寒中の芽

思わぬ暖かさとなった大寒は過ぎ、まだまだ寒い日が続く。でも、春に向けて植物たちは着実に前に進んでいる。先月植え替えをした大きな鉢植えに次々と新芽が出てくるようになった。縮こまっている我々の姿を笑っているかのようだ。

ニオイゼラニウムも株が大きくなってくると徐々に木質化してくる。秋の時点では株の下のほうには全く葉が無くなることも珍しくない。剪定して形を整えたいところであるが、斑入りのものなど、一気に強剪定すると次に出てきた時に斑が無くなってしまうことが多い。そのため、植え替え時に軽く剪定をしておいて、その後で新芽が出たのを確認してからもう一度切り戻して最終的な形を整えている。

ハーブを育てはじめた頃、ニオイゼラニウムを冬に植え替えるなんて怖くてとてもできなかった。いつから平気でできるようになったのだろう。他の種類も含め、集中的に植え替えができるのがどうしても冬になってからになるので、それに合わせている。大株ばかりなことも有り、特に問題はない。

ヘイゼルナッツゼラニウム
ゼラニウムの中でもコンパクトな方のヘイゼルナッツゼラニウムも、大鉢で育てると秋には下枝はかなりしっかりしてくる。このまま咲かせると、非常に格好悪い。良い新芽が出はじめたのでこの後もう一回切り戻す。

グレープリーフゼラニウム
このグレープリーフゼラニウムも大型になる分、分枝が少なめで枝が太い。秋の時点では全く下のほうに葉が出ていないので剪定も掛けにくい。いまなら安心してはさみを入れることができる。普段、挿し木の枝が採れる量が少ない種類なので、剪定したついでに挿し木もしておこうかと言う気分にもなるのだが、たいていこういった「ついでに」で行なうとうまく行かないのだ。またの機会にしよう。

ブドウ葉

ニオイゼラニウムの花が少しづつ咲きはじめている。花だけを見ても一つ一つ個性が有り、コレクターが多いのもうなづける。

グレープリーフゼラニウム(Pelargonium hispidum)

中でも原種は変わった花も多い。この間から咲きはじめたグレープリーフゼラニウム(Pelargonium hispidum)も、数年前初めて花を見たとき、虫に食われたか、病気か何か問題があるのではないかと思った。花色はごく一般的だったのに、下花弁がとても小さかったのである。

グレープリーフゼラニウム(Pelargonium hispidum)

でも、それから咲く花咲く花、いずれも同じだったので安心した。蝶が羽根を広げたようにも見えるし、ピンクのハートにも見える。といっても花の形状からは名前がつけにくかったのだろう。通称は「ブドウ葉」である。別に、「VINE LEAVED」と呼ばれるれるゼラニウムもあってはなはだ紛らわしかったりする。