ビニールハウスの張替え

今日は一年に一度、恒例のビニールハウスのビニールの張替え。本当は9月に行いたかった(以前お願いした張替え業者さんのすすめで)のだが、色々な都合で10月も終わりになってしまった。

毎年一棟ずつ張り替えて行くのだが、今年は比較的小さいビニールハウスの張替えなので少し気が楽だ。少々風が吹いてもおそらく大丈夫だろう。しかも、昨年までの経験で、事前準備もかなりできている。

ビニールハウス張替え

今日は全員で6人がかり。4人ぐらいでもできそうだが、人数が多いに越したことはない。初めて参加というメンバーはいないので、大まかな手順だけ確認してスタート。

ビニールハウス張替え

昨日古いビニールを外していたのだが、朝のうちにわか雨。パイプが濡れていて、ビニールがうまく広がるか心配したのだが、全く問題なかった。

ビニールハウス張替えサイズもぴったりだったので切って調整する箇所も少なく、特に大きなトラブルなく終わった。課題としては、足場が悪いので、次回は何か工夫をした方がよいというぐらいだろうか。

ビニールハウス張替え毎回のことだが、新しいビニールは気持ちが良い。昨日まではビニールがずいぶんコケで汚れていたので、日差しもずいぶん遮られていた。この下で育つハーブも、今日からは少し日差しが眩しいかもしれない。コケで雪が滑りにくかったので、この冬はこのハウスが一番早く雪が落ちていくだろう。

お茶の時間にはまだ余裕があったので、次の作業に取り掛かることにした。作業用の小さなビニールハウスのビニールが破れているので、昨日取り外したビニールをそちらに付け替える。大きなビニールを小さなハウスに貼るのはなかなか面倒が多い。古いビニールなので、それまでの貼りグセがついていてなおさら綺麗に貼りにくいが、使えるところは再利用せねば勿体無い。

一段落したところでちょうど10時で休憩。このころから風が強く吹き出した。小さいハウスとはいえ、この風では少し難儀することになったかもしれない。張替え業者さんが言っていた、「7時スタート、貼り終えるまでは休憩をしない」という言葉がしみじみとよくわかる。

午後からは作業用ハウスの大掃除も行う。人数が多いと、一気に進めることができるし、少人数ではどうしても息切れして「また明日にしようか」となりがちなのだが、物事を進めるエネルギーが多いというか、一度動き出したら慣性の力が働くかのように進んでいく。

結局、夕方まで、寒冷紗の片付けや、種子や挿し木を管理するハウスの内張の取付や、刈草の片付けなどみっちり行うことができた。ぐずついていた空模様も午後にはずいぶん回復。今日完了できてよかったとしみじみと思う。これでいつ雪が降っても安心だ。もちろん、まだ先になってほしいけれど。

庭仕事に同行

今日は久しぶりに庭仕事に出かけることになった。

もう20年近いおつきあいで庭づくりをさせていただいているお客様から、庭がすごいことになっているので少し手を入れて欲しいとの要請。今年前半は主に他のスタッフが出かけていたのだが、時には様子も見ておきたいので同行することにした。

今年の春はバラを中心にとても楽しめたと喜んでいただけたのが嬉しかった。何年も咲かずに「どうしてかしら」と言われ続けていた白花のモッコウバラもとてもよく咲いたというし、庭の奥のつるバラも絶好調だったという。更に、普段の年はところどころ咲くことが多いスイートブライアーローズも満開だったとのこと。ローズヒップの多さがそれを物語っている。確かにこんなにローズヒップがついているのは見たことがない。

スイートブライアーローズのローズヒップ
スイートブライアーローズのローズヒップ

つるバラの下はかなりのシェードになるため、日陰に耐えれるようにアカンサスモリスを植えているが、これも何本もの花茎の名残が枯れたまま残っていた。どうやら花の数も結構咲いたようだ。

