挿し木のタイミング

夏の終わりは、挿し木作業が多くなる。特に花が終って、少し休憩したラベンダーが新芽を伸ばし始めるので、ラベンダーの挿し木がいちばん多い。

畑の親木はまさに運を天に任せているので、適期を待って挿し木をするしかない。一方、鉢植えのラベンダーは花の後の植え替えと剪定の時期を調節する事で新芽が伸びてくる時期が少し違ってくる。

ちなみに去年は、まだ暑さが衰えないうちに新芽が伸びてきてしまい、その状態で挿し木をしたら相当失敗もあったので、今年は植え替えを遅くした。

ところがなかなか思うようにはいかないもので、今年はもう挿し木ができそうな気温になってもまだ十分に新芽が伸びてこず、困ってしまった。

それでもようやく一部のコモン系のラベンダーが良い状況になってきた。ポイントは新芽が伸びてしばらく経ち、下のほうが少し色が濃くなってしっかりしてきた時だ。あまり軟らかい新芽だと腐りやすいし、あまり固くなってしまうと発根に時間がかかる。

ラベンダー

挿し木のノウハウは人それぞれなので、かならずしもこのタイミングがベストだとは言えないけれど、秋は安定した挿し木に良い季節。試して見られるのも良いかも知れない。

家賃の回収

鉢植えにしているラベンダーの親木は、たいてい開花が終り、少ししてから植え替える事が多い。古い枝を剪定しておくと、秋に向けて挿し木の元になる良い枝が出やすいからだ。

その後、成長の様子を見て挿し穂の採取を行うのだが、親木を置いている場所に行って見ると見かけない鉢が置いてある。ラベルをチェックすると確かにラベンダー。でも、これは明らかにスミレの仲間である。周囲に野のスミレが多いのか、時々鉢植えに混じり込む事があるのだ。

すみれ

どうやら植え替える前にすでに潜り込んでいたようで、剪定されたラベンダーの勢力が強くないうちに鉢を乗っ取ってしまったようだ。今では、まるで自分が昔からここにいたかのような態度。ここまで態度がでかいと追い出す気も無くなってしまう。いつの間にやら種子までつけて、更に勢力を拡大しようとしているほどだ。もちろん、元の住人(?)のラベンダーは姿もない。せめて家賃の代りに、花でも見せて欲しい所だが、それは春まで待たねばなるまい。

スミレの種

そういえば・・・と、ふと思い出した。

一月か二月ほど前、ある園芸店さんから日本のスミレの苗がないかと問合せが来た。詳しくは分からないが、宝塚(歌劇)で使うそうで、日本のスミレでないといけないとのこと。残念ながらうちにでは育てておりませんので。と、他の園芸店さんを紹介してお断りしたのだが、う〜ん、これでも良かったのでは?

家賃ぐらい回収できたかも。

枝折れを機に

年初から雪に覆い尽くされていた畑のラベンダーも少し姿をあらわしてきた。予想通り、重い雪に押しつぶされてしまっている。このようなラベンダーを見るのも何年ぶりだろうか。

比較的雪にも強いグロッソラベンダーもペシャンコに
比較的雪にも強いグロッソラベンダーもペシャンコに

どの株も多かれ少なかれ、枝折れの被害を被っている。癒合材などをつけて補なうという手もあるが、いずれも直径が1メートル近くなっていて、早くコンパクトに仕立て直さなくてはと思っていた所。これを機に強剪定してみるのも良いだろう。

ラベンダーの枝折れ

それでもダウンする株も出てくるかも知れないけれど、更新する良い機会と割りきってみよう。少しレイアウトも替えてみようか・・・なんて前向きに捉えるにこしたことはないのである。

瀕死

この夏の猛暑、店の花壇にもいたる所に爪痕を残して去っていった。

花壇でも一番良い場所に鎮座しているブルーマウンテンラベンダー。お盆前から暑さの影響が出てきたと思っていたらみるみるうちに枯れ上がっていった。こんな症状が進行している時は返って手をかけるのは危険である。せいぜい剪定したり、陰を作ってやるのがせいぜい。その後も続いた酷暑を考えると植え替えなどした日にはとどめを刺すようなものだったろう。

ブルーマウンテンラベンダー

さて、ようやく暑さも一段落したようで様子を見てみると、まさに瀕死状態。隣りのローズマリーが勢力を拡大し、覆いかぶさってきたのも蒸れに拍車をかけたのだろう。

ブルーマウンテンラベンダー

しかし、株はまずまず充実していたので株元から少し新芽が出始めたのは良い兆候である。今後の涼しさが良い影響を与えてくれることを願う。

ふたつのロイヤル

ちょうど今、ロイヤルパープルラベンダーが花盛りである。ちょうど時を同じくしてロイヤルパープルセイジも開花し始めた。

ロイヤルパープルラベンダー

だが、畏れ多い名を冠したふたつの花はちょっと気難しくて、御機嫌を損ねたらアウトである。ロイヤルパープルラベンダーの方はだらしなく伸び、花色もぼやけた感じになるし、ロイヤルパープルセイジも枝がダランとしてしまい、花付きも悪くなってしまう。今年はまずまずと言った所だが、王族の方々はそもそもこの蒸し暑い環境はお気に召さないらしい。

ロイヤルパープルセイジ

めったに無いけれど、秋に咲くロイヤルパープルラベンダーはため息が出るような色になるし、涼しい時期に咲くロイヤルパープルセイジはすがすがしさが際立つ上に、風格さえ感じさせる色となる。写真では伝えられないのが残念だ。

そんなところも「ロイヤル」の名がふさわしいと感じさせる花達である。