雨の年は優しく

夏らしくない天気のため、開花期に入ったハーブたちもイマイチ元気がない。毎年薄いブルーの花で涼しさを感じさせてくれるクリーピングボリジも、花色が淡く、弱々しい。雨が多くて寂しげである。

クリーピングボリジ

写真に写してみるとなおさら白っぽく、はかない感じになってしまう。

普通のボリジが一年草なのに対して、こちらは一応多年草。上手に育てれば何年も持つ。それでも種子は良くつけ、こぼれ種もよく育つので、どんどん更新していった方が元気は良いようだ。

クリーピングの名の通り、あまり背丈も高くならず、横に広がる。花が小さくて可愛らしいのもまた良いところである。ただ、さすがにボリジ。頑丈に育つとやはり葉がチクチクして少し痛いのである。不快とか、危険とか言う程じゃないけどね。でも、今年は少し葉が柔らかく、例年よりは優しい感じである。

ボリジの親子

以前から何度か紹介している市内幼稚園の花壇。冬遅くに植えたボリジも無事開花を終えた。

ボリジ

さすがに見た目がみすぼらしくなってきた。花もそこそこ楽しんでいただけたようなのでそろそろ次の植物と交代してもらっても良さそうだ。

ふと株元を見ると既にこぼれ種が発芽していた。春に開花するボリジのこぼれ種を見つけるのは秋になってからが多い。おそらく雑草に紛れて見過ごしてしまう場合もあるに違いない。この花壇は結構こまめに草取が行われているのと、そば殻も蒔いてあるので、見つけやすかったのかも知れない。

ボリジの実生

おそらく今の時期に発芽すると、秋にはもう一度咲きそうだ。秋早い時期の発芽株はその年遅くに開花する。今からだといつごろ咲くか楽しみである。

まだ小さいので動かしにくいが、本葉が広がってきたら適当な場所に植え替えると良いだろう。

親株をどうしようか迷ったが、小さな我が子たちを強い日差しから守っているようで、とりあえずしばらくはこのまま置いておくことにした。

空よりも青く

こぼれ種で増える植物というのは、たいてい「一体どこから」と言う感じでその場に現れるものだ。圃場の脇にもう数年前から居着いているボリジの株もそうだった。用土を捨てていたわけでも無いし、終った花を放置していたこともないのにいつの間にか芽生えてきたのである。ボリジの種子の場合、アリが良く運んでいくのでその線が一番疑わしい。以来、毎年種子を落とし、絶えることなく生えるようになった。
ボリジ
こんな荒れ地に根付いてしまうと、それはそれは頑丈な株になり、どちらかといえばあまり可愛らしくない。事実、葉は硬いし、あまり繊細といった感じではない。

ボリジ

花も、咲く前は頑丈な毛に覆われていてごわごわした感じだ。なのであまりガーデンや花壇向きではないように思う。やはり野にたくましく咲いている姿が似あうのだろう。開花を待ちかまえていたようにミツバチが早朝から忙しく花の周りを飛び回っている。

ボリジ
ブルーの星が咲くと言われるその花は、やや下向きに咲くので撮影もしづらい。鮮やかな色は「空のような青」と形容されるが、こうやって空を背景にして見ると空よりも青いようだ。少なくとも松江の空よりは。

静かに越冬中

夏前から息をひそめていたアブラムシが、今ごろになって目につくようになってきた。

暑いシーズンは苦手なようだし、天敵も多いためかそれほど目に留まるようなことはない。ところが寒くなって天敵も姿を消すと雨もかからず強い風も吹かないビニールハウスの中はアブラムシにとっては天国だ。春のような勢いは無いが葉の裏で静かに勢力を伸ばしつつある。
アーティチョーク
特にアーティチョークボリジの葉の裏のように細かい綿毛がたくさんあるところが好きなようで先日まで見なかったのに今日はご覧の通り。
ボリジ
この程度なら水で洗い流したり、外に定植してしまえばいつの間にかいなくなってしまうのだが、いずれ発送される苗である。早めに対処するにこしたことはない。数日間をあけて二度三度繰り返し水で洗うのがコツである。

小さな刷毛や筆を使うと葉も傷まないのでおすすめしたい。