2021年1月の雪の被害のまとめ

昨年12月30日から年明けまで、そして1月8日から数日間続いた雪でそれなりに被害があった。

さすがにビニールハウスほかの建物についてはある程度の雪ならばあらかじめ対策しておくことでなんとか凌げるようになった。それまでに十分勉強代も払ったおかげなのだが。事前に支柱をかけて、夜中は一番負担がかかるビニールハウスの中央部に小さなストーブをつけ雪を落とす。可能ならば翌朝以降、内側と外側からできるだけ雪を滑らせて負担を減らす。こういった対策でほぼ大丈夫なようだ。10年前の災害級の積雪の時も、こういう対応ができたら無駄に潰さずに済んでいたと思うと残念だが。

一方、どうしても後回しになってしまって被害を受けやすいのが親木類だ。ビニールハウス内のものはさておき、屋外の親木については全ての雪対策をするというのは現実的ではない。

一応、横に広がった枝を剪定して雪への対策をしていたのに一番被害が大きかったのが、ローズマリーの親木だ。

かなり株元に近い場所から見事に割けた。ローズマリーは古い株になる程このような感じで割けやすくなる。実際枝が老化して弱くなっていたのかもしれないし、植えてもう10年近くなる。

もちろん、ローズマリーとしてはまだまだ大丈夫な年だが、親木としてどうかと考えればそろそろ更新するべき時かもしれない。思い切り剪定してその後の成長を見ようと思う。

一方、ラベンダーの仲間は比較的被害が少なかった。このように上から雪の重みで開いてしまう株はたくさんあったが、なんとか大丈夫そうだ。避けるような被害も今のところは見られない。

一つ残念だったのは、ローズゼラニウム。

下の方はまだ大丈夫そうだが・・・

本格的な冬がくる前に挿し木にしようと思っていたのがついつい後回しになってしまい、この寒波で傷んでしまった。伸びた枝はおそらくダメそうなので、強く剪定して春に新芽を出して復活させるしかない。傷んでしまった枝は、根を保護するために春までそのままにしておこうかどうか迷い中だ。

今回の寒波は最低気温がマイナス3~4度だったので、あまり心配はしていなかったが、レモンティートゥリーが見事に傷んだ。

レモンティートゥリー
レモンティートゥリー

葉がカサカサの茶色になってしまい、おそらく今後パラパラと落ちていくことだろう。株自体はダウンしていないと思うのでまた春には芽が出てくるのではないかと考えている。

同様に、ティートゥリーもそこそこの被害。

ティートゥリー。所々が折れた

今は軽傷のように見えるが、今後じわじわと症状が悪化してきそうで当分目が離せない。

傷んだ新芽

今のうちに風除けでもして春までの寒波を和らげておく方が良いかもしれない。

ここ数年で、ようやく設備関係の雪対策が安定してきたので、親木の雪対策を充実させるのが今後の課題になりそうだ。

悩める夏の終わり

9月に入ったというのに、昨日の最低気温は30度。日中、一時的に気温が高いのは仕方がないにせよ、夜に気温が下がらないのは人間のみならずハーブたちにとってもしんどいに違いない。

気温を無視すれば、日差しは明らかに秋の様相。柔らかな感じになっているのだが、なかなか寒冷紗も取り外すことができない。

柔らかく育つラベンダー

そのため、親木も、どうしても柔らかく伸びてしまうものが多く、しばらくは挿し木ができないだろう。ラベンダーなど、柔らかく育ちすぎて、挿し木をしても腐りやすい。涼しくなったら一気に寒冷紗を取り外すことになりそうだ。

早く取り外したい寒冷紗なのだが。

また相次ぐ台風の接近も頭が痛い。9号はそれほど警戒していなかったし、軽いものが少し飛ばされたぐらいで被害は少なかった。せいぜい物置用のちいさなビニールハウスの天井が裂けたぐらいだ。これはもともと強度に問題があったので仕方がない。

ただ、次の10号は報道でもしきりに言っているように油断は厳禁。例によってフルクローズにする必要があるのだが、これもタイミングがとても難しい。本日現在の予報では月曜日の朝から夕方にかけて最接近とのこと。せめて曇りか雨であってほしい。暴風で日が差すようなことにでもなれば換気のために一日中ビニールハウスにつきっきりになるかもしれない。「ハウスと一緒に飛ばされないといいね~」なんて冗談で言っているところだが、冗談で終わることを願うばかりだ。

