こんな場所にはこのハーブ-ゴールデンレモンタイム

タイムの仲間は、冬の間花こそ無いものの葉色が様々に変化していろいろな姿を見せる。赤く色づくもの、斑が鮮やかになっていくもの、夏の間明るいグリーンだった葉が落ち着いたグレーになってしまうものなど、見ていて楽しい。

中でもゴールデンレモンタイムは気温が低くなっていくとともに葉の鮮やかさが増してくる。ここ松江近辺だとおおよそ10月の半ばぐらいから葉がその名の通りゴールデンの色合いに変わってゆく。

 

ゴールデンレモンタイム

このお家ではお庭の通路部分と花壇部分の境界の彩りとしてゴールデンレモンタイムを30cm間隔ほどに植えていった。夏前の定植だったので、強い豪雨等による泥跳ねが心配だったし、通路部分がむき出しだと雑草もバカにならない。そこで、通路にはココナッツチップを撒いたところ、とても具合が良かったらしく、どの株も非常に調子が良い。

元々、匍匐性のタイム類はこういうレンガの縁のようなところに植えると結構ご機嫌なようでうまく行きやすい。根がレンガに沿って地中に伸びていくため、夏の暑さにも耐えるし、水はけも良いのだろう。

この場所は東向きで後ろの花壇がかなり背が高いセイジ類があるため、午後はほぼ日陰になる。そのため夏の間、葉焼けもせず(葉やけをするとまず点々のように葉に出てくる)、秋を迎えた。

元々が野菜畑だったところなのでやや肥料分が多すぎるようで、予想していたよりも育ちすぎた感じである。通路にもやや出過ぎのかんが否めないのでこの冬か春先にはいちどサッパリと切り詰めてやる必要はあるだろう。

こんな場所にはこのハーブ-黄花アキギリ

セイジとか、サルビアというと地中海とか中南米というイメージがわきやすいが、世界中に分布する属なので日本にもセイジ(サルビア属)は何種類もある。

サルビア属であってもさすが日本原産というべきか、木陰でひっそりと咲くタイプが多い。なかでも山野草として愛されているアキギリは典型的だ。

その名の通り、秋に咲くので夏にも強そうに思うが、乾燥と強光線は苦手である。大きくて柔らかい葉は、夏の強い日差しに茶色くカリカリになってしまうのだ。

黄花アキギリ
この花壇では、明るい花色がお好きなオーナーさんのご希望で黄花アキギリを定植。南側にメキシカンブッシュセイジの大株を植え、昼頃からの直射日光が防げるようにした。(というより、メキシカンブッシュセイジの大株を花壇の中心に・・・というご希望だったので、陰になったところに黄花アキギリを植えたというのが正しいが。)幸い、裏山が迫っている場所なので夕日も心配がいらない。実質日が当るのは朝10時ぐらいまでだろうか。メキシカンブッシュセイジは、冬から春は地上部が無くなるし、背が高くなり、直立した枝がたくさん出るので株元は夏に強い植物を植えるのにちょうど良い。春先に咲くような、冬には日が欲しいけれど暑さに弱いもの(本当は大きな落葉樹の下が一番良いのだが)を組み合わせて植えるのに重宝する。

今年6月に定植し、梅雨の間に活着。真夏、まだメキシカンブッシュセイジが株が十分に広がらなかったため、8月終わりには葉が傷みはじめて相当心配した。柔らかで大きな葉も持ち味なのに、葉が傷んではせっかくの良さも半減してしまう。でも、その後メキシカンブッシュセイジの急激な成長もあって、コンディションも持ち直し、10月終わりにはかなり花が楽しめるようになった。

ちょうど、この場所から少し離れた峠に、黄花アキギリの自生地がある。そこもこの写真のように木漏れ日に映える花が群生し、息を飲むほど美しい。ここ数年足を運んでないけれど、今も広がっているだろうか。

こんな場所にはこのハーブ-セイジ

ハーブの代表種でありながら、案外使われていない、そして案外上手に育てるのが厄介なのがこのセイジ(コモンセイジ、ガーデンセイジ)だったりする。

特にここ松江を含め、暖地では、一応育つには育つのだが、数年または一年を待たずして枯れたり、ダラッと枝が伸びやすく、美しく育ちにくいことが多い。(もちろん、涼しい地域ではもっと良好に育ちやすい。)

こういう場合の常套句が、「風通し、水はけを良く、株元に光があたるよう」などというセリフなのだが、そう言っても、前後左右に十分なスペースがあり、日当り良好水はけ抜群なんていうお庭はそうそうない。

