刺激

先月蒔いた斑入りナスターチウム・アラスカの種子がいっせいに発芽し出した。例年だと1月には蒔きはじめるのだが、つい先延ばしになってしまっていたのだ。
斑入りナスターチウム・アラスカ
松江で、無加温のビニールハウスでは今の時期は発芽しにくいので、これは特別に温床の上である。また、発芽しやすいよう少しテクニックも加える。

普通ナスタチウムの種子はしばらくの間熱湯につけて蒔くというのが良く知られているのだが、個人的にはあまりよい結果が得られなかった。そこで刺激を与えるために少し削ってから蒔いてみたら、ビンゴ!発芽率も悪くなかったので以来種子を削ることにしている。

少し面倒ではあるが、発芽しないよりはましである。また、移植を嫌うナスタチウムなので教科書的には直まきかポット蒔きが薦められているが、発芽しない場合も含め用土をケチってプラグで蒔いている。丁寧にポット上げするとそれほど問題はないようだ。

あとは発芽した株にしっかり斑が出てくれるのを祈るばかりである。

2月の蕾

2月に入ってから暖かい日が続き、植物たちの動きも活発になってきた。今日も株の様子を見ていると、鉢植えの白花モッコウバラにもう蕾がついているのを見つけた。
モッコウバラ
ここ松江だと、地植えのモッコウバラならゴールデンウイーク頃開花する。ビニールハウスの中の鉢植えでも4月に入ってから開花することが多いが、2月のうちから蕾を見ることがあっただろうか?

春が早く来るのは嬉しいことには違いないが、もうしばらく待って欲しいという気持ちになってくる。

蕾の様子をみると順調なようで、今年もたくさん開花してくれそうだ。手入れがほとんど不要なバラであることはハーブと一緒に楽しむのには大きなメリットである。

朝のタマゴ

三月も目前だというのに野はまだ冬の色で覆われている。鈍い色の中で一部だけ鮮やかな色があると一際目立つ。今朝見つけたのは明るいイエロー。遠くから見るとタマゴでもあるかのように思えた。
クロッカス・クリームビューティー
正体はクロッカス・クリームビューティー。以前紹介した「クロッカス・ブルーパール」の仲間である。朝や曇天の日は花びらを閉じていて何かの卵のように見えるが、日が射してくるとパラボラアンテナが開くように太陽に向かう。
クロッカス・クリームビューティー2
植えたままで何年もほったらかしなのでこのところ少し数が減ったようだ。廻りも草だらけで圧倒されつつある。今年は少しメンテナンスしてやりたい。

始めと終わり

ヘリオトロープは四季咲き性が強い。冬でも株が傷まない環境なら結構咲いてしまう。

ビニールハウスでもポット苗で開花が始まった。

ヘリオトロープ、咲きはじめと終り頃ではだいぶ花色の雰囲気が違って感じられる。咲きはじめはかなり花色が濃く、美しい紫だ。ただ、この頃はまだ香りは弱い。
ヘリオトロープ

十分花が開いてくるとかなり白っぽくなってくる。一方で香りはしっかりとあまい香りがしてハウス中で香りが分かるほどだ。
ヘリオトロープ2
また、ホワイトヘリオトロープも開花し初めはちょっとピンクがかっている。そういえば初めて育てた時は、「色が違うんじゃない?」と焦ったこともあった。
ホワイトヘリオトロープ
とても魅力的な植物だが、ちょっと気難しいところが有る気がする。寒いのはもちろん嫌いだが、あまり暑いのも嫌いなようで、夏などは少し元気がなく、極度に乾燥すると葉も傷みやすい。水が切れると葉が一気に黒くなる。なので常に快適な環境を求める深窓の御嬢様というイメージがある。

でも、いったん最適な環境を与えたら年中香りを楽しませてもらえそうだ。

季節外れ

地球温暖化の影響とは関係ないと思うが、思わぬ時期に思わぬ種類が開花すると困ってしまう。
オレガノ・カルカラータハイブリッド
先日からオレガノ・カルカラータハイブリッドの苗が開花し続けている。この種類、どうも花が上がりやすいようだ。もともとのオレガノ・カルカラータは初夏以外に咲くことはあまりなくて開花の時期も推測しやすい。

ところが、ハイブリッドの名を冠し、他の血が混じっているせいか若干様子が異なる。育つ姿もやや立性が強い。その点は枝が絡みにくいということで歓迎したい。ところが、夏の終わりに突然咲いて見たり、今回のように冬の最中に咲いたりされるのでは植え替えや挿し木の時期もつかみにくい。

まだ育てはじめてそれほど長くないので、性質をつかみかねているだけかも知れない。性質に惑わされるのでなく、上手に利用できるようになるといいのだが・・・

だけど冬の花色(萼の色も含めて)、鮮やかである。廻りに色みが少ないこともあり、圃場の中でも一際目立っている。