今日はビニールハウスを固定している紐やパイプの点検、交換、飛びそうなものの片付けを行った。

あわせて、屋外の畑のハーブたちも台風対策。せっかく花が咲いているジュピターズディスタフもおそらくかなり風で傷むだろうが仕方がなさそうだ。

どれだけ助けになるかはわからないが、風で振られそうなティートゥリーに支柱をしたり、不必要な枝を剪定する。ラジオでは警戒を呼びかけ続けている。聞いてばかりいると不安ばかり募るが、なんでもいいので対策を行っていると、すこしでも気がまぎれるものだ。

 

この冬の苗たち(その2)

2月6日、昨夜から今朝にかけてようやく雪らしい雪が降る。

道路の雪は昼までにはずいぶん溶けたが、昼頃を過ぎてもビニールハウスの雪が落ちずに冷蔵庫状態だった。

雪のビニールハウス
屋根に雪が積もると冷蔵庫のように冷えて作業にならない

前回に引き続き、冬の苗たちの紹介。春や夏の様子とはずいぶん違っているので、見慣れていないと驚かれるかもしれないが。

ローズマリーは、寒さに結構強い種類からそれほどでもない種類まであるのだが、寒さにあまり強くない種類の方が青々として、寒さに強い種類はかえって冬の初め頃から赤くなったり、葉がくすんだりし始める。

トスカナブルーローズマリーはまだグリーンが残る

トスカナブルーローズマリーや、プロストレイトローズマリーは、冬の終わりぐらいまでグリーンが残る方なのだが、寒さに強いアープローズマリーやセイレムローズマリーなどはさっさと葉緑素を減らしはじめることが多い。

セイレムローズマリー
セイレムローズマリーは早めに葉が赤っぽくなる

見た目には、調子が悪くなってきたと思ってしまう。

タイムの仲間は多くの種類が葉の色が褪せる。一方で斑入りの種類は鮮やかさを増す。夏の間はなかなか色が出ないドーンバレータイムやゴールデンクイーンタイムなども寒くなると黄色が鮮やかになりようやく見応えが出てくる。

ゴールデンクイーンタイム

ただ、いちばん綺麗になるのはやはり春の初め頃だ。

シルバータイム

シルバーバイムは3色ぽくなってこれもまたいい感じ。

赤花クリーピングタイム

赤花クリーピングタイムは葉が赤っぽくなる。古い葉は下の方から落ち始めている。

また、秋に古い枝を剪定したタイムの中には早々と新芽を伸ばすものもあったりする。

レモンタイム
レモンタイム

オレガノは種類によって様々だが、多くは株元に葉をぎゅっと縮こませて冬を越えようとしている。

オレガノ
オレガノは冬にかなり葉が赤くなる

普通のオレガノは葉がかなり赤くなるし、オレガノ・ミクロフィラなどは、赤黒っぽく変化する。

ラベンダーは、落葉することはないが、下の方の古い葉を落とそうとするのか、硬く枯れてくる。

また、今年はそれほどでもないが、葉が赤っぽくなったり、逆にシルバーに近い色になってくる。これが本来の姿だが、見慣れないと枯れてしまったと思うかもしれない。

斑入りドワーフマートルも葉が真っ赤になる。ちょっと斑点ぽくなってあまり綺麗ではないのだが。

斑入りドワーフマートル

もっと寒くなると年によっては葉を落とすことさえある。斑入りマートルは少し寒さに強いのだろうか、まだ赤みが弱い。

斑入りマートル
斑入りマートルは、ドワーフよりは変化は少ない

もう少し紹介したい種類はあるが、次回につなげたいと思う。

ダブルパンチ

夏が終わると、暑さや蒸れで枯れたり、害虫被害の実態が明らかになることがよくある。夏の間はあまりの暑さで細かいところまで目が行き届かないことが多いというのが理由なのだが。

