見落とし

ビニールハウスのなかで、親木が置いてある棟(通称、親木ハウス)を見回っていたら、ミントブッシュの親木が目に留まった。

そういえば、夏の挿し木の結果があまりよくなくてその後のポット上げ数もちょっと不足気味だったのを思い出した。その後枝もだいぶ伸びているし、結構差し穂がとれそうな大きさに育っている。

気温は低いけど、まだ間に合うかもしれないと思って、近づいてよく見ると、もうすでに枝の先端には花芽の兆し。

ミントブッシュ

こうなってしまうと、まず挿し木をしても発根率はがた落ちである。花を咲かせたい力が強くて、根もでないまま開花、その後ダウンというパターンは確実。まれに根が出ることがあってもきっとわずかだろう。

仕方が無いのでしっかり花を咲かせて、その後また挿し木にチャレンジである。もう一月早ければ・・・と悔やまれてならない。何度か見ているはずなのになぁ。

春を先取り

今日はお客様のお庭のお手入れ。できれば2月初めには伺いたかったのだが、悪天候でずれ込んでしまい、ようやくお邪魔することができた。

庭に入ると、おっと、足下からたくさんのクロッカスが。店の花壇や、圃場にも植えているのに、まだ咲く気配さえ見せないから、一足先に春を先取りされたようで、ちょっとうらやましく思う。

クロッカス

3階の東向き、日当り良好のお庭と、やや日当りの悪い西向きの花壇では相当差がつくのだろう。圃場なんて、年によっては前年のうちに咲いてしまうNarcissus bulbocodiumが、ずっとつぼみのままだし。

ところでこのお庭は所々にクロッカスが植わっていて春先はつま先立ちで歩かねばならない。でも、花や葉の無い時期はあまり気を使わず歩いているので丈夫なものだなと改めて思う。早くうちでも咲かないだろうか。

積算温度

天候が悪く、気温の低い日が続いていたが、ここ二日ほど太陽が顔を出してくれている。日が当たると気温もさることながら、気分が明るくなるのはありがたい。

太陽が顔を出すのにあわせてか、ナスタチウムも顔を見せ始めた。

ナスタチウムは直播きがセオリーだが用土節約も兼ねプラグ蒔き。ポット上げには気を使う。
ナスタチウムは直播きがセオリーだが用土節約も兼ねプラグ蒔き。ポット上げには気を使う。

先月半ばに蒔いたというのに、ようやく今頃発芽。例年ならばそれでも数日に一度は日が当たるので一月かからず発芽する。いわゆる積算温度の関係だろう。でもビニールハウスの中であっても、日光が当たらなければ0℃の少し上程度。かといってがんがんボイラーでもたいて加温して一日でも早く発芽させようと言う気はない。

ただ、一度発芽した新芽が傷んでしまうとチトまずい。種が大きい分、エネルギーがあるのであきらめずにまた芽が出てくることもあるのは驚きだが、できれば最初の芽を順調に伸ばしたいところだ。先日の寒波が今冬のピークであると願いたい。

冬の好感度アップ

年中いつでも、このハーブは好みだなぁと思う種類がある一方で、季節によってお気に入りになったり、それほどでもなくなったりする種類というものもある。

たとえばダイヤーズグリーンウィード。ちょうど花が咲く頃は葉の色も爽やかな緑色。花のイエローとも調和して目にも優しく映る。

ところが夏には盛大に枝を伸ばし、邪魔になってくる。枝も固くなり柔らかな印象もどこへやら。枝分かれしてあちこちまとまりが無く広がって、隣のハーブを覆う勢いが疎ましさを感じるようになる。なので以降は好感度が低いまま翌年に持ち越す。

ところで、このまま春まで放置しておくと、雪でぺしゃんこになった枝を苦労して剪定するという面倒な作業が待ち受けることになる。そこで昨年は秋のうちにさっぱりと剪定をかけておいた。

今年の冬は少し印象が違う。いつものだらしない姿でないと、濃く色づいた葉がなかなかいい感じ。「実は冬もいいかも」と思えてくる。あとは樹形かな・・・。枝分かれがややランダムなので込み入らないよう上手に仕立てることができれば冬も好感度がアップするのかも。

ダイヤーズグリーンウィード

この冬一番

今朝目が覚めてみると思わぬ大雪に少し驚いた。

昨夜の間にかなり降り積もり、自宅の横でも早朝から除雪車が走り回り、うるさいのなんの。いやいや、こんな朝早くから除雪していただき、ありがたく思わねばなりませぬ。

昨年の豪雪では痛い目にあったので、さすがにビニールハウスが気になり、朝食もそこそこに様子を見に出かけた。

ユーカリも雪をすっぽりとかぶり、重そうな様子だし、ギンヨウボダイジュも枝に雪をまとっている。

今年も冬前の剪定をしなかったためでもある。ゴメン
今年も冬前の剪定をしなかったためでもある。ゴメン

ギンヨウボダイジュ

ビニールハウスは幸い大丈夫だったが、ずり落ちた雪がハウスとハウスの間に高く積もる。この冬一番の積雪だ。

ハウスの間の雪

山陰地方でももう少し雪が多い場所だと、この横に落ちた雪の重みで、横からビニールハウスがつぶれるという。幸い、この辺りではまだそれほどの雪は積もらないので(昨年は微妙だったが)、今のところは心配していない。

昨年はビニールが古くなって苔などが生えたビニールハウスが、雪が滑らずに被害を受けた。今年はほぼ新しいビニールなので雪もある程度積もると自然に落ちるが、一つだけ古いビニールのままのハウスはやはり滑りが悪い。

ビニールが新しいとあまり積もらないうちに滑り落ちてくれる
ビニールが新しいとあまり積もらないうちに滑り落ちてくれる
ビニールが古いと自然には落ちにくい。(落ちているところは人手で落としたが、難儀な作業)
ビニールが古いと自然には落ちにくい。(落ちているところは人手で落としたが、難儀な作業)

さて、上記の「この冬一番」という表現だが、個人的にはあまり好きではない。もちろん、【今までのところでは】一番にという意味だということはわかっているものの「この冬一番の寒気が」なんて天気予報で言われると、冬になったばかりでもこの冬中で一番寒いんじゃないかという印象を与えられて思わず縮こまってしまう。スタッフもこの言葉を聞くと、「ええっ!」と大騒ぎする。何かもっといい表現が無いんでしょうかねぇ。