寒中の芽(3)

暖かくなってくると一気に伸びはじめるラベンダーの新芽、剪定もまだ動き始めない今のうちが勝負である。

ソーヤーズハイブリッドラベンダー
写真はソーヤーズハイブリッドラベンダーの新芽。ふわふわとして可愛らしいのだが、横に伸びた古い枝から縦に延びようとしている。これが良くない。やはりラベンダーは扇型に展開した姿が美しい。形が悪くなるだけでなく、株元から縦に延びてくると枝は込み入ってくる。更に悪いことに横に伸びた枝はますます倒れてきてついには地面に付いてしまう。蒸れや病気の原因にもなりやすい。

ソーヤーズハイブリッドラベンダー

こまめに剪定を掛けていればある程度防げるのだが、風通しや湿度なども関係するので特にビニールハウスでの容器栽培では致し方の無いところもある。そうでなくても、この辺りではよほど環境がよくないとラベンダーを形良く育てるのは難しい。

でも、かつては山陰ではラベンダーは育成困難といわれていた時期もあった。それに比べれば育って開花するだけでも喜ばないといけないのかも。

寒中の芽(2)

ビニールハウスの中では次々と新芽が見えはじめつつある。たいていは嬉しい新芽であるが一方でまだ早いのに・・・という新芽もちらほら。

食用ホオズキ

春までじっとしておいてもらいたい食用ホオズキからも気が早い新芽が伸びはじめた。この後強い寒さが来たらどうせダウンしてしまうのに。かといって二重のビニールハウスへ移すほどでもないし。このままどうなるかしばらく様子を見よう。

サントリナ

また、こんなのも困ってしまう。主枝が折れてしまったサントリナ。横に伸びた枝が太ってしまい木質化。非常に格好が悪い株になってしまった。サントリナは毎年春に地際まで切り戻しておけばとても良い形でまとめることができるのに何年か前に剪定を怠けてしまったのだろう。もうこうなると形を戻すのは至難の業である。新しい株に更新するのが良いのだろうが、このサントリナの行き場所も見つかりそうにない。しばらくこのままになりそうである。決断力に欠けるなぁ。

梅、ほころぶ

店の裏手にある梅の枝に赤いものを見つけた。普段あまり気にすることも無いし、花が咲いているのが分かったのもたまたま車で横を通りすぎた時だった。

梅
桜と梅とどちらが好きかと問われれば、寒い中で凛と咲く梅の力強さの方にむしろ引かれる。店について、すぐに梅の木の元へむかった。

灰色の雲に覆われることが多い冬には珍しく柔らかな光が差していて梅も嬉しそうだ。辛い冬のさなかにも少しだけホッとできる瞬間。梅、ほころぶ、私、よろこぶ。

寒中の芽

思わぬ暖かさとなった大寒は過ぎ、まだまだ寒い日が続く。でも、春に向けて植物たちは着実に前に進んでいる。先月植え替えをした大きな鉢植えに次々と新芽が出てくるようになった。縮こまっている我々の姿を笑っているかのようだ。

ニオイゼラニウムも株が大きくなってくると徐々に木質化してくる。秋の時点では株の下のほうには全く葉が無くなることも珍しくない。剪定して形を整えたいところであるが、斑入りのものなど、一気に強剪定すると次に出てきた時に斑が無くなってしまうことが多い。そのため、植え替え時に軽く剪定をしておいて、その後で新芽が出たのを確認してからもう一度切り戻して最終的な形を整えている。

ハーブを育てはじめた頃、ニオイゼラニウムを冬に植え替えるなんて怖くてとてもできなかった。いつから平気でできるようになったのだろう。他の種類も含め、集中的に植え替えができるのがどうしても冬になってからになるので、それに合わせている。大株ばかりなことも有り、特に問題はない。

ヘイゼルナッツゼラニウム
ゼラニウムの中でもコンパクトな方のヘイゼルナッツゼラニウムも、大鉢で育てると秋には下枝はかなりしっかりしてくる。このまま咲かせると、非常に格好悪い。良い新芽が出はじめたのでこの後もう一回切り戻す。

グレープリーフゼラニウム
このグレープリーフゼラニウムも大型になる分、分枝が少なめで枝が太い。秋の時点では全く下のほうに葉が出ていないので剪定も掛けにくい。いまなら安心してはさみを入れることができる。普段、挿し木の枝が採れる量が少ない種類なので、剪定したついでに挿し木もしておこうかと言う気分にもなるのだが、たいていこういった「ついでに」で行なうとうまく行かないのだ。またの機会にしよう。

お引っ越しの忘れ物

年末のこと。寒波が来て大雪の恐れ!と聞き、レモングラスやヘリオトロープなど寒さに弱いハーブの苗は2重のビニールハウスへお引っ越しをした。大きめの株も漏れなく移動したと思っていたのに、今になって移動し忘れていた株が見つかった。

ヘリオトロープ

ヘリオトロープである。咋秋、少し大きくなった苗を鉢あげしていたのだ。大きくしてから店頭へ持っていって飾ろうと思っていた。そのため、他のやはり店頭用に育てていた鉢と一緒にしていたのが災いしてチェックを逃れてしまったのだ。

ヘリオトロープの場合、強い寒さに当たってしまうと、こんなふうに葉が焼けたように変色してしまう。傷んだ葉は復活は無理なので剪定してしまうしかない。

このぐらいなら株までダメージを受けてはいそうに無いのだが、店頭デビューはかなり先になりそうである。