労働か、スポーツか

引き続き、仕事の合間をみては薪づくり作業を続けている。

切り倒した大木を、重機で無造作に積み重ねていくのを昨年遠くから見ていたが、実際に近くで見ると「必要な木をどうやって切って取り出すべきか」と頭の中が真っ白になってくる。

薪
積み重なった木々。雪の降る前。こう見ると簡単そうに見えるのだが・・・

いままではすでに倒れていた木や、間伐する木を一本一本倒していたので、こんなに積み重なっていることはなかった。重機ならではの仕事である。

重い木が積み重なっていると、変な方向に力がかかってたわんでいる木も多い。安易にチェーンソーを当てると跳ね返ってきたり、滑り落ちてくることもあり、大怪我の危険性も十分にあるので焦りは禁物だ。

足元も決してよくないので作業しやすい場所から上手に作業場を広げながら進めていく必要もある。

また、輪切り(玉切り)にした幹を楽に運び出せるよう、スタートする場所や、切っていく方向にも気を配らねばならない。行き当たりばったりではうまく行かないのだ。結局取り掛かるまでに現地を3回は見に行っただろうか。自然を相手に複雑なパズルをしているような感じだ。

木々
雪が降って足元も厳しくなった。

作業を始めると、真冬とはいえ、汗をかき、心拍数も上がる。メガネも曇ってくる。疲れとともに判断力も鈍り、腕や肩が痛み始めるとつい作業も雑になりがちだ。そんな時にトラブルが起きるものだ。

積み重なった木
複雑に積み重なった木のどこから手をつけるか。竹も混じっていてなお厄介。

焦らず、マイペースで慎重に。ぬかるんだ足元で重いチェーンソーを使うので腰を痛めないように姿勢にも気を配る。

時々作業しながら、労働というよりもスポーツのような気がしてくる。

そもそも、これでお金がもらえるわけじゃないので、スポーツと割り切った方が楽しいに違いないしね。

対策は十分か?

この冬、12月に初雪は観測されたが積もるほどではなく、それ以降も降ってもみぞれ程度。

スタッフとも「せっかくスタッドレスに変えたのに、タイヤを削っているようなものだね」と話しているぐらいだ。

ただ、雪にはいままでなんども痛い目にあわされているし、こんな風に油断している時が一番危ない。

昨年の1月下旬の大雪のときも、大丈夫だろうと対策を怠っていた一棟のビニールハウスが雪害にあった。その際は、修復に忙しくてなかなか記録ができなかったので、気を引き締めるためにも少し書き残しておきたいと思う。

2017年1月下旬の大雪
2017年1月下旬の大雪

記録を見ると、2017年1月22日から23日にかけて急激に積雪があった。縦方向の補強が不十分だった一棟の奥半分がおおきくひしゃげてしまったのだ。

雪の重さで折れたパイプ
雪の重さで折れたパイプ

他のビニールハウスは中央に縦方向の支柱が何本も入れてあるので雪の重さにも比較的強くなっているが、このビニールハウスは二重構造のため、縦の支柱が入れてなかった。

雪の重みで内側を押しつぶす外側のパイプ
雪の重みで内側を押しつぶす外側のパイプ

しかも、縦方向の支柱も、入れようと思えば入れられたのに、「内側のビニールに穴を開けてしまうのがもったいない」という貧乏くさい気持ちが支柱を入れることをためらわせたのだ。明らかに準備不足である。

なので、今回は冬のはじめに縦方向の支柱を入れる作業を行った。

内張
内張

秋に取り付けた内側のビニール。もちろん新品である。これに穴を開けて縦の支柱を通さねばならない。

補強部分の縦パイプ
補強部分の縦パイプ

この補強部分の縦パイプにつなげるよう、支柱パイプを取り付けていく。

カッターナイフで穴を開けたりはしない。裂けることはないと思われるがやはりここは丁寧に円形の穴を開けたいところ。

バーナー

場所を確認して、少し小さめの径のパイプをバーナーで熱する。

穴あけ

パイプが熱くなったら慎重にビニールに当てる。緊張感と罪悪感が入り混じる。

穴あけ穴あけ

綺麗に穴が空いた。

ジョイント

縦のパイプをジョイントして出来上がり。

完成図これで(たぶん)雪が降っても大丈夫だし、これでもダメなようなら諦めるしかないのだ。

ガーデニング日和

冬を前にして、畑の手入れに時間を使う日が多くなってきた。

ガーデニングシーズンというなら、気持ちの良い天気が続く10月や、4月から5月を思い浮かべるところだが、あいにくその時期は本業が忙しくて紺屋の白袴状態。自分のところの畑などいくら手入れしたくてもできるものではない。

