無料の冷暖房

剪定した枝の片付けを引き続き行う。

時折、雲間から顔をだす日差しが柔らかく、気持ちが良い。うっすらと汗ばむほどだ。

ふっと手を休めて見上げると、剪定したギンヨウボダイジュの枝が頭上に広がる。

冬はこうして葉を落として、我々に貴重な日差しを届け、しかも薪という燃料を供給してくれる。

夏は涼しい木陰を作って、作業の疲れを癒す場所を提供してくれる。

ある意味、暖房と冷房、両方の働きだ。もちろん電気代もいらないし、植えてから肥料さえやったこともない。

それでも、夏、下に集ったスタッフたちの、「あー、涼しい!」「気持ちがいいね!」という言葉ぐらいは伝わっているだろうか。

先日の寒波の影響

今朝の天気予報では、最低気温もプラスということだったが、圃場の外にある洗い場は見事に凍りついていた。

天気予報マイナス数度で考えておかなければいけない。

先日の寒波の影響もいろいろ見え始めている。ビニールハウスの中とはいえ、無加温なので寒さに弱い種類は軒並み寒さの被害が出てきた。

この冬、例年にないぐらい葉が残っていたレモンマリーゴールドだったが、さすがににこの前の寒さは無理だったようでかなりチリチリになってしまった。例年通りと言えばいいのだろうか。

大輪ジャスミンもそこそこのダメージ。これも寒い年にはほぼ葉が枯れ落ちるので、こちらはむしろ例年よりも頑張っているような感じだ。株自体には影響はないと思うが。

ニュースでは来週も同様の寒波がとの知らせもある。お手柔らかに願いたいところだ。

内面で惹きつけて

1月の終わり、冬の間の大仕事の一つ、ビニールハウス前のネムノキの剪定をしてもらった。

この樹も、大きくなってとても自分たちでは剪定ができなくなってきて、しばらく前から専門家にお願いするようになった。今回も、樹木医のMさんと、彼と師弟関係でもある出雲の林業青年、S君にお願いすることになった。

師匠が見守るなか、S君は道具を巧みに使いながらアーボリストの技術で着実に高所へ登って行く。

「自分があの位置に登ったら」と思うと、お尻がむずむずしそうなぐらい、高くて、細く、そしてしなやかな枝の上だ。

でも、見ていても、不安は感じさせない。確かな技術に支えられた本人の自信もあるのだろう。

登って行く間、じっと師匠は動きを見つめ、何かを指示するわけではなかった。ただ、実際の剪定作業に入ったら、細かい位置などを指導していた。あとでS君も、その辺りが勉強になると話していた。

寒い風が吹く中、無事剪定作業は完了し、着実な足取りでS君はネムノキから降りてきた。寒いからといって決して焦らない。

しかもこの重装備である。体の上から下まで、専用の道具。「次々と欲しくなって困る」と言うS君だったが、作業を知らない我々が見てもかっこいい。ヘルメットもロードバイク用のヘルメットを頑丈にしたようなかっこよさだ。

林業をめざす若い人をこう言うツールやスタイルも惹きつけているのかもしれない。それに対して我々の農業は・・・。なかなかツールやスタイルで憧れる側面は少なそうだ。

いやいや、そのぶん惹きつけるような内面を磨かねば。

マイナス6度

雪のピークは過ぎ、晴れたせいだろう、昨夜から今朝にかけてはずいぶん気温が下がった。

実際、昨日の夕方、山の向こうに日が隠れると、急激に冷え込んできた。

朝はもちろん水たまりに氷が張っていたが、ローズマリーにもしっかり霜が降りていた。

温度計を見るとマイナス6度を記録していた。

天気予報のデータによるとマイナス3度ぐらいにはなったようだが、やはりこの辺りは一段と冷える。山の影で、気温が下がり始めるスタートが早いせいなのだろうか。

それでも、朝には徐々に気温が上がり、8時過ぎには雪ではなく、雨が落ちてきた。午後からは南風が吹き、気温が上がると言う予報。ちょっとは春を感じさせて欲しい。

そり遊びの声

昨日あたりがピークだろうと思っていた今回の寒波、昨夜、もうひと押しという感じで積雪があった。

圃場へもそれほど苦労することなくたどり着くことはできたが、駐車場に車を入れるのは雪をかかないと無理だった。

裏山もしっかり雪化粧。

先日心配していたティートゥリー、かわいそうにずいぶんたわんでいる。枝折れも覚悟だ。

雪対策を怠ったローズマリーも枝がずいぶん押しつぶされていた。裂けている可能性もありそうだ。

昨日の昼、一度日がさしたのが幸いしてビニールハウスに雪が積もり続けることはなく、順調に滑り落ちたようだ。でも、雪の量は予想をかなり超えていた。暖冬気味だろうと少し油断していた。反省である。

昼前、青空が見え始めた頃、裏山に通じる坂道では近所の子供達がソリで遊ぶ歓声が聞こえてきた。

誰も通らないから思い切り遊んで欲しい。

スタッフはかまくらを作りたそうだった。