ラベンダーの試験栽培をしている畑も、8月下旬ごろからところどころ様子がおかしくなってきた。蒸れか、それとも大雨で根の深い部分が浸かってしまったか、はたまたコガネムシの幼虫による食害か・・・と推測していた。すぐに対処しようにも高温が続いているなかで掘り上げてしまうと、まだある復活の可能性を絶ってしまうことにもなりかねない。仕方なく涼しくなるのを待っていたのだが・・・。

朝、圃場を見てみるとラベンダーの畝のところにいくつも大穴が空いていた。いくつかの枯れた株が掘り起こされている。

ラベンダーの被害

あまりの被害の大きさにまさか、いよいよイノシシか?と呆然となった。少し離れたところに家庭用の菜園があるのだが、カブの小さな苗が倒されていた。

カブの苗
カブの苗も倒されていた

うーん、困ったな・・・と頭を抱える。まさか電気を流すような柵まではする必要はないのだが、被害が続くようでも困る。先日、出雲の親戚の山でとんでもない被害を見てきたばかりになおさら心配は募る。

イノシシ被害
出雲の山中。ススキが掘り倒されていて愕然となる。

だが、落ち着いて考えてみたら、全く被害の規模が違う。出雲の山中では、土砂災害か、それとも重機で掘り返したかと思えるほどイノシシが掘り返していた。

イノシシ被害
出雲の山中。栗の木の下が10メートル四方に渡って掘り起こされていた
イノシシ被害
作業用の通路も掘り返され、車が通れない。出雲の山中

ところが、この畑は被害はところどころ。もしイノシシならば菜園からラベンダーの畑まで大きな通り道でもできているはずなのにその間にある他のハーブ類は全く無事。

しかも、ラベンダーの畝ばかりに被害が集中している。

可能性を一つずつ消していくと、もうこれはアナグマしかいないと思い当たった。コガネムシの幼虫が大好物というアナグマ、実際に昨年の夏に圃場で目撃している。

アナグマ
昨年の夏、真昼間に現れたアナグマ
アナグマ
すぐ近くまでフラフラと歩くアナグマ

掘り上げられてしまったラベンダーの根をみるとまさにコガネムシの幼虫に食害されている感じだ。

ラベンダーの根
ラベンダーの根。細根はほとんどない

アナグマならせいぜいこの程度の穴しか掘らないだろうし、足跡もほとんど見えるか見えないかしかついていない。ビニールハウスの中で育苗しているポットも毎年コガネムシの幼虫の被害があるのだが、今年は少なかったのも関係しているかもしれない。

ラベンダーの株たちにはかわいそうなことをしたものだ。コガネムシに根をやられ、さらにアナグマに掘り起こされ。このダブルパンチにはせっかく乗り切れそうな夏も乗り切ることができなかったのだろう。

すぐ横ではモグラよけにと植えていたヒガンバナの球根から花茎が伸び初めていた。

天気予報とにらめっこ

先日の台風10号が通り過ぎてからというもの、とんでもない暑さがようやく落ち着いたような気配。

8月のグロッソラベンダー
暖かいせいか、色も薄く、ちょっと冴えない感じ

なぜか、グロッソラベンダーの一株が急に2番花を咲かせ始めた。といっても花穂は数本。気まぐれに咲き始めたという感じ。

今日も1日曇り空。朝は少し強い雨が降る時間帯もあった。猛烈な暑さがなくなったのは助かるが、ここ数日は曇り空と雨降りの繰り返し。日差しもほとんど届かず、天気予報を見ても来週に入るまでは曇り空が続きそうな模様だ。

こうなると困るのが、強い日差し対策としてビニールハウスに張っている寒冷紗をどうするか。

寒冷紗
強い日差しを遮る寒冷紗も、曇天では無用の長物

すでに、ところどころ苗の徒長の兆しが見え始めている。

ローズマリーの徒長
ローズマリーもちょっと柔らかく伸び始めた感じ

曇り空が続くならば寒冷紗を外した方が良いのだが、まだ8月も1/3残っている。3年前など、9月9日にようやく外しているぐらいだ。

きっと、寒冷紗を外すとまた真夏のような日差しが戻ってきそうで踏ん切りがつかない。しばらくは天気予報とにらめっこすることになりそうだ。