なので、秋の作業が一旦落ち着いたこの時期は自分にとっての貴重なガーデニングシーズンだったりする。それに、この時期だとクワやスコップを振り回すような作業をしても汗だくになることもなく、ちょうどいいエクササイズになる。今日は朝から少し冷たい風もふいているのでこの上ないコンディションだ。

昨日に続いて、今日は畑の端の開墾作業を行う。2年ぐらい前までは枝豆やサヤエンドウを植えたりしていたが、それ以降は特に何も植えることなく、植え替えをした時にでた古い土などを積んでおく場所となっていた。

畑の開墾
奥が昨日の作業。手前が今日の目標範囲

春に何か植えようと耕しかけたりもしたのだが、その後ミントが繁茂してしまって(植え替えの土に混ざっていたのだろう)、何も植えることなく2年間ほったらかし。草刈りばかりに労力をかけるもったいない場所になっていた。

そこで、この秋、再度使えるようにと再度耕し始めたのだが、2年間放っておくと耕すというよりは開墾に近い。ミントの地下茎、ギシギシ、ススキの根、スギナの地下茎など相当手強い奴らが相手だ。

秋のミント
見た目は良くても甘く見ると後で後悔する秋のミント

秋の初めに草刈りをして新たに伸びてきたミントは案外見た目もいいものだが、それに騙されていると来年の春から泣くことになる。せっかく植えたものが伸びる前にあっという間にミントに追い越されて覆われてしまう。今のうちに丁寧に地下茎ごと整理しておく必要がある。

ただ、少し前の「縦のものを横に」で書いたように、この時期はミントなどは特に横に広がろうとしているようで、根がそれほど深く張っていないし、地下茎も浅い場所にあることが多いので案外簡単に掘り上げることができる。

これが冬を越して春になったらそうはいかない。上に伸びようとするために、地下へのびる勢いも増してくるのできちんと片付けるのは一苦労だろう。

また、夏の間他の雑草にひっそりと隠れるように育っていたギシギシも冬の日差しをすこしでも浴びようと葉を広げ始めている。

ギシギシ

これも冬の間にしっかり根を張ってしまうと春に引っこ抜こうとしてもそうはいかない。今のうちなら案外すんなりと土からでてきたりする。

ギシギシ
掘り出してびっくり、このサイズの根のギシギシ。春に掘るのは大変。

昨日までは平グワで奮闘していたのだが、平グワだとミントの地下茎を細かく切ってしまいやすいし、抵抗が大きくて作業が進みにくいため、今日は自宅から三本グワを持ってきた。

三本グワ

やはり道具である。昨日の倍ぐらいの効率で作業が進む。

枯れ草を片付けていると居場所がなくなったてんとう虫が困った様子で行ったり来たり。今日は寒くてお休みしていたのかもしれない。スマンスマン。

てんとう虫

小一時間ほど奮闘したらミントの地下茎が山のように取り出せた。これが来年の春までここにあったらと思うとちょっと怖い。

ミントの地下茎

開墾作業
さて、何を植えようか

2日かけて、計2〜3時間ほどだがこれほどの場所が開墾できた。土が馴染むまでしばらく放置して、秋のうちに植えてもいいし、春まで待つのもいいかもしれない。

一応ハーブの親木を植えるつもりではいるが、早く決めなくては。植えるものが決まらなくて、「とりあえず野菜でも」となってしまう可能性も決して低くないからなぁ。

紛失防止策

 

