梨好き

秋を感じさせる食べ物は数あれど、自分にとっては「梨」かなぁ?

暑い最中に、初物だといって食べさせてもらった梨の冷たさ、さっぱりとした果汁は最高の御馳走で、子供のころから好きだったように思う。梨を食べると秋の訪れ、そして夏休みの終わりが近いことを感じさせられていたものだ。

一口に梨といってもいろいろあるが、お隣の鳥取県が二十世紀梨の産地ということもあり、甘い風味の種類よりも慣れ親しんできたさっぱりとした味の梨の方が好みである。甘い方の梨より、ひと足遅れてでてくる二十世紀梨を口にするころには、風はもう秋を感じさせてくれる。

ここ数年、台風の直撃や、天候不順により梨の栽培に影響が・・・というニュースを何度も聞き、梨農家の大変さを感じていた。中でも、袋掛けは大変じゃないかなと思っている。手を上に上げての作業、辛いもんね。そう思うにつけ、梨の美味しさは一際アップするのである。

もちろん、梨にも病害虫の心配は多いのだろう。あんなに美味しい実を成らせる木を虫たちが見逃すはずは無いではないか。

ナシケンモン(褐色型)?
ナシケンモン(褐色型)?

そんなどん欲な昆虫たちはしっかりハーブにも目をつけるのである。この間初めて見たこの毛虫。ナシケンモンと言うそうな(たぶん)。梨を初め、様々な植物を食べるそうだが、この日はウインターセイボリーをガジガジ。もちろんその時は正体不明だったのでおっかなびっくり退場を願った。

セイボリー見たいにぴりっとしてちょっと硬い葉よりも、もっと美味しくて柔らかそうな葉がたくさんなるのに物好きなヤツと思ったが、あとで梨が大好きとわかり、少しだけ親近感が湧いたのである。

見かけで判断するべからず

今日は市内のお客様のところへお庭のお手入れに伺った。

作業中、スタッフの一人が、バラの枝にアシナガバチの巣を発見。幸いまだ小さめである。その上、普段良く見る黄色っぽいアシナガバチと感じが違う。見た目に何となく茶色みがかっているし、動きがのそのそしている。

アシナガバチ

バラの害虫となる青虫類の天敵としてそのまましておいても良かったのだが、お客様が刺されてもまずいのでこの場所から撤退してもらうことにした。

それでも、後学のために写真だけは撮っておくことに。近寄ってもあまり攻撃する素振りを見せないので大胆に近接撮影を行なった。あまりにおとなしいので、害のないアシナガバチなのかも・・・なんて話をしていた。無知というのは怖いものである。

後ほど調べてみたら、どうやらキボシアシナガバチという種類で、防衛本能、攻撃性は強いらしい。もう少し踏み込んでいたら危ないところであった。見かけおとなしそうでも、怒らせると怖いのだ。人間も結構そうだったりしますよね。油断禁物である。

実はこの翌日、別のお庭でアシナガバチにアタックされて痛い目を見たのである。

朝のディテクティブ

病害虫も、その原因や正体が分からないときは何かと不安である。特に園芸を始めた頃は毎回新しいトラブルとの遭遇でどきどきしっぱなしだった。それでも一つ一つ経験値を上げていくことでいつのまにか少々のトラブルには動じないようになってくる。

アジュガ・バーガンディグロウ

今朝も苗を見ているとアジュガ・バーガンディグロウの葉が半分、かじられたようになくなっていた。時期的にはナメクジや、そろそろバッタの被害も考えられるが、ナメクジなら跡が残っているだろうし、バッタも相当大きいサイズでないとこんなに奇麗に食べない。今見かけるのはまだ小さいバッタなので葉の表面に所々穴が開くぐらいだろう。

ヨトウムシ

さては・・・と株元を見てみると、いたいた。ヨトウムシである。カラフルなサラダを腹いっぱい食べてお休みのところ申し訳ないが、退場していただく。アジュガ(アユガ)も普通のreptansは濃いブロンズパープルのうえにごわごわしてあまり美味しそうに思えないが、バーガンディグロウはヨトウムシでなくたってサラダにして食べたくなるぐらいだ。

こっちは普通のアジュガ(アユガ)レプタンス
こっちは普通のアジュガ(アユガ)レプタンス

実際に葉を食べている姿はあまり見かけない。たいてい目にするのは食後、腹いっぱいになって株元で横になっている姿である。なおさら小憎らしい。

お客様と話をしていると相当憎んでおられる人もいるようだ。よほど悔しい思いをなされたのだろう。幸い、この圃場ではあまり被害が大きくならず、特に対策はしていない。食い残しの葉を見つけると株元を探す程度である。

タランチュラ出没!?

昨年のちょうど今ごろだったと思う。普段お庭の手入れをさせていただいている方から電話がかかってきた。

「庭のバラに、大きな青い蜘蛛がいて、気持ち悪くて・・・」
お年を召された女性の一人暮らしなので、なおさら不安なのだろう。すぐに伺うことにした。

お庭に向かう車中でスタッフと「大きな青い蜘蛛」とは一体何かという話になった。電話の話によると縞模様もあるという。

「もしかして、タランチュラとかの毒グモとか?」
「このごろは木材とかについてやって来るのもいるらしいし・・・」
「こんな島根に?」
と、喧々諤々であった。でも、いざと言う時に誰が捕獲するのかという話には決してならなかった。

到着して恐る恐る問題のバラのところに行ってみると、正体はゴマダラカミキリであった。鮮やかなブルーと、大きな触角。青い蜘蛛に見えても仕方がない。結局この時は5匹も捕まえた。残念ながらバラの枝は既に何箇所もかじられていてその先の花芽がダウンしていた株もあった。

今年も同じ庭で、やはり同じようにゴマダラカミキリを見つけた。少し早かったのか一匹しかいなかったし、バラの被害も最小限だった。

ゴマダラカミキリ

小さな頃は、宝石のように見えた体の色も今ではあまり愛着は湧かない。昨年は知人宅の小学生にプレゼントしたのだが、今年は山に囲まれた圃場に連れて帰って放してやった。

ダンディで臭いヤツ

コリアンダーの花が相変わらず咲いている。こぼれ種のものは開花も長いのか、早く種子を落としてくれればいいのに、片付けて次のものが植えたいのに植えられないでいる。

いつまでも咲き続けていることを良いことにカメムシが毎日のようにいらっしゃる。目にも鮮やかな衣装をまとったアカスジカメムシだ。この色のストライプを見事に着こなせるとはダンディなヤツである。

アカスジカメムシ

よく、コリアンダーをカメムシの防除用に植えると言われる。それにしても、同じ匂いなのでやって来るのか、それともコリアンダーみたいな臭いものを食べるのでカメムシは臭いのか。人間でも匂いの強いものを食べると体臭が強くなるとも言うのだが。

いずれにせよ、この色、天敵から身を守るのには効果的なのだろう。その上臭ければ誰も手を出さない。臭いかどうか試してみたくもあるが、かつてブラックベリーとともにカメムシを口に入れた経験があるものにとっては手を出す気にはなれないのである。

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撮影中にもう一匹の甲虫も御来店。こいつも臭いのだろうか。色は良く似ているし。似た者同士なのかも知れない。

ちなみにコリアンダー、葉の香りは苦手な方も多いかも知れないが、種子は非常に甘くてスパイシー。粒のコショウと等量でブレンド、その都度ミルでひいて肉料理などに使うとサイコーです。お試しあれ。