アカンサスモリスの株元の新芽
アカンサスモリスの株元の新芽

夏を迎えると枯れてしまう大きな葉の株元から、小さな芽が顔を出していた。冬にかけてまたつやつやとした葉を広げてくれるだろう。もうこの場所はほとんど手を入れなくてもよくなった。バラの肥料も2年ほど前から与えていないが毎年よく咲くし、パープルペリウィンクルがびっしりと増えたので草取りも短時間で終わる。むしろ広がり過ぎたところをバサバサと刈り取るぐらいだ。

このお庭のお手入れは午前中でほぼ完了。午後は近所の別のお庭へ。お庭の中心には長年サンカクバアカシアが枝を広げ、春には明るい黄色で目を楽しませてくれていたが、幹におそらくテッポウムシが入ってダメになってしまった。かなり大きな株になっていたので、その場所が開いてしまうとあまりに寂しい感じになってしまった。広い庭なのでなおさらである。

今年の春、懇意にしている樹木医さんと相談して、ネグンドカエデのフラミンゴを定植した。春先、少し心配する時期もあったがどうやらうまく活着したようで、この夏も無事乗り切れそうだ。

ネグンドカエデ・フラミンゴ
ネグンドカエデ・フラミンゴ

ただ、一部の枝と葉に枯れが見られたので、すぐに樹木医さんに連絡。写真を撮って送ったらすぐに返事があり、枝をカミキリムシがかじった影響ではないかとの判断。樹木医さんもテッポウムシを心配しておられたのだが、株元をチェックしてもその気配はなく一安心。

ネグンドカエデ・フラミンゴ
一部の枝が枯れていた

よく見ると確かに枝の裏にカミキリムシがかじったような跡が残っていた。さすが樹木医さんである。もう少し冬に近づいた時どうなるかまた見にきたいところだが、さて、その時タイミングよく庭仕事に同行できるかどうかが問題である。

作業の途中、冷たい風が吹いてきたかと思ったら、急に土砂降りの雨が降り出した。雷も鳴りだし、真上に稲光も見える。しばし雨が止むまで作業中断。ここまで、とんでもない暑さだったのが、雨の後はずいぶん過ごしやすくなる。普段、1日の作業だと、最後の2時間ぐらいはどうしてもペースダウンしがちなのだが、今回はむしろペースアップしつつ終わりを迎えた。

結局、半分だけ

お盆前ぐらいから畑のジュピターズ・ディスタフがパラパラと花を咲かせ始めた。ただ、その頃は、暑さもピークで雨も長く降らなかったので花もパッとしなかったし、あまり見る気もおこらなかったのだが、この間からの雨でしっとりとして花を次々と咲かせ始めた。

昨日、今日となんども強い雨が降り続き、陽はほとんど差さない。相変わらず天気予報は来週までずっと曇りと雨。苗の徒長がさすがに心配になる。一つのビニールハウスのラベンダーやタイム、ローズマリーが置いてある場所については我慢できずに寒冷紗を半分だけ取り外すことにした。

晴れれば朝から昼過ぎまではしっかりと日が当たるし、今日のような曇り空でも寒冷紗があるのとないのではずいぶん明るさが違うから、それでも徒長対策にはなってくれるだろう。

半分だけ取り外した寒冷紗

一部分だけ取り外したので、作業自体は30分もかからず終わる。小さい寒冷紗を何枚も継ぎはぎするように張っているので、たたむのもそれほど難しくはない。昔はビニールハウス1棟全体をおおう寒冷紗だったので幅が10メートル弱、長さも40メートルを超えていたから、取り外してたたむのさえ一つの行事レベルだったことを思うとずいぶん楽になったものだ。今回のように細かく調整できるのも小さいメリットだ。

ところが、毎度のことながらこうやって、何か行動を起こすと天気予報は変わる。夕方、天気予報は明日から二日間晴れマークが出たのだ。吉と出るか凶とでるか。

バケツと剪定作業

猛烈な夏の暑さもさすがに今年は終わり、ビニールハウスの中の作業もずいぶん楽になってきた。連日雨が続いたここしばらくだったが、今日は太陽がまぶしい。すぐには秋にならないぞと、残暑も最後の粘りといったところだろうか。

