植物も人も

ハーブに限らず植物は「実際に育ててみないと分からない」ことが多い。

もう十数年前、ティートゥリーを育て始めた頃は、氷点下にしては駄目だと言う話だったので、それはそれは手厚く扱っていた。ところが、実際に植えてみると、松江市ならば地植えで全く大丈夫なことが分かって拍子抜け。屋根まで届いてしまった株もあるようだ。

その上、更に数年後、もう少し標高の高い雲南市でも防寒無しで越冬することが分かった。さすがに葉は傷むけれど、春には美しい新芽が出てくる。

剪定に強いことが分かったのもこの頃だ。雪が多かった冬、直径5センチぐらい合った主幹がボッキリ折れてしまった。「ありゃー、これは駄目かな〜」と思ったのに、暖かくなってきたら太い枝から軟らかな新芽が多数。ひょろひょろだった樹形も整ったのである。

ティートゥリー
なのでその後は全く躊躇せずに剪定できるようになった。咋秋ばっさり剪定した鉢植えのティートゥリーも今はこの通り↑である。

まあ、植物に限らず、人も長くつきあうと思いもかけない一面が見えてきたりするし、またそこが面白いんだけどね。

山菜の春

山菜が好きである。春は色々な山菜が楽しめるのも嬉しい。なかでも、ワラビやゼンマイはなぜか子供の頃から好きだった。

今食べても、どうしてこんなものが好きなのだろうと思いつつ、ついつい箸が進んでしまう。
ドワーフコンフリー・ヒッドコートブルー上の写真のドワーフコンフリー・ヒッドコートブルーの蕾を見ても、ゼンマイを思い浮かべてしまうぐらいだ。

さて、コンフリーと言う植物、40年ぐらい前だろうか、野菜としてかなりもてはやされたと聞く。今まで野菜を作ったことなど見たことのない両親もその昔育てていたと言うぐらいだから相当流行ったのだろう。

しかし今、発癌性物質を含み、大量に摂取すると危険と言われるようになった。おそらく相当摂取したと思われる父母であるが今の所大丈夫のようだ。

ワラビやゼンマイも発癌性物質を含み、大量に摂取するべきではないとの意見もある。毎日丼いっぱい食べるならともかく、思い出したように食べる程度であるから、あまり心配はしていない。百薬の長と言われる酒も過ぎれば毒。生きていくのに欠かせない塩も過剰摂取は命に関わる。何事も程々が第一。山菜もあく抜きをきちんとすれば心配は無いと言うし、今年も色々と楽しみたい。次はタラノメ?セリ?ウド?タケノコ?

桜が長く楽しめる春は

今年の春も、暖かくなったかと思うとまた気温が低い日がやってくる日が続く。昨年にも増して桜はかなり長く咲いているようだ。さすがに昨日あたりがお花見のラストだったようだが、花はまだ残っている。

しかし、あまり喜んでもいられない。桜を長く楽しめる春はバジルが育たないのである。
バジル4/11日現在でこのような調子。昨年よりもかなり成長が遅い。実は、先行して発芽した一群がナメクジか何かに食べられてしまったと言うこともある。

すでに、店頭には結構「まだですか?」の問い合せが来ていると言う。スミマセン、私のせいです。ゴメンナサイ。

加温すればもう少し大きく育つことは確かだ。でも、無理して育てても、茎は弱いし、早く植えれば早く育つと言うわけではないのがバジルである。苦労して不本意なものを育てるのもどうかと思うので、気温に応じた育てかたになりそうである。

なので、まだしばらくバジルは出来ません。それでもOKと言う方は、気を長くしてお待ちください。苦労をおかけします。>接客担当

ミツバチのお気に入り

暖かい日には圃場の周りでもミツバチを良く見るようになってきた。今日も、サラダに使うロケットの葉を収穫していると、周囲を何匹ものミツバチが飛び交っていた。

花盛りのロケット(ルッコラ)。サラダ用にはイマイチ。苦味が気になる。
花盛りのロケット(ルッコラ)。でも、もうサラダ用としてはイマイチ。苦味が気になる。

蜜源植物のボリジにはさぞやたくさんのミツバチが集っていることだろうと、ほんの10メートルほど離れたホワイトボリジを見てみても、なぜか一匹もいない。

ホワイトボリジ
少し前、大学で蜂の飼育を行なっておられる方が、青系統の花を好むと仰っていたので、もしかして白はお気に召さないのだろうか。ロケットの花も白ではないものの、せいぜいクリーム色である。

さて、ミツバチの姿を写そうとしてレンズを向けていると変なことに気がついた。ミツバチが花の上の方に現れてこないのだ。こちらは、花の中心に顔を突っ込む姿を待っているのに。

ロケットとミツバチ

蜜がでる所が、ずいぶん下にあるのかもしれない。萼の下の辺りから直接口を挿しているように見えた。ミツバチもなかなか大変である。しかし、ボリジをほったらかしにしてここまで頑張るとは、さぞ美味しい蜜があるのだろうか。花が咲いて、葉の甘さが移ってきたのかもね。

残されたバイモ

昨日紹介したお庭では、他界された御主人が残された植物たちを何年も守っていらっしゃる。そのうちの一つ、バイモが一斉に開花していた。

バイモ

最初にこの庭に訪れた時には百合の一種が植えてあるとばかり思っていた。いわゆるフリティラリアの仲間である。もう十年以上前になるだろうか、まだガーデニングブームといわれていた時期、フリティラリアもいっとき人気があった。

フリティラリアは、お客様の要望もあり、育てかけたこともあったのだが、何となく性が合わないと言うか、しり切れトンボになってしまった。今でも改めて育ててみようと言う気にはあまりならないけれど、訪れたお庭で見る分にはいいね。丈夫だし。

御主人が残された山野草の周りにも、奥様がお好きなハーブが勢力を増してきた。バイモは今どういう気分でいるのだろうか。