水切れの後

圃場では苗の水管理がシビアになってきた。水をやりすぎれば徒長してしまうし、かといって今の気温での水切れは致命的だ。

油断していたらホワイトヘリオトロープの親木が水切れしてしまった。株がダウンするほどではなかったものの、ヘリオトロープの場合、葉への影響は大きい。他のシーズンなら葉が黒く縮れるぐらいで済むけれど、暑い時期は新芽へのダメージが大きく、新芽まで縮こまってしまう。気温が高いのは好きなくせに、妙にデリケートだ。

ホワイトヘリオトロープ

こうなるといくら水をやっても無駄。差し芽にも使えないので一度強く刈り込んで木質化した場所からの新芽をのばす必要がある。

まだ暑さは当分衰えそうにない。大きくなりすぎた親木は剪定して水切れのリスクを減らす対策をそろそろはじめねば。

かわいいアジサイ

「お引っ越しの忘れ物」で話題にしたヘリオトロープがようやく復活して花も咲かせ始めたので店頭に持ってきた。

ヘリオトロープ

風の具合によっては甘い香りが辺りに漂う。花もさる事ながらやはりヘリオトロープの命はこの香りである。今でも最初に嗅いだ時の感動は忘れられない。

なるべく多くのひとに見ていただきたくて、店頭でも目立つ所に据えた。香ってみて「次の苗ができた時には是非」とのご希望も頂いたりするとなおさら嬉しい。

中に、「あら、かわいいアジサイね」という反応が結構あったのにはびっくりした。まあ、パッと見にはそうも見えるよね、とスタッフと笑いあった。とはいえ自分もこの世界に足を突っ込まなかったら、「かわいいアジサイ」としか思えなかったのかも知れない。どころか、ただの「花」ぐらいの認識だった可能性も高い。今は幸せである。

お引っ越しの忘れ物

年末のこと。寒波が来て大雪の恐れ!と聞き、レモングラスやヘリオトロープなど寒さに弱いハーブの苗は2重のビニールハウスへお引っ越しをした。大きめの株も漏れなく移動したと思っていたのに、今になって移動し忘れていた株が見つかった。

ヘリオトロープ

ヘリオトロープである。咋秋、少し大きくなった苗を鉢あげしていたのだ。大きくしてから店頭へ持っていって飾ろうと思っていた。そのため、他のやはり店頭用に育てていた鉢と一緒にしていたのが災いしてチェックを逃れてしまったのだ。

ヘリオトロープの場合、強い寒さに当たってしまうと、こんなふうに葉が焼けたように変色してしまう。傷んだ葉は復活は無理なので剪定してしまうしかない。

このぐらいなら株までダメージを受けてはいそうに無いのだが、店頭デビューはかなり先になりそうである。

白花ナントカに御用心

今朝、苗の様子を見回っていてドキリ。白花のヘリオトロープに花がついていたのだが、微妙に紫がかっている。確か、咲きはじめは少し紫がかるはず・・・。間違いない・・・。と思うのだが、どうしても不安が拭いきれない理由があった。1年ほど前、白花のヘリオトロープを買われたお客様から「紫花が咲いた」とクレームがあったのだ。

白花ヘリオトロープ

どうやらその時は、紫花の方を間違えて発送してしまったようだったが、挿し木の時に親木を間違えたのか、ポット上げの時にラベルの記入ミスがあったのか、でき上がった苗をピックアップした時に間違えたのかいまだに原因は不明である。

なので今回、この花を目にした時、ラベルは確かに「ホワイト」と記入してあったにも関わらず確信が持てなかったのだ。

以来、毎日のようにチェックする日々が続いた。

白花へリオトロープ

翌日。だいぶ花が開きはじめてきた。紫・・・じゃないよな。

白花ヘリオトロープ
4日目。徐々に紫色は薄くなってくる。ほぼ大丈夫だろう。

白花ヘリオトロープ

15日目。気温がそれほど上がらないので、ようやくここまで開花。白花に間違いはない。安心。香りもいっそう甘く感じられる。

白花ナントカと言う名前のハーブはたくさんあるが、元が紫色のものは冬場は余計に元の色合いが出やすくなる。ホワイトスイートバイオレットなども、うっすらと色づいてそれはそれで可愛らしいけど、すこし不安にさせられるのだ。まれに秋に咲く事のある白花系のラベンダーも秋は少し色みがついて時にヒヤリとさせられるのだ。ヘリオトロープも暖かい時期はほとんど紫を感じさせないまま開花する。辛い環境の中では、本性が現れるのだろうか。

始めと終わり

ヘリオトロープは四季咲き性が強い。冬でも株が傷まない環境なら結構咲いてしまう。

ビニールハウスでもポット苗で開花が始まった。

ヘリオトロープ、咲きはじめと終り頃ではだいぶ花色の雰囲気が違って感じられる。咲きはじめはかなり花色が濃く、美しい紫だ。ただ、この頃はまだ香りは弱い。
ヘリオトロープ

十分花が開いてくるとかなり白っぽくなってくる。一方で香りはしっかりとあまい香りがしてハウス中で香りが分かるほどだ。
ヘリオトロープ2
また、ホワイトヘリオトロープも開花し初めはちょっとピンクがかっている。そういえば初めて育てた時は、「色が違うんじゃない?」と焦ったこともあった。
ホワイトヘリオトロープ
とても魅力的な植物だが、ちょっと気難しいところが有る気がする。寒いのはもちろん嫌いだが、あまり暑いのも嫌いなようで、夏などは少し元気がなく、極度に乾燥すると葉も傷みやすい。水が切れると葉が一気に黒くなる。なので常に快適な環境を求める深窓の御嬢様というイメージがある。

でも、いったん最適な環境を与えたら年中香りを楽しませてもらえそうだ。