春菊みたいなもの

除虫菊タンジーほどではないにしても、近い仲間であるフィバーフューにも昆虫が嫌う成分が含まれている。そのため、虫媒花の作物の周りには植えない方が良いとされる。

とはいえ、虫が全く寄りつかないかと言うとそれほどでもない。気温が上がって乾燥してきた時など、少し水やりに油断をしてしまうと、鉢植えやましてやポット苗の場合、結構ダニが発生する。ダニはフィバーフューがお好きなようだ。

フィバーフューとハダニ

また、それほど多くは無いけれど、ハモグリバエ(いわゆる字書き虫)も葉を食い荒らすことがある。ハモグリバエはナスタチウムの葉に良く見つかる。まあ、こちらは人間が食べても美味しいナスタチウムなので納得できる。でも、決して美味しいとは思えないフィバーフューの葉を食べるなんて・・・と思ったが、そうか、我々が春菊を食べるようなものか。

いくつか文献をたどってみると、若葉をサラダにすると言う記述もあった。ただし苦いとか・・・。あまりたくさんは食べない方が良さそうである。

美味しい運動場

今年はナスタチウムの育苗が遅れた。失礼、「今年も」だった。育苗を始める時期がシビアな種類は割と注意しているのだけれど、ナスタチウムのように
「ま、今度でもいいや」
という種類はついつい後回しになってしまうものだ。

それでも、4月も半ばを過ぎてから葉のサイズも大体揃ってきた。肥料少なめなので葉も小さめではある。ただ、あまり葉を大きくすると株元が弱いのでポッキンといってしまうのも恐い。

「ようやく育ててくれたのかよ〜」と、早速ハモグリバエがやって来たようだ。一般には「字書き虫」とも呼ばれる。言い得て妙である。この字書き虫も何百種類ハーブがあっても見事にピンポイントで狙ってくる。

ナスタチウム

被害に遭うのはほとんどナスタチウム。希にマロウの仲間にもいたりする。でも、ローズマリーやラベンダー、タイムなんかには全く来ない。広くて美味しい運動場があることが絶対条件なのだろう。

うちではそう目立った被害も無いので、葉に見つけたら葉ごと取り除くぐらいである。いまのところ2枚。何かの資料には成虫になると他にも卵を産み付け増えていくと載っていたが、あまり増えて困った経験はない。運動場が少し狭いのがお気に召さないのかも知れない。

「ここにいますよー」とわざわざ居場所を書いているようなものだから目立つので防除も楽である。ただ、斑入りナスタチウムの場合は別。目を凝らさなくては見つけられない。こっちを選んで卵を産み付けるほどの知恵は無いようだ。