花粉の季節

栽培しているハーブは草本のものが主体である。木本もそれなりにあるとはいえ、大きくなる樹木となるとかなり少なくなる。

特に針葉樹系はほんの僅かだ。もともと広葉樹の方が好みということもある。その数少ないジュニパーが花粉を盛大にまき散らしているとスタッフが教えてくれた。
ジュニパー
様子を見に行って見ると、なるほど、風が吹いて枝が揺れるとパッと花粉が飛び散る。花粉症持ちの方にとってはおぞましい光景かも知れない(ゴメンナサイ)。自分は今のところ花粉症は発症していないとは言え、さすがにこの光景を見ると鼻の奥がむずむずしてきた。

上手に受粉すれば果実まで楽しむこともできるかもしれない。でも、熟すには一年以上かかるといわれるジュニパーの実、さて、それまで待てるかどうか。

(ちなみに上の写真、そう都合よく風は吹いてくれないので手で揺らして撮影。それでもタイミングを合わせるのは困難だった。)

花も葉も

圃場脇に植わっているゴールデンレインローズマリー、冬が終わる頃から斑が徐々に鮮明になってきた。
ゴールデンレインローズマリー
かなり前から育てているローズマリーだ。でも、実際にいい感じになってきたのはようやくここ数年になってから。

まず、斑がきれいに入らない。暑い夏の時期はもちろん、冬までの時点で株が充実していないと駄目なようだ。普段から肥料が控えめなせいもあるのだろう。

また、花も咲きにくい。ようやくぼちぼち咲くようになってきても、斑がきれいな時に咲いたのを見たことがない。たいてい斑があせた頃に咲いてくるのだ。斑も奇麗な時期に花を咲かせるには相当エネルギーがいるのかも知れない。
ゴールデンレインローズマリー
もう20年近く前になるが、とある公共のガーデン内のショップで販売されていた鉢では見事に斑が入り、花もしっかり咲いていた。

栽培施設も空調がバッチリ効いていたし、肥料もかなりやっているようだったので、そのせいもあるのだろう。その時見たゴールデンレインのような株は今の育て方ではあきらめざるを得ないのかも知れない。

デッドネトル

オオイヌノフグリと前後して開花する雑草がヒメオドリコソウ(Lamium purpureum)だ。

春に一気に大きくなるし、群生するので厄介な雑草と思われそうだが、季節が過ぎると気にならなくなるし、茎も柔らかく、根もそれほどしつこくないのであまり気にしていない。花もよくみるとそれほど悪くない。
デッドネトル
ヨーロッパ原産の多年草で、当店でも斑入りのものを「シルバーデッドネトル」として栽培している。(このところ調子がイマイチで発売できていないが)

姫踊子草とはなんとも可愛らしい名前である。一方ヨーロッパではデッドネトル(dead nettle・死んだネトル)と呼ばれている。例のチカチカがあるネトルに似ているがトゲがないと言うことでこの名前が付いているようだ(もちろん別の属) 。なので群生していても安心して近寄って写真が撮れる。

道端で這いつくばって写真を撮っていたら近所の人が変な目で見ていた。

津田カブ漬け

相変わらず試行錯誤中のマイ野菜畑。昨年蒔いた2回目の津田カブが、太らないうちにトウが立ってきた。1回目はアブラムシにやられ、2回目にチャレンジしたのだが時期的に遅かったようだ。

津田カブ

松江の名産にもいろいろあるが、個人的に一番好きなのは津田カブ漬けだ(全国的に知られていると言うほどではないが)。牛角型で赤みのあるカブの漬物で、ぬか漬けと醤油漬けがある。私はぬか漬けタイプの方が好みである。

秋の終わり、津田カブ漬けの季節がやって来るのを毎年楽しみにしている。市販されているものでも美味しさは大分違う。メーカーによっても美味しい不味いがあるし(あえて名は伏せますが)、この頃はJAグリーンなどに個人で漬けられたものが出るようになってますます選ぶのが難しくなった。そういうこともあって一度自分でも漬物にチャレンジしてみようと夏に種を蒔いたのだった。仕方がないのでまた今年の夏、再挑戦である。

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底力

冬の間土の中で息をひそめていたハーブ達も次々と顔を見せるようになった。

久しぶりに出た芽に懐かしさを感じさせるものも多い。でも中にはそうでも無い種類もある。ビニールハウスの横で雑草化しているミントもその一つだ。
ミント
一体どこからやって来たのか今となっては起源も定かではない。株分けの残りがいつの間にか根付いたのか、たまたま捨てた土に混じっていたのか。更に何種類かで交じり合ってしまったようで見た目はオーデコロンミントに似ているが、香りはペパーミントに近い感じだ。といってブラックペパーミントでもない。

ミントの勢いが強いのは今更言うまでもない。しかし、この場所は普段通路にしていて踏み固まっているところである。その上カチンカチンの粘土質。そんな土を割って出てくるパワーは驚異的だ。

夏に繁茂するスピードにも圧倒されるが、むしろ春に見せるこんな姿の方がミントの恐ろしいほどの底力を感じさせる。もう、こうなってしまっては草取りをしても無駄であるからして放置状態だ。

普段口を酸っぱくして「地には植えない方がいいですよ」とアドバイスしている訳もわかっていただけるだろうか。