損な性質

ビニールハウスの中では気の早いゼラニウムはぼちぼち咲き始めている。なかでもアーモンドゼラニウムはここにあるゼラニウムの中でも大きい花なので良く目立つ。

pelargprettyp100328

ところが、このお方は勢いが強い上に高性なので少しほったらかしにしているとあっという間に上に伸びていって下のほうの茎には葉がなくなってしまう。見た目が悪いことこの上なしである。こまめに手入れをしてやれば、そんな心配は無いけれど、つい、ネ。アーモンドゼラニウムを形良く育てられる人はエライ!と常々思う。花もガンガン咲くので、目を引く一鉢になること間違いなしである。

この苗も植え替えて、下のほうに新芽が出てきたら切り戻してやるつもりだったのに、それより先に花が咲いてしまった。写真で見るとそれなりだけど、全体をみるとため息が出る。

こんなふうにお行儀が悪いので、どうしても増やそうとする時に気が引けてしまうのである。かわいそうに。

優先順位

春を思わせるような日が時々現れるようになるとハーブたちの色も鮮やかさを増してくる。気の早いものはゆっくりながらも成長し始めてくる。とは言え、日照量がまだ充分ではないので種類によってはひょろひょろと伸びやすくなるものもある。

枝分かれを促進し、株の形を整えるために、そんな苗を見つけては軽く剪定を掛けている。また、木質した枝から新芽が伸びた苗に切り戻しを行なうのも形の良い苗を育てるのに大切だ。

ペパーミントゼラニウム

このチョコレートペパーミントゼラニウムは昨年挿し木して、秋にポット上げしたものである。結構木質化した枝の下のほうから葉が現れ始めたので少し切り戻してやる必要があるのだが、ご覧のようにカマキリの卵が・・・。伸びようとしている葉もなんだか窮屈そうである。

この場合、ゼラニウムの成長と、カマキリの卵、どちらを優先するかと言えば、カマキリの卵の方である。前に、同じようなシチュエーションに遭遇したことがあった。その時は枝を剪定して、「ここなら問題ないだろう」と思われる場所に置いておいたのに孵化しなかった。乾燥しすぎたり、濡れすぎるのは良くないようで、時々潅水する苗にひっついていると言うのが適度なのかも知れない。

と言うわけでこの苗はカマキリが孵化するまでしばらくこのまま。今年もたくさん孵化してもらいたいものだ。

お気に入りのゼラニウム

ニオイゼラニウムと言えば、「色々な香りが楽しめる」というハーブの中でもとりわけバラエティに富んだ一群である。花の香り、柑橘の香り、ナッツの香りなどなど、とても楽しい。寒ささえ少し気をつければ(この辺りでは)育てるのもそれほど難しくは無いし、栽培はたやすい方だろう。

ハーブを育て始めた頃手に入れたペパーミントゼラニウムは特にお気に入りだった。ベルベットのような葉は、見た目にも、触ってもまた良い感じだし、ニオイゼラニウムらしからぬ爽やかな香りがするのも良い。花は控えめな方だったが、いかにもと言う感じで大きな花を咲かせるのでは無いのがまた良かったのである。

ただ一つ不満は、当時、株を上手に増やせなかったことであった。育てたことがある方は分かると思うが、他のゼラニウムに比べると枝が太く挿し穂の数が確保しにくい。節間も大きかったり、極端に短かったりして挿し木がしにくいことこの上ない。まあ、今から考えると小さな鉢で育てていたので株が小さすぎたのである。ある時など挿し穂をとりすぎた親木がダウンして途方に暮れたこともあった。

現在圃場にあるのはひとりでは持ち運べないぐらいの大きな鉢で一株。普段は店頭を飾る鉢の一つである。ちょっと剪定すれば、当分必要が無いぐらいの挿し穂がとれる。

ペパーミントゼラニウム

現在は昨年の葉が枯れ落ち始めて、みすぼらしい状態である。また、一年間ほったらかしなので、葉も小さくなってしまった。ペパーミントゼラニウムは柔らかくて大きな葉を優雅に繁らせるのが一番の魅力。もう少し暖かくなったらばっさり刈り込んで少し植え替えてやる予定である。なお、このゼラニウムは半日陰のほうが葉のサイズ、手触りともに良好になる。店先の少し奥まったところがベストポジションなのである。また今年も初夏になれば指定席にお戻りになるだろう。

昔の名前で出ています

斑の無いピーコックゼラニウムを何と呼ぶ?

これはもう何とも呼びようがない。斑入りのゼラニウムは時々こうなってしまう危険性を持っている。今年の秋、斑が無くなってしまったピーコックゼラニウムの苗を見つけた。コンディションは悪くなく、処分するのは忍びない。店頭を飾るグリーンにでもなってくれればと思い、素焼き鉢に植え替えておいた。一応間違いが無いように「ピーコックゼラニウム・斑消失」とラベルに書いて。

ところが、この間ふと見てみると新しい葉にしっかり斑が戻っているではないか。斑入りナツメグゼラニウムなどは、夏の間斑が消えても、春先にまた戻ることが多い。しかし、ピーコックゼラニウムは今まで一度消えた斑が戻ることはなかったように思う。

ピーコックゼラニウム?今後どうなるのか少し興味深いところである。もしかしたら夏ごろ店頭に昔の名前がついて飾られていたりして。古い歌じゃないけれど。・・・あなたが探してくれるの待つわ・・・

寒中の芽

思わぬ暖かさとなった大寒は過ぎ、まだまだ寒い日が続く。でも、春に向けて植物たちは着実に前に進んでいる。先月植え替えをした大きな鉢植えに次々と新芽が出てくるようになった。縮こまっている我々の姿を笑っているかのようだ。

ニオイゼラニウムも株が大きくなってくると徐々に木質化してくる。秋の時点では株の下のほうには全く葉が無くなることも珍しくない。剪定して形を整えたいところであるが、斑入りのものなど、一気に強剪定すると次に出てきた時に斑が無くなってしまうことが多い。そのため、植え替え時に軽く剪定をしておいて、その後で新芽が出たのを確認してからもう一度切り戻して最終的な形を整えている。

ハーブを育てはじめた頃、ニオイゼラニウムを冬に植え替えるなんて怖くてとてもできなかった。いつから平気でできるようになったのだろう。他の種類も含め、集中的に植え替えができるのがどうしても冬になってからになるので、それに合わせている。大株ばかりなことも有り、特に問題はない。

ヘイゼルナッツゼラニウム
ゼラニウムの中でもコンパクトな方のヘイゼルナッツゼラニウムも、大鉢で育てると秋には下枝はかなりしっかりしてくる。このまま咲かせると、非常に格好悪い。良い新芽が出はじめたのでこの後もう一回切り戻す。

グレープリーフゼラニウム
このグレープリーフゼラニウムも大型になる分、分枝が少なめで枝が太い。秋の時点では全く下のほうに葉が出ていないので剪定も掛けにくい。いまなら安心してはさみを入れることができる。普段、挿し木の枝が採れる量が少ない種類なので、剪定したついでに挿し木もしておこうかと言う気分にもなるのだが、たいていこういった「ついでに」で行なうとうまく行かないのだ。またの機会にしよう。