家賃の回収

鉢植えにしているラベンダーの親木は、たいてい開花が終り、少ししてから植え替える事が多い。古い枝を剪定しておくと、秋に向けて挿し木の元になる良い枝が出やすいからだ。

その後、成長の様子を見て挿し穂の採取を行うのだが、親木を置いている場所に行って見ると見かけない鉢が置いてある。ラベルをチェックすると確かにラベンダー。でも、これは明らかにスミレの仲間である。周囲に野のスミレが多いのか、時々鉢植えに混じり込む事があるのだ。

すみれ

どうやら植え替える前にすでに潜り込んでいたようで、剪定されたラベンダーの勢力が強くないうちに鉢を乗っ取ってしまったようだ。今では、まるで自分が昔からここにいたかのような態度。ここまで態度がでかいと追い出す気も無くなってしまう。いつの間にやら種子までつけて、更に勢力を拡大しようとしているほどだ。もちろん、元の住人(?)のラベンダーは姿もない。せめて家賃の代りに、花でも見せて欲しい所だが、それは春まで待たねばなるまい。

スミレの種

そういえば・・・と、ふと思い出した。

一月か二月ほど前、ある園芸店さんから日本のスミレの苗がないかと問合せが来た。詳しくは分からないが、宝塚(歌劇)で使うそうで、日本のスミレでないといけないとのこと。残念ながらうちにでは育てておりませんので。と、他の園芸店さんを紹介してお断りしたのだが、う〜ん、これでも良かったのでは?

家賃ぐらい回収できたかも。

枝折れを機に

年初から雪に覆い尽くされていた畑のラベンダーも少し姿をあらわしてきた。予想通り、重い雪に押しつぶされてしまっている。このようなラベンダーを見るのも何年ぶりだろうか。

比較的雪にも強いグロッソラベンダーもペシャンコに
比較的雪にも強いグロッソラベンダーもペシャンコに

どの株も多かれ少なかれ、枝折れの被害を被っている。癒合材などをつけて補なうという手もあるが、いずれも直径が1メートル近くなっていて、早くコンパクトに仕立て直さなくてはと思っていた所。これを機に強剪定してみるのも良いだろう。

ラベンダーの枝折れ

それでもダウンする株も出てくるかも知れないけれど、更新する良い機会と割りきってみよう。少しレイアウトも替えてみようか・・・なんて前向きに捉えるにこしたことはないのである。

瀕死

この夏の猛暑、店の花壇にもいたる所に爪痕を残して去っていった。

花壇でも一番良い場所に鎮座しているブルーマウンテンラベンダー。お盆前から暑さの影響が出てきたと思っていたらみるみるうちに枯れ上がっていった。こんな症状が進行している時は返って手をかけるのは危険である。せいぜい剪定したり、陰を作ってやるのがせいぜい。その後も続いた酷暑を考えると植え替えなどした日にはとどめを刺すようなものだったろう。

ブルーマウンテンラベンダー

さて、ようやく暑さも一段落したようで様子を見てみると、まさに瀕死状態。隣りのローズマリーが勢力を拡大し、覆いかぶさってきたのも蒸れに拍車をかけたのだろう。

ブルーマウンテンラベンダー

しかし、株はまずまず充実していたので株元から少し新芽が出始めたのは良い兆候である。今後の涼しさが良い影響を与えてくれることを願う。

ふたつのロイヤル

ちょうど今、ロイヤルパープルラベンダーが花盛りである。ちょうど時を同じくしてロイヤルパープルセイジも開花し始めた。

ロイヤルパープルラベンダー

だが、畏れ多い名を冠したふたつの花はちょっと気難しくて、御機嫌を損ねたらアウトである。ロイヤルパープルラベンダーの方はだらしなく伸び、花色もぼやけた感じになるし、ロイヤルパープルセイジも枝がダランとしてしまい、花付きも悪くなってしまう。今年はまずまずと言った所だが、王族の方々はそもそもこの蒸し暑い環境はお気に召さないらしい。

ロイヤルパープルセイジ

めったに無いけれど、秋に咲くロイヤルパープルラベンダーはため息が出るような色になるし、涼しい時期に咲くロイヤルパープルセイジはすがすがしさが際立つ上に、風格さえ感じさせる色となる。写真では伝えられないのが残念だ。

そんなところも「ロイヤル」の名がふさわしいと感じさせる花達である。

今年の花色

ビニールハウスの中なので例年ならとっくに咲き終っているはずのラベンダー・早咲き3号がようやく7分咲きと言った所まで開花した。その上、普段よりもいまいち色もパッとしない感じだ。花穂の長さも物足りない。

ラベンダー 早咲3号

ビニールハウス内という比較的安定した環境でも、毎年ラベンダーの花色には微妙な違いがでる。もちろん、その年の気温や日照などにも左右されるし、案外、見た時間やその時の心境による影響も大きいように思う。

さて、毎年花色の違いを観察したところで何かに活用すると言うほど研究熱心ではない。実の所、この株も親木の一つなので別に咲かせる必要はないし、株のためを思えばさっさと摘み取るべきなのだろう。でもなぜか、毎年そこそこ咲かせてしまう。自分でも良く分からないけれどやっぱり花は見てみたいものなんだね。