パイナップルセイジの赤い色も鮮やかになり、ラベンダーの秋の返り咲きもピークを過ぎてきた。

パイナップルセイジ

イレーネドイルラベンダー
秋にも返り咲きしやすいイレーネドイルラベンダー

毎年この時期は冬に向けての圃場や施設の整備を行う。まだ10月のうちならば晴れて気持ちが良い天気も多いが、11月に入ると急に雨の日が多くなってくるからだ。

畑の草取りを始め、冬に肥料作りを行うビニールハウスの整理整頓、掃除、今のうちにできる樹木の剪定も行う。

ビニールハウスの片付け
肥料作りで活躍する小さなビニールハウスも大掃除

特に、夏の間に伸びた雑草を片付けるのは大仕事なので、10月に入ってから、徐々に行うようにしている。

ハサミや鎌や熊手などを総動員しての作業だが、油断しているといつもなにかが行方不明になる。

草の山
この中にハサミが紛れている・・・はず。グリップがグリーンなので見つかるかどうか

今年もスタッフのハサミが草を集める時に一緒に紛れてしまって、未だにみつからない。この草山の中にあるはずなのだが探し当てることができるのだろうか・・・。

ハサミとストラップ
なくすと大変な大事なハサミはストラップを

大事にしている私のハサミは落下防止用コードでハサミケースとつないでいるからなくなる心配はないのだが、そのかわりなんども鎌が行方不明になった。

鎌で草取りをしていて、「おっと、このハーブも剪定しておかなきゃ」と、別の作業に取り掛かり、その場に置いてしまって忘れるのだ。腰袋をつけているので、挿しておけばいいのだが、すぐに使うからと足元に置いたが最後、あとで「どこにやったかなぁ」と探し回ることになる。

それでも、探して見つかればいい方で、先日は、いくら探しても見あたらず、時間ばかり過ぎていき、結局探索を断念した。

その翌日、刈った草を片付けていたら草の下から発見。前の日にも調べた場所だったのに、枯れ草と似たような色でわからなかったようだ。何日も経つと錆が出たり柄が傷んだりするので、すぐに見つかって幸いだった。

紛失した鎌
柄が出てきた
鎌発見
翌日だったので傷みはなかった

この鎌、小さい割にしっかりしていて、使いやすく気に入っている。だが、近所では売っていないので無くすと困るのだ。

探し回るのがいい加減嫌になったので、落としてもすぐ見つけられるようにと、柄に色を塗ることにした。さすがに、紐で腰と繋いでおくわけにもいかないし・・・。

ちょうど、以前つかった赤い塗料が残っていたので、草の中でも目立つよう、柄の部分を塗装してみた。確かにこれならきっと見つかりやすいだろうが、なんともどぎつい。せっかく柄もいい感じに使用感が出てきたところだったのに。

鎌の塗装
見た目的には・・・美しくない

後で考えてみると、鮮やかな紐を握り部分に巻くのもよかったなと思えてきた。ペンキが剥げてきたら、それもいいかもと今から企んでいる。

 

カミソリ持つ時は

昔から言うらしい。

「包丁持つ時は 包丁のことだけ考えとれ」

と。

包丁持つ時は

今日はティートゥリーの挿し木作業。ティートゥリーは、あまり気温が下がってくると発根しにくくなるので、そろそろ今年は最後になるかもしれない。

気持ちの良い天気の中、作業をスタートした。枝の処理にそんなに神経を使う種類ではないし、気軽に作業を進める。

単調な作業をしていると、ついいろいろなことが頭に浮かぶ。

「ビニールハウスの周りの草刈り、もう一回しとかなきゃな・・・」

とか、

「昨年ダメになったストーブの煙突もはやめに買っとかなきゃ」

とか、

「今年の忘年会、どうしよう・・・」←そもそも気が早すぎ。

などなど思案しつつ作業をしていたら、カミソリで人差し指をスパッと切ってしまった。

みるみるうちに血が染み出してきて傷口も見えない。勢いよく切ってしまったので、結構傷は深いかもしれない。

すぐに止血して、カットバンを貼る。おそらく大丈夫そうなので作業に戻る。バイ菌が気になるが、カミソリで切っていたのが殺菌作用のあるティートゥリーなのできっと大丈夫だろうと自分を納得させる。それなりに出血もしたし。

指のケガ

挿し木の時に手を切ってしまうなんて我ながら驚いた。何年ぶりだろう、いや、何十年ぶりかもしれない。

結構硬い枝を処理するのに先月から使っていた少し古いカミソリを使ったのもよくなかった。切れにくい刃ほど危ないものはない。

何れにせよ、挿し木枝の処理なんて簡単、カミソリで手を切るはずがない。という軽い気持ち、そして余計なことを考えていたのが一番の原因だった。

午後には傷もふさがった模様だが、ちょうど人差し指の先で、キーボードを打つのも結構つらい。

「包丁持つ時は 包丁のことだけを考えていないとケガをする。」

昔から言われていることなら肝に銘じておこう。

だが、挿し木をしながら、他のことを考えないというのはなかなか難しそうだゾ。