期せずして

人生は運命のいたずらによって大きく左右されることが多い。そんな人間の近くにいる植物たちも少なからず我々の気まぐれで運命が変わる。

コクテール?

このローズ、もともとはお客さんにいただいた切り花である。カクテル(コクテール)でないかと思われるけれど、詳しい品種は不明。2~3年前の初夏ふっと入ってきたお客様が、「これ、うちで咲いたからあげる」と、くれたのだ。

数日ディスプレイとして店頭を飾り、あまりに奇麗だったのか、花が終った後でスタッフに「挿し木でつけてみて?」と頼まれたのである。もともと一本の切り花である。店頭で何日も置いておいた、しかも花が咲いた直後の枝が発根するわけ無いと一度は断った。

挿し穂として何本もあるのならなんとか一本ぐらいは発根するかも知れない。でもたった一本で・・・。と思いつつもどうせ他の挿し木作業をする予定があったので合わせて適当に挿しておいた。

こういうのが案外うまく行ったりするからかなわない。いつの間にか根を伸ばし、ポット上げ、そのまま成長して大鉢に移植。その後も存在を忘れていたらこの春開花である。もともと強い種類だったのかも知れないけれど、当の本人(ローズ)も驚いていることだろう。

誰かの気まぐれがなければそのままごみ箱行きだったはずだ。この強運の持ち主、これからどんな運命を辿るのだろう。