次の方にお譲りください

ロケット(ルッコラ)の莢が付きだし、ようやく熟したので刈り取りをした。早く片付けて、次の作物に向けた準備をしたかったので、ここまで待つのは結構じれったかった。

ロケット(ルッコラ)の莢

そのうえ収穫しようにも雨模様の日が続き、乾くのを待たざるを得なかった。また、莢に黴が生えたようになっていて中の種子の状態が心配だった。幸い開けてみると種子に問題なく、充実しているようだ。

ロケット(ルッコラ)の種子

ところが、先行して熟した種子が落ちたのか、元あった畝にもう早速こぼれ種の芽が出ていた。よほど気に入ったのか、この場所を譲りたくないようだ。

ロケット(ルッコラ)のこぼれ種

たいてい、このあたりでは、ロケットは秋のお彼岸少し前ぐらいに蒔くと丁度よい。秋の終わりから冬〜春先まで長く楽しめ、害虫の被害も少ない。今からでは虫たちの格好の餌になることは間違いない。

ネットを張って防ぐことも考えられる。ただ、少し心配なのは連作障害である。ロケットの連作障害はあまり聞いたことが無いにせよ、できれば同じ場所は避けたい。心を鬼にして耕してしまうか・・・それとも研究のつもりでこのままにしておくか。悩むところである。

朝のディテクティブ

病害虫も、その原因や正体が分からないときは何かと不安である。特に園芸を始めた頃は毎回新しいトラブルとの遭遇でどきどきしっぱなしだった。それでも一つ一つ経験値を上げていくことでいつのまにか少々のトラブルには動じないようになってくる。

アジュガ・バーガンディグロウ

今朝も苗を見ているとアジュガ・バーガンディグロウの葉が半分、かじられたようになくなっていた。時期的にはナメクジや、そろそろバッタの被害も考えられるが、ナメクジなら跡が残っているだろうし、バッタも相当大きいサイズでないとこんなに奇麗に食べない。今見かけるのはまだ小さいバッタなので葉の表面に所々穴が開くぐらいだろう。

ヨトウムシ

さては・・・と株元を見てみると、いたいた。ヨトウムシである。カラフルなサラダを腹いっぱい食べてお休みのところ申し訳ないが、退場していただく。アジュガ(アユガ)も普通のreptansは濃いブロンズパープルのうえにごわごわしてあまり美味しそうに思えないが、バーガンディグロウはヨトウムシでなくたってサラダにして食べたくなるぐらいだ。

こっちは普通のアジュガ(アユガ)レプタンス
こっちは普通のアジュガ(アユガ)レプタンス

実際に葉を食べている姿はあまり見かけない。たいてい目にするのは食後、腹いっぱいになって株元で横になっている姿である。なおさら小憎らしい。

お客様と話をしていると相当憎んでおられる人もいるようだ。よほど悔しい思いをなされたのだろう。幸い、この圃場ではあまり被害が大きくならず、特に対策はしていない。食い残しの葉を見つけると株元を探す程度である。

空に手を伸ばし

菜園のキュウリがたいへん気持ち良く伸びている。例年この畑ではキュウリの成育が非常に良い。昨年までは4株ぐらい植えていたのだが、ピークになると収穫しきれず巨大になってしまうので今年からは2株だけにした。

先月終り頃からは収穫もぽつぽつ始まり、現在毎日2,3本。丁度良い収量である。しかし、ここにきて一気に花が咲くようになった。この花が全て実になると・・・と考えると毎年ながら不安である。
キュウリ
株自体の成育もまだまだ続く感じで、追肥もしないのにどんどん上に伸びようとしている。もうこの先は何も無いのに空にまで手を伸ばそうと懸命だ。
キュウリ
キュウリの支柱は、例年台風などで倒れてきた経験から、今年は枠になるメイン3本の支柱をビニールハウス用のパイプで組み立て、それに竹やプラスチックの支柱、ひもなどを使って垣根をこしらえた。これも数年前までは市販のキュウリネットを使っていたのだが、有る年、草刈機で引っかけてしまい、たいへんな目にあった。また買い直すのも癪なので以来自作である。片付けもこちらの方が簡単で、そのまま他の秋野菜に使う。ズボラな自分には向いている。

ところで開花数を調整してなるべく細く長く収穫できるようにする方法はないものだろうか・・・。今度菜園の大先生である伯母に会ったら訊ねて見ることにしよう。

ラベンダーと雨粒

この頃多いゲリラ豪雨や土砂降りは御免だが、しっとりと降る雨を見ていると心のさざ波も静められ、しばし落ち着いた気分になる。雨を受け、喜んでいるように見える草花の姿もまた気分を和らげてくれるのだろう。

だが、花の咲いたラベンダーだけはなにやら可愛そうである。ラベンダーの花はどうも雨の日は似あわない。大雨が降って花穂が垂れるようになるとなおさら惨めだ。

グロッソラベンダー

このグロッソラベンダーも詰み時を迎えるというのに、濡れていてはドライにするにも難儀する。コモン(イングリッシュ)系はまだしも、ラバンディン系はちょうどこの辺りの梅雨の時期と重なる。去年など、収穫にベストなタイミングは一日しかなかったように思う。それに比べれば今年はまだましだったのかも知れない。

そのうち、雨が上がりかけ、待ちかねたかのようにマルハナバチがやってきて花にしがみつきはじめた。

マルハナバチに促されるようにまた仕事に戻ったのである。

晴れの日も雨の日も

一棟のビニールハウスの前に、ネムノキが生えている。正確には、ある時、ビニールハウスの苗ポットにひょっこり生えてきたのでそのまま育苗して、この場所に植えたのだ。

ネムノキ

夏、入口に日陰を作ってくれるのを期待して、以後5.6年になるだろうか。過酷な場所で手入れもしなかったのに何とかここまで大きく成長。今年は剪定と若干の誘引をして概ね良い感じの日陰を提供してくれるようになった。冬はしっかり葉を落として陽の光を通してくれるのもありがたい。

ネムノキ

鑑賞するという点では雨の日の雰囲気が好ましい。雨粒をまとった繊細な花も良いし、しっとりと濡れた葉の様子もまた悪くない。晴れの日なら夕暮れ時。夕闇に浮かぶ花はなかなか良い感じである。日中はそれほどでも無いが、下の日陰を楽しむのである。

ネムノキ

じとじとする梅雨は嫌だが、この花を見ると少しは慰められるのである。