時期もあった。それに比べれば育って開花するだけでも喜ばないといけないのかも。

寒中の芽(2)

ビニールハウスの中では次々と新芽が見えはじめつつある。たいていは嬉しい新芽であるが一方でまだ早いのに・・・という新芽もちらほら。

食用ホオズキ

春までじっとしておいてもらいたい食用ホオズキからも気が早い新芽が伸びはじめた。この後強い寒さが来たらどうせダウンしてしまうのに。かといって二重のビニールハウスへ移すほどでもないし。このままどうなるかしばらく様子を見よう。

サントリナ

また、こんなのも困ってしまう。主枝が折れてしまったサントリナ。横に伸びた枝が太ってしまい木質化。非常に格好が悪い株になってしまった。サントリナは毎年春に地際まで切り戻しておけばとても良い形でまとめることができるのに何年か前に剪定を怠けてしまったのだろう。もうこうなると形を戻すのは至難の業である。新しい株に更新するのが良いのだろうが、このサントリナの行き場所も見つかりそうにない。しばらくこのままになりそうである。決断力に欠けるなぁ。

梅、ほころぶ

店の裏手にある梅の枝に赤いものを見つけた。普段あまり気にすることも無いし、花が咲いているのが分かったのもたまたま車で横を通りすぎた時だった。

梅
桜と梅とどちらが好きかと問われれば、寒い中で凛と咲く梅の力強さの方にむしろ引かれる。店について、すぐに梅の木の元へむかった。

灰色の雲に覆われることが多い冬には珍しく柔らかな光が差していて梅も嬉しそうだ。辛い冬のさなかにも少しだけホッとできる瞬間。梅、ほころぶ、私、よろこぶ。

寒中の芽

思わぬ暖かさとなった大寒は過ぎ、まだまだ寒い日が続く。でも、春に向けて植物たちは着実に前に進んでいる。先月植え替えをした大きな鉢植えに次々と新芽が出てくるようになった。縮こまっている我々の姿を笑っているかのようだ。

ニオイゼラニウムも株が大きくなってくると徐々に木質化してくる。秋の時点では株の下のほうには全く葉が無くなることも珍しくない。剪定して形を整えたいところであるが、斑入りのものなど、一気に強剪定すると次に出てきた時に斑が無くなってしまうことが多い。そのため、植え替え時に軽く剪定をしておいて、その後で新芽が出たのを確認してからもう一度切り戻して最終的な形を整えている。

ハーブを育てはじめた頃、ニオイゼラニウムを冬に植え替えるなんて怖くてとてもできなかった。いつから平気でできるようになったのだろう。他の種類も含め、集中的に植え替えができるのがどうしても冬になってからになるので、それに合わせている。大株ばかりなことも有り、特に問題はない。

ヘイゼルナッツゼラニウム
ゼラニウムの中でもコンパクトな方のヘイゼルナッツゼラニウムも、大鉢で育てると秋には下枝はかなりしっかりしてくる。このまま咲かせると、非常に格好悪い。良い新芽が出はじめたのでこの後もう一回切り戻す。

グレープリーフゼラニウム
このグレープリーフゼラニウムも大型になる分、分枝が少なめで枝が太い。秋の時点では全く下のほうに葉が出ていないので剪定も掛けにくい。いまなら安心してはさみを入れることができる。普段、挿し木の枝が採れる量が少ない種類なので、剪定したついでに挿し木もしておこうかと言う気分にもなるのだが、たいていこういった「ついでに」で行なうとうまく行かないのだ。またの機会にしよう。