コモンセイジ

この場所はちょっとそう言う意味では特殊なほう。駐車場脇の花壇で、風や日を遮る者は周囲にない。南側、西側は道路、東側と北側が広い駐車スペース。しかも花壇で30cm以上の高さがある。これ以上の場所はそうそうないかもしれない。

なので生育もいまのところトラブル無し。株もとの葉も落ちることなく、葉色も見事である。今後のためを思うと、少し切り戻して新芽を出してやりたい。スタッフで相談したが、ここは「見せる花壇」なので、せっかく調子の良い葉を冬に見せないのはもったいないということで今秋はこのままに。雪でつぶれることもあるだろうから春先に強剪定をかけようと言うことになった。

こんな場所にはこのハーブ-プロストレイトローズマリー

立性のローズマリーと異なり、匍匐性(這い性)ローズマリーは、あまり季節を問わず、次々と花が咲いてくれるのが嬉しい。基本的に丈夫だし、山陰の夏や冬にも全く動じない。庭づくりにもなにかと頼りがちになってしまうハーブである。花色の濃さや育ちかたでいろいろな種類はあるものの、プロストレイトローズマリーはもっとも基本になる種類だ。

さて、プロストレイト(這う)と言う名前だからといって、必ずしも真横にしか伸ばせないものではない。むしろ、斜面や崖の上のようなところから垂らすと見事になる。もう20年以上前になるだろうか、尾道のとあるお庭で、家の近くの3メートルぐらいある崖の上からそれは見事に垂れたプロストレイトローズマリーを見たことがある。幅は1メートル以上あっただろう。まさに懸崖づくり。その時の驚きはいまでも忘れられない。

話は変わり、この場所は、駐車場から一段上がった庭の縁。西向きで南側にはすぐ家があるし、背中側にはおおきなツルバラがあるため、日照は午後遅くなってからのみである。最初、ツルバラの株元と、コンクリートの壁の冷たさを隠したくてプロストレイトローズマリーを植えた。もう植えて10年以上経つが、特に問題なく育っている。

プロストレイトローズマリー

さすがに、古い枝が多くなってくると、前方へのせり出しが強くなりがちなので、今年の春、かなり強く剪定をかけた。また、奥のほうの枝は、だいぶ枯れて葉も落ちていたのでこれらも相当取り除いた。もう少し壁際によって欲しいところだが、新しい枝も順調に伸びているので多分大丈夫だろう。

別のお庭だが、現在、北向き法面の最上部にプロストレイトローズマリーを植え、法面を覆うように育てつつある場所が一つある。後々、うまく育ったらまた紹介したい。

こんな場所にはこのハーブ-カーペットグラス

お盆前にメンテナンスに訪れて、以来少しお邪魔していなかったお庭の様子を見に行った。いつものことながら、久しぶりに合う庭にはドキドキする。

この日伺ったお庭には、車の中から一目見て「うわっ」と驚いてしまった。カーペットグラス(リッピア)がものすごい勢いで伸びていたのだ。

この場所は元々畑だったところだが、家の前で少し華やかにしたいというご希望から現在ハーブを中心にしたお花の庭に改造中である。

法面の雑草は昨年秋の作業スタートから結構課題となっていて、球根を植えてみたり、こまめに草取りなどを重ねていたが、畑だった際の肥料もしっかり効いているのか雑草も元気でややいたちごっこ状態が続いていた。かつては芝も張ってあったそうだが、残骸が残るのみだった。

法面とカーペットグラス
これは一昨年の5月。まだ畑の頃

そこで今年になって、土留めもかねてカーペットグラスを植えてみようと言うことになった。道路に面した東向きで日当り良好。夕方は西に山があるため4時には日陰になるという環境である。谷沿いに風も結構吹くので通風もよい。ハーブ類も元気だし、雑草も旺盛に育つ。

定植したのはやや遅く今年6月26日。量としてはこの範囲に20株ほどを株分けして定植したのである。品種は白花カーペットグラスのほう。

お家の方によると、8月まではそれほど伸びなかったのが9月になって一気に伸びてこのサイズにまでなったという。あまり伸びて来て欲しくない内側の花壇にも強力に侵入しつつあるし、道路にもおかまい無しである。

カーペットグラス
地域の生活道路なのにタイヤの踏み跡もない・・・。心優しい人々の住む地域である。

この後道路側も、お庭側もきっちり剪定した。今後はむしろ抑制に励まねばならないだろう。