台風10号の爪痕

接近の3日以上前から松江市を通過する予測が出ていた台風10号。お盆とも重なって接近前からニュースなどでずいぶん警戒するよう報道されていた。

もちろん、お盆休み返上で台風対策に奔走したわけだが、実際は離れた地域の方が被害が大きかったようで、予想通りに進路としては直撃したのだが、被害はほとんどなかったと言える。

むしろ、期待していた雨はさっぱり。少なくとも接近するまではほとんど雨が降らず、通過直後に一時的にザッと降ったのみ。それも風はそれほどではなかったようだ。

台風接近時、一番心配するのがビニールハウスへの被害。ビニールハウスが風をはらんでビニールが裂けたり、最悪骨組みまで壊れたりすることだけは裂けたい。そのため、接近前に、風が入らないよう換気用のドアや開口部、巻き上げ部など全てを閉める。最悪なのは、この時晴天で日が差すような事があると内部の温度はとんでもないことになるのだが、今回は幸い曇り空でその心配はなかった。

締め切ったビニールハウス
締め切ったビニールハウス

台風通過後、真っ先に行うのが、この閉めたビニールハウスを開けること。夜が明けるのを待って圃場へ出かける。前後の入り口、天窓、サイドの巻き上げを各ハウス開いていく。中はムッとした淀んだ空気。苗たちも息苦しかった事だろう。

開けれる場所は全開にして空気を入れ替える

開口部から台風の名残の風が入ってきて一気に中が新しい空気で満たされる。

場所によっては厳重に閉めたところもあり、全てを完了するのに1時間半ぐらいかかる。その後、畑や苗木のチェック。

今回唯一と言っていいほどの被害は、ティートゥリーの枝が折れた事だった。

折れたティートゥリー
折れたティートゥリー

枝分かれした部分から数本の幹が折れていたが、特に腐っているような感じもない。場所的に弱かったのかもしれない。

鉢に生えたキノコ

あとはオレガノの鉢に大きなキノコが生えていた。きっと湿度や温度などが成長にぴったりだったのだろう。

とりあえず台風10号の被害はこの程度。爪痕というよりは、引っかき傷ぐらいで済んで一安心。

キノコの謎

いつもなら、強い日射で苗の水切れを毎日心配する時期なのに、今年はまったく安心である。かえって過湿に注意せねばらならないぐらい。その上、見たことのないキノコまで生える始末。

キノコ

成長にはそれほど影響は無いと思われるものの、やはりあまりよい気持ちはしない。だいいち、神出鬼没で、何が原因なのか、どこからやって来たのかが全くわからない。

もう数年も前のことになるが、手入れしているお客様の庭で初めて見るキノコが突然現れたことがある。いろいろ調べて、チャワンタケの仲間ではないかという結論に達したのだが、その後一度も現れることも無く、今でも原因は良く分からない。

チャワンタケの仲間かも知れないが詳細不明
チャワンタケの仲間かも知れないが詳細不明

今回も、用土の中に胞子でもあったのか、それとも外から飛んできたのか探りようも無い。想像もつかないほど広そうなキノコの世界である。いちいち名前を調べようという気にもならない。

かつて、信州の人たちと話をしていたときに気がついたのが、キノコに対する思いの強さである。こちら(松江や出雲)の知り合いのなかには、キノコを追い求めるような人がいない。いても、マツタケのような超高級キノコへの関心が有る人で、キノコ狩りを楽しむという人にあったことが無い。文化の違いなのだろうか。これもまたキノコの謎である。