何を食べているのやら

昨日、とある花壇の手入れに向かった。

壁沿いの花壇を手入れしていると、壁と樋の隙間に何やらゴミがひっついていた。

最初は笹の葉でもが蜘蛛の巣に引っかかっているのかと思っていたが、どうやら違う。手のようなものが見える。

そっと捕まえてみると、ナナフシの仲間のようだ(後で調べるとエダナナフシではないかと思える)。

しばし観察してから壁に戻してやると器用に垂直の壁を登っていく。スポーツクライミングのオリンピック選手でもここまでスイスイと楽に登れないだろう。さすが六本足である。

ナナフシは植物の葉を食べるそうで、桜やクヌギなどの紅葉樹の葉を食草とするらしいが、建物の周りは広く駐車場。

ツリージャーマンダー

ナナフシがいた下に植っているのは、ローズゼラニウム、ツリージャーマンダー、サルビア・ミクロフィラ・ホットリップ、そしてアンソニーパーカーセイジだけ。一般に食草とされるものはないのだが、一体何を食べているのやら。

まあ、見てわかるような被害も見つからないし、放っておくことにした。

それにしても最初に見つけた時の様子、どう見ても我々から見えにくいところに隠れていたように思える。

危険を感じて隠れたのだろうか、それとも我々が植えたハーブをかじっているのが気まずかったのだろうか。

やっつけの宿題用に

引き続き、夏の間取り付けていた寒冷紗の取り外しを行なっている。

気温が下がってきたのでもう辛くはないが、この作業の時は長袖が必須だ。

取り外しているとき、寒冷紗とビニールの間に捉えられてお亡くなりになられた昆虫たちの亡骸が落ちてくるのだ。以前、スタッフが死骸に残っていた蜂の針か何かが刺さって、大変なことになったことがある。それ以来、慎重に作業を行うようになった。

何枚かの寒冷紗を外すだけでもこうしてアゲハ蝶、トンボ、アシナガバチ、スズメバチなどの死骸が出てくる。

どれも見事に乾燥していて、やっつけの夏休みの宿題ぐらいには使えそうだ。さすがに9月の終わりまでは、先生も待ってはくれないだろうけれど。

夏菜園で最後まで残るもの

今年は種まきのタイミングが悪くてひと株しかない家庭菜園のオクラだが、先月からポロポロと収穫が続いている。

夏野菜はその年によって育てるものにも変化があるが、オクラはおおよそ毎年育てている。育てやすいし、コンスタントに取れて食卓を賑わしてくれるのもありがたいが、もう一つ理由がある。

秋に向けて育苗中のマロウやホリホックの大敵である葉巻虫の警戒アラート役だ。オクラも同じアオイ科なのでこの葉巻虫が必ずといっていいほどやってくる。

オクラとフタトガリコヤガ

野菜を育てている人には「オクラの葉巻虫」といえばそれで通じると思うが、フタトガリアオイガ(フタトガリコヤガ)という名前の昆虫だ。

外の畑のオクラにこの葉巻虫がやってくると、大抵、マロウやホリホックにも着き始める。オクラは毎日チェックしないと1日の収穫の遅れで食べられなくなるほど大きくなるので、大抵朝に様子を見る。今朝、収穫に行ったら数匹の葉巻虫がいたので、育苗中のブラックホリホックの苗を調べたらやはり葉巻虫を発見。すでに若干被害があったが、放っておいたら丸坊主になるところだった。この毛虫は素手でも大丈夫なので即退治できる。

ブラックホリホックとフタトガリゴヤガ

こういう理由もあって、オクラは毎年夏の菜園には欠かせないし、最後まで残っていることが多い。片付け忘れを指摘されても、苗のためという言い訳もあるし。

夏の終わりのアリたちと

台風が過ぎて、日差しが戻ってきた。気温もすぐに30度を越えたが、風はちょっと爽やかで少し暑さも落ち着いた感じだ。

夜明けもずいぶん遅くなり、早く日が沈むようになってきたので、日光が地面を熱する時間が短くなっているのも一つの理由かもしれない。

セミの鳴き声も、アブラゼミからミンミンゼミに主役が変わり、今朝は鈴虫の声も聞こえてきた。

それでも真夏と変わらず働いているのがアリ。いつ見てもすごいスピードであっちへ行ったり、こっちへ行ったり。この小さい体のどこにこんなに動くエネルギーを蓄えているのかと驚くほどだ。

そんな働き者のアリなので、仕事の進み具合も感心するほどだ。先日ポット上げしたばかりのレモンバームの株元に、もう土を寄せ集めた塚を作っている。

色々な説があるようだが、一説には自分たちの餌を隠しているとも言われている。確かに死んだ昆虫の死骸を蟻が砂や土で覆うのはよく見かける。

ただ、この場合は、土の下に死骸や餌があるわけではなく、少し上にアリが好む甘露を出すカイガラムシがいる。カイガラムシは生きているので、土を盛られたところから上の方に移動したのかもしれないが。

アリと共生関係にあるカイガラムシ

以前は、この塚をみるとなにやら腹が立ったものだが、今は、「教えてくれてありがとう」という気持ちである。とりあえずこの塚を見つけたら、その株のどこかにカイガラムシやアブラムシがいるので、ブラシで取り除けば良いだけ。我々がひと株ひと株害虫を探すよりもはるかに効率が良い。

もちろん、取り除いたつもりでも、まだ残っていることもある。でも、働き者のアリさんたちはまたすぐに塚を作って教えてくれるのだ。ご苦労様!

アリとしては隠しているつもりかもしれないのだが、かえって目立つんだよと教えてあげたいぐらいだ。

季節が進めばそんなアリたちの働きも徐々に少なくなってくる。せいぜいそれまでは助けてもらうとしましょうか。

アシナガバチ不動産

気温が高い日が続く。今日も24度まで上がった。11月なのに・・・・。

昨夜など、外から虫の声が聞こえてきて9月半ばかと思わせるぐらいだった。明日は27度という予想も出ている。どうなるのだろう。

一番下にあるビニールハウスの奥では先日からアシナガバチが乱舞している。当初は巣があるのかと警戒したのだが、よくよく観察してみるとどうやら違う感じだ。

巣がある場合は巣がある付近から出たり入ったりするのが普通だ。ところが、あちらからもこちらからもハチが飛び交う感じ。

以前も同じようなことがあったのを思い出した。他のスズメバチなどに襲撃を受けた巣が崩壊、行き場を失ったアシナガバチが似たような行動をしていた。

もちろん、巣を探したりするようなバカな行動はしないのが吉。夕方になって気温が下がるとおとなしくなってくるので、様子を見ることにした。

さて、今朝、7時前のこと。この場所に積んである袋を整理しようと持ち上げたらゴソゴソと動く集団がいた。アシナガバチだ。

やはり以前と同じく、元々の巣がなくなったハチたちが集まっているのだろう。前回もこの状態のまま冬を過ごして春を迎えていた。

さて、この場所は冬に向けて色々と片付ける必要がある。どこかに移動してもらいたいのはやまやま。

芋虫をハンティングするアシナガバチ(5月)
芋虫をハンティングするアシナガバチ(5月)

でも、今年も相当芋虫や毛虫をとってくれていたはずである。来年も仲良く付き合っていきたいから、どこかいい越冬場所を斡旋したいものだ。

アシナガバチ不動産でもあれば相談しに行ってあげるのに。