美味しい運動場

今年はナスタチウムの育苗が遅れた。失礼、「今年も」だった。育苗を始める時期がシビアな種類は割と注意しているのだけれど、ナスタチウムのように
「ま、今度でもいいや」
という種類はついつい後回しになってしまうものだ。

それでも、4月も半ばを過ぎてから葉のサイズも大体揃ってきた。肥料少なめなので葉も小さめではある。ただ、あまり葉を大きくすると株元が弱いのでポッキンといってしまうのも恐い。

「ようやく育ててくれたのかよ〜」と、早速ハモグリバエがやって来たようだ。一般には「字書き虫」とも呼ばれる。言い得て妙である。この字書き虫も何百種類ハーブがあっても見事にピンポイントで狙ってくる。

ナスタチウム

被害に遭うのはほとんどナスタチウム。希にマロウの仲間にもいたりする。でも、ローズマリーやラベンダー、タイムなんかには全く来ない。広くて美味しい運動場があることが絶対条件なのだろう。

うちではそう目立った被害も無いので、葉に見つけたら葉ごと取り除くぐらいである。いまのところ2枚。何かの資料には成虫になると他にも卵を産み付け増えていくと載っていたが、あまり増えて困った経験はない。運動場が少し狭いのがお気に召さないのかも知れない。

「ここにいますよー」とわざわざ居場所を書いているようなものだから目立つので防除も楽である。ただ、斑入りナスタチウムの場合は別。目を凝らさなくては見つけられない。こっちを選んで卵を産み付けるほどの知恵は無いようだ。

刺激

先月蒔いた斑入りナスターチウム・アラスカの種子がいっせいに発芽し出した。例年だと1月には蒔きはじめるのだが、つい先延ばしになってしまっていたのだ。
斑入りナスターチウム・アラスカ
松江で、無加温のビニールハウスでは今の時期は発芽しにくいので、これは特別に温床の上である。また、発芽しやすいよう少しテクニックも加える。

普通ナスタチウムの種子はしばらくの間熱湯につけて蒔くというのが良く知られているのだが、個人的にはあまりよい結果が得られなかった。そこで刺激を与えるために少し削ってから蒔いてみたら、ビンゴ!発芽率も悪くなかったので以来種子を削ることにしている。

少し面倒ではあるが、発芽しないよりはましである。また、移植を嫌うナスタチウムなので教科書的には直まきかポット蒔きが薦められているが、発芽しない場合も含め用土をケチってプラグで蒔いている。丁寧にポット上げするとそれほど問題はないようだ。

あとは発芽した株にしっかり斑が出てくれるのを祈るばかりである。