夏のあいだ、ついつい後回しにしていた作業も今日ぐらいの気温だと気持ちよく向かうことができる。

夏でも、ポット苗も暑さに強い種類はどんどん伸びる。一方、蒸れに耐えるため、株の下の方の葉を落としていく種類もある。

伸びた枝や葉を剪定したり、傷んだり枯れたりした葉を取り除いていく作業。それなりに手間がかかる。

とはいえ、ハサミと、剪定した枝や葉を集めておくバケツでもあればできる作業なので、とりかかりはすぐだ。

圃場ではバケツの出番は多い。水を汲むことや土を入れたり、今回のように枝や葉を集めたり。ツールを入れたり・・・といくつあっても重宝する。この頃は主に柔らかなプラスチックのバケツを使うことが多い。数えたことはないが、小さいのも含めると10以上あるのではないだろうか。

今日はショッキングピンクのバケツが近くにあったのでこれを使うことに。スタッフが家で使おうと買ったのだが、結局使わなくなったものを「ハウス用に」と持ってきたものである。

バケツ

ところが、作業を始めてしばらくすると、妙な違和感が。目がクラクラしてくるのだ。もちろん熱中症を心配するような気温ではない。

葉を剪定して落とすため、バケツの上に苗を持ってきての剪定作業、葉のグリーンのバックにあるのがショッキングピンクのバケツ。コントラストが強すぎて目に負担をかけているのだろうか。久しぶりの強い太陽の光がなおさらそう感じさせているのかもしれない。

作業に大きな影響があるほどではないのでそのまま続行したのだが、目の不快感は続いた。

気持ちよく作業するにはどんな色のバケツがいいのか・・・。グリーン?白?思い切って黒?やはりアースカラーの茶色系?そうなると、バケツよりも竹の笊などの方がいいのか?そんなことをぼんやりと考えながら手を動かす単純作業。これはこれで悪くない時間だったりする。

中庸

気温がずいぶん高くなってきた。ようやくレモンヴァーベナやレモングラスに成長が見られるようになってきた。いままでほとんど育たなかったバジルも今後少しは成長が見られるだろう。畑の隅では太陽と競うかのようにポットマリーゴールドが鮮やかな花を咲かせ始めた。初夏も目の前である。

ポットマリーゴールド

冬の寒さで葉が全部落ちてしまったマートル。葉が傷むことはあっても、いままで全部落ちるようなことはなかったので、もしかしたら寒さで枯れてしまったのかもと半ば諦めていたが、4月も下旬となってようやく太い幹から真っ赤な芽が見え始めた。

マートル
鮮やかなグリーンの葉も、出だしは真っ赤!?

どうやら生きていたようだ。さすがに今年は開花はしないかもしれないがこのペースで復活してくれたらと思う。

さて、気温が上昇してくると、苗の水やりが特に難しくなってくる。冬場なら少々目を離していても急に水切れすることはないし、真夏ならジャンジャン水やりしてもまだ大丈夫だ。

ただ、この時期はちょうど苗たちの成長も重なる時期だし、気温の上下も激しい。また、湿度も急に低くなったり高くなったりして油断ができない。本当に気を使う。そんな条件なので水やりを管理するスタッフの間でも意見が別れることがある。

スタッフA氏は、乾燥しすぎるのを心配する。乾燥しすぎると、特に湿り気を好むハーブの場合などひどい場合は苗が枯れてしまうし、一旦土が乾ききってしまうと今度は水を吸いにくくなる。

スタッフB氏は、湿らせすぎるのを心配する。湿らせすぎると、乾燥を好むハーブは根腐れを起こしやすくなるし、根が伸びにくくなったり徒長や病害虫の原因になったりする。

どちらの言い分もそれぞれ理にかなっているのでどちらかに軍配を上げることは難しい。

ミントやレモングラスなどは、「ガンバレ~A!」とエールを送り、ラベンダーやタイムなどは「いいぞ!B!」と応援していることだろう。

いずれにせよ、湿らせ派と乾燥派、両方いることで育苗環境の中庸が保たれているに違いない。幸せな苗たちである。