控えめな花

ポット苗のバニラグラスが開花しはじめた。春に花が咲くバニラグラス、実は花を見るのは初めてだったりする。と言うのも、たいていは秋までに販売してしまっていたり、春先に株分けすることが多く春にはまだ小さい苗の状態であることが多いからだ。
バニラグラス
今年は偶然、コンディションの良い状態で春を迎えたので花にお目にかかることができた。路地植えすれば簡単である。でも路地植えもしていない。他の雑草が入ってきたら見分けが付きにくいことこの上なしである。

それにしてもイネ科植物の花はなんと控え目なのだろう。水稲と同じく風媒花だからと言ってしまえばそれまでなのだが。良い香りがしても虫たちは全く興味を示さないのだろうか?
バニラグラス
花が咲いたら種子を採るかって?採らない。株分けの方がはるかに簡単だから。ちなみに成長が速くて容器栽培では根も詰まりやすい。少しバックの葉が茶色っぽいのは根詰まりしかけているのである。早く株分けしてやらねば。

園児のハーブ

市内のとある幼稚園へ花壇の整備に伺った。とあるご縁で咋秋から新しい花壇作りに携わっている。秋半ばに土作りを行い、冬の初めに寒さに強いハーブを定植した。

ほとんどの株はまだ小さな春の芽を見せているだけだった。そんな中、一つだけ勢い良く開花していたのがホワイトスイートバイオレット。おそらくまだ充分に根は張っていない状態ながら、満開状態である。もともと園庭に植わっている大きな落葉樹の近くに植えたのがお気に召したらしい。(草取りの後の撮影なので少し土が乗ってしまっている・・・)
ホワイトスイートバイオレット
もう一種類元気なのがチャービルだった。こちらは秋に比べ、株も二回り以上大きく育っていた。春本番の頃のようなのびのびと葉を伸ばした状態にはまだなってはいないものの、今後どんどん伸びそうなので園の先生にどんどん使っていただくようお願いしておいた。保護者の方や園児も一緒に育て使う花壇を目指しているので遠慮せず使っていただければと思う。
チャービル
でも、今年の春から園児数が増えて90人にもなると聞き、ちょっと心配にもなった。幼稚園児がハーブを喜んで食べるか・・・?そんな心配は御無用。昨年、定植している時に、「なにうえてるの〜???、らべんだーせいじ???」と声をかけてきて我々を仰天させた園児がいる幼稚園なのである。

硬い蕾

まだ桜が咲いている。3月の終わりから4月の初めにかけて寒い日が続き開花も進まないようだ。ハーブたちの成長も例年より遅めの感じ。一気に成長して焦ることも無いし、病害虫の心配も少ないのでどちらかといえば嬉しい。

ビニールハウスの横では試験的に色々なハーブを育てている。ただ、この場所は夕方早くから日陰になることと割と北風が通りやすいのかイマイチ成長はよろしくない。

もう5年以上前に植えた月桂樹(ローレル)も生長が極めてゆっくりで、ようやく当時の1.5倍ぐらいのサイズになってきた。植えた当時1mぐらいだったと思う。でもそれ以来花が咲いたのを見たことが無い。

ところがこの春先、ようやく蕾らしきものが確認できて喜んだ。しかし、いつまでたっても大きくなる様子を見せなくてずいぶん心配した。実際に寒さで葉もそこそこ傷んでいるので蕾にも影響があったのかと思う。ここ松江では大体4月下旬に開花する。遅めに見積もって、ゴールデンウイーク終わりぐらいには咲きはじめてくれるのかも知れない。
月桂樹
月桂樹の葉というのはそれほどぱっとしない色合いである。シックだとか、落ち着きがあるといえばたしかにそうだ。形にしてもいかにも葉っぱですと言った感じ。あまり面白みを感じない。だが、花が咲くと、地味な葉がかえって引き立て役になるのだろう、明るい黄色の花がとても鮮やかに見える。

この株も鮮やかな花を楽しませてくれる、はず。

春眠暁を覚えず

休眠と言われるように植物にも体を休める時期がある。休眠から覚めるとようやく成長を再開する。冬に休眠する植物、夏に休眠する植物など種類は様々である。人間と同じようにやはり起きがけはシャンとしないのだろうか。
赤花カウスリップ
さて、休眠開けというわけではないが、この赤花のカウスリップ、いかにも眠そうだ。ようやく蕾が見えはじめ、花の色もはっきりとしてきた。だが、まだ花茎も伸びず、葉を枕にしてまだ夢の第三幕といった様子。春眠暁を覚えず。わが家の誰かさんとそっくりである。

もうしばらくすると伸びた花茎の上でしっかり花を楽しませてくれるだろう。

ニューフェイス

春。入学、進学、就職のシーズンである。まもなく、新一年生が大きなランドセルを背負って学校に向かう姿も見られることだろう。

ビニールハウスにも新顔が表れた。といっても招かざる顔である。順調に伸びていたキャットニップの葉に穴が開いていたのである。不思議に思い目を凝らして見て見ると小さなバッタであった。葉の色にそっくりで顔を近づけて見るまでわからなかった。この春孵化したのだろうか。

キャットニップ

小さいながらもどっしりと足を広げ、生意気そうに触角を動かしている。でもあまりに小さいので今日のところは見逃してやることにした。

キャットニップ

さて、このキャットニップ、栽培はそう難しくない。種子からでも簡単に育つ。ただ、どうも油断してしまうのか、最初の種子を蒔き終ると安心して次を作らず、いったん売り切れた後は品切の時期が長く続きやすい。今年はその反省もあり、挿し木用の親木を確保しようとしたのが上の株なのである。バッタに食べ尽くされなければ挿し木苗を出せるかも知れない。