気を揉むコンフリー

ビニールハウスの横で草刈りをしていたら、思わぬところにコンフリーの花が咲いていた。圃場の外れ、隣地との境目のようなところである。普段は草が生えっぱなしで放置してある場所だ。

コモンコンフリー

コンフリーはボリジなどのように種子でどんどん増えるというものでもないので、どうしてここに?という感じである。

ちょうど花がいい感じに上がっていたし、結構花期も長い。大株になると見事なのでそのままにしておくことにした。

コモンコンフリー

このコンフリー、古くはknitbone(骨接ぎ草)と呼ばれ、薬用にされていた。その後、日本でも(かなり前のようだが)野菜としての栽培がはやった時期があるという。ある一定以上の年齢の方で、育てたことがあるというお客様が結構いらっしゃるようだ。実際、自分の両親も以前育てたことがあると聞いてびっくりした。野菜を育てるような庭も無く、そもそも園芸などに関心が無いあの両親が?と思うと今でも不思議である。相当流行ったのだろう。

その後、大量に摂取すると問題が有ると分かったようで野菜としての利用は下火になったようだ。だから、数年前まではあまり人気がなかった。

しかし、この1,2年、堆肥に利用すると言う目的でコンフリーが大人気である。しかし、この人気もいつまで続くやら。

薬用として、野菜として、堆肥として、次は何に使われるのかコンフリーも気を揉んでいることだろう。こうやって荒れ地に咲いているのが一番幸せそうである。

Not so photogenic

ハーブを始めた頃から近年まで、正体が良く分からない虫がいた。というか、きちんと調べなかっただけなのだが。

庭や畑、ビニールハウスの中でもところ構わず出没する1cmに満たない小さなハチのような昆虫。ホバリングが得意で、じっと一ヶ所で空中停止していたかと思うと、ぷーんとどっかへ飛んでいってしまう。

悪さはしないような気はしていたものの、正体が分からないというのは精神衛生上良くなかった。その後ヒラタアブと知ってとても嬉しく思ったのを覚えている。幼虫はアブラムシの強力な天敵である。

一口にヒラタアブといっても非常にたくさんの種類があるようで私が普段目にするのが何という種類かまでは把握できていない。ヒラタアブ自体、ハナアブという大きなグループに属するようだ。しかもアブという名前で呼ばれているものの、むしろハエの仲間だそうである。

さて、私が普段良く見かけるのが下の写真の種類である。ネットで検索するとホバリングしている写真が良く載っている。その姿はなかなか可愛らしいので何度も撮影にチャレンジしたが、技術のせいか、それともデジカメの性能の限界なのかまともな写真が撮れなかった。仕方なく、止まっている時の写真を掲載する。ただの小さなハチである・・・。

ラングウォートの葉で一休み
ラングウォートの葉で一休み

これと、複眼が赤っぽい種類を良く見かける。こちらも飛んでいる時はいい感じだが、止まっているとアブかハエ。あまりぱっとしない。

まして、幼虫にいたっては事実、ウジである。葉に付いている姿も、長い間何かのサナギだとばかり思っていた。

ミントの葉についたヒラタアブの幼虫。この裏が餌場だった。
ミントの葉についたヒラタアブの幼虫。この裏が餌場だった。

これもネットからの情報だが、幼虫がアブラムシを捕食する際には身をよじるようにして食べることもあるとか。アブラムシを食べてくれるのはありがたいが、できるならあまり見たくない姿である。撮影する気も起きないので見たい人は画像検索してみてください。

移ろう花色

母の日の前後から咲きはじめたインチメリーカーネーションももうそろそろ終わりである。クローブピンクに近い種類で、やはり香りがするが、クローブピンクよりは優しい香りである。花色も同様、ソフトピンクの柔らかい印象だ。

クローブピンクはやや広がりがちになり、まとまりが無くなることも多い。それに比べ、インチメリーはしっかりした株立ちなのもお気に入りの理由だ。花茎もしっかりしているので切り花にするにしても、クローブピンクよりもおあつらえ向きだ。クローブピンクが野性味をたっぷりなのに比べて、きちんとしつけされたお嬢さんといった感じがする。

インチメリーカーネーション

花が終る時も同様、徐々に花色が薄れていく。決して一気に散っていくようなことはなく、少しずつフェードアウトしていく。「色が移ろっていく」という感じがぴったりなのである。自分も最後を迎える時はこういう終り方ができれば良いのだが・・・

初夏の花火

植え替えの作業をしながら、
「そう言えば、昨年はもうセミが鳴いていたぞ。」
という話題になった。ゴールデンウイークには既に初鳴きを耳にしていたように思う。ところが今年はタイミングの関係もあるのか、一声も聞いていない。

あまり早く暑くなるのもうんざりとは言え、いつまでも長袖が必要な気温というのもまた・・・やれやれ、人間はなんと勝手なのだろう。

夏を心待ちにする気持ちに応えてくれたのか、ビニールハウスの中で花火が上がった。

モロッコタイム

モロッコタイムである。タイムの中でもちょっと変わった雰囲気の持ち主だ。花が妙に長くて目立つ。性質はややつかみ所が無くて、妙に調子の悪い年や、今年のように元気全開になることもある。とはいえ、油断していると花の後で一気に枯れたりすることもあって気が抜けない種類でもある。

ピンク一色のみだが、原種なので案外原産地に行けば、白や濃い色も見つかるかも知れない。そうそう、以前、お客様のところの超乾燥花壇では赤に近いピンク色で咲いた。写真が残っていないのが残念だが、本来はそちらの色なのかも知れない。ピンク、白、赤と揃えば、かなり見ごたえの有る花火になりそうだ。

嘴だらけ

ニオイゼラニウムの花が終る頃になると、圃場は嘴だらけになる。ちょうどゼラニウムの花の後、種子の莢が鳥の嘴のようになるのだ。

ニオイゼラニウム

諸説あるようだが、ゼラニウムの学名、Pelargoniumも、Pelargos(コウノトリ・ギリシア語)の嘴からきているとされる。

ニオイゼラニウム

種子が熟してくると、莢が割れて元の部分から徐々に種子が顔を出す。

ニオイゼラニウム

種子も雰囲気が鳥の羽毛を思わせる感じである。他にも鳥とのつながりが多いようで、園芸種の名前にもPheasant’s foot(キジの足)、Peacock(孔雀)など付いていたりする。

この種子を蒔くとそこそこ発芽する。圃場にはたくさんの種類のゼラニウムが育っているので、ちょっと変わった花が一つや二つ出てきそうなのだが、非常にありきたりというか、あまり特徴の無い、強いて表現するならぼやっとした感じのゼラニウムが出てくる場合がほとんどだ。

最初の頃はこまめに種子を採っていたりもしたが、今はさっぱりである。

いたるところに嘴が見えるここしばらく、先端恐怖症の人は近づかない方が良いかも知れない。