枝折れを機に

年初から雪に覆い尽くされていた畑のラベンダーも少し姿をあらわしてきた。予想通り、重い雪に押しつぶされてしまっている。このようなラベンダーを見るのも何年ぶりだろうか。

比較的雪にも強いグロッソラベンダーもペシャンコに
比較的雪にも強いグロッソラベンダーもペシャンコに

どの株も多かれ少なかれ、枝折れの被害を被っている。癒合材などをつけて補なうという手もあるが、いずれも直径が1メートル近くなっていて、早くコンパクトに仕立て直さなくてはと思っていた所。これを機に強剪定してみるのも良いだろう。

ラベンダーの枝折れ

それでもダウンする株も出てくるかも知れないけれど、更新する良い機会と割りきってみよう。少しレイアウトも替えてみようか・・・なんて前向きに捉えるにこしたことはないのである。

ヘの字

圃場の植物への大雪の影響は数限りないが、ひときわ目を引くのが、圃場横のユーカリだ。

ユーカリ

重い雪で折れることさえなかったものの、見事にヘの字を描いてしまった。とても重い上に落ちにくい雪だったのだろう。

まだこの先も雪の日が続く予報がでているので無理に矯正するのは止めにした。(この後どういう成長を見せるのかもちょっと興味深い・・・)

ユーカリにとっても受難の冬なのであった。

誘引君

とあるお宅へは毎年年末までにつるバラの誘引に伺っている。今年も雪が降る前にそろそろと思っていた所、来週は雪の予報が出た。小雨がぱらつくものの、今日行ってしまうことにした。

さて、誘引も一人でするより、二人の方がなにかと作業がスムーズだ。特に板塀に固定する時など、裏からひもを通してもらったりすると本当に助かる。

だが、今日は他のスタッフはそれぞれ仕事があり、同行してもらうのも頼みにくい状況。「どうしようかな〜」と迷っていると、
「『誘引君』を連れて一人で行ってくれば」と一蹴されてしまった。

「誘引君」とは我々の間で呼ばれている、大型の洗濯ばさみ(一般には『竿ピンチ』と呼ばれる)である。「誘引君」の誕生は、数年前、やはり誘引時期のとあるお庭にさかのぼる。いわゆる、「ちょっと手を貸して欲しい」誘引作業が続き、そのたびにスタッフを呼ぶのが面倒になってきた。そのとき、ふと目に留まったのがそのお宅の物干しにあった竿ピンチ。御承諾頂いた上で使ってみた所、まことに具合が良いことに気がついた。

誘引君

はしごなどに昇る作業時も、ちょっと服の端にでも挟んでおけば良いし、鋭いバラのトゲにも文句ひとつ言わない。2〜3個用意しておけばつるバラをまとめる際にも仕事がスムーズにはかどるのだ。

以来、庭作業の際にはかかせないアイテムとなったのである。今年もこれから何度か活躍してくれることになりそうだ。

ボーダーライン

毎年冬前になるといつも気にかかるハーブがある。サルビア・エレガンスがそれである。パイナップルセイジに近いサルビアと言われるが、もっと葉も薄く、香りもあまりない。花が咲くのも遅いので、ちょうどこの当りでは寒さが厳しくなり始めるかどうかと言う頃に蕾が上がってくる。

すでに新芽の先がこの所の寒さで傷み始めている
すでに新芽の先がこの所の寒さで傷み始めている

そのため、ここ数年は蕾は出たものの、強い寒さに当って花は見られずという年が続いている。ちょうどこの当りがボーダーラインなのだろう。植えている場所も午後遅くないうちから陰ってしまうのも災いしているようだ。

もちろんパイナップルセイジならそんな心配も無く、相当な日陰でももっと早くからガンガン咲いている。

幸か不幸か、いまのところ温暖化の影響は見られないようだ。

素晴らしい住み家

相変わらず圃場で大いに恐れられているネトル。ご注文を頂くたびに、皆さんどうやって使っているんだろうね〜。と話題になる。

いままでは、他のハーブと一緒に並べて育てていたが、棘による被害があまりに多いのでこの夏からは特別席を与えられ、いつも特定の場所に置かれることになった。

ネトルと虫
さて、そのネトルにどうやら虫がついている模様。葉が巻きぎみになって、小さなフンのようなものも見える。恐る恐る(虫が怖いのではなく、ネトルがね)顔を近づけてみるとまだ小さいながら、蝶か何かの幼虫のようだ。

ネトルと虫

美味しいかも知れないけれど、痛くないのかなと人ごとながら心配してしまう。結局は手袋を付けた手につまみ出されたけれど、自分自身が棘が大丈夫だとしたら防御壁も兼ねる素晴らしい住み家であるに違いない。