ボーダーライン

毎年冬前になるといつも気にかかるハーブがある。サルビア・エレガンスがそれである。パイナップルセイジに近いサルビアと言われるが、もっと葉も薄く、香りもあまりない。花が咲くのも遅いので、ちょうどこの当りでは寒さが厳しくなり始めるかどうかと言う頃に蕾が上がってくる。

すでに新芽の先がこの所の寒さで傷み始めている
すでに新芽の先がこの所の寒さで傷み始めている

そのため、ここ数年は蕾は出たものの、強い寒さに当って花は見られずという年が続いている。ちょうどこの当りがボーダーラインなのだろう。植えている場所も午後遅くないうちから陰ってしまうのも災いしているようだ。

もちろんパイナップルセイジならそんな心配も無く、相当な日陰でももっと早くからガンガン咲いている。

幸か不幸か、いまのところ温暖化の影響は見られないようだ。

素晴らしい住み家

相変わらず圃場で大いに恐れられているネトル。ご注文を頂くたびに、皆さんどうやって使っているんだろうね〜。と話題になる。

いままでは、他のハーブと一緒に並べて育てていたが、棘による被害があまりに多いのでこの夏からは特別席を与えられ、いつも特定の場所に置かれることになった。

ネトルと虫
さて、そのネトルにどうやら虫がついている模様。葉が巻きぎみになって、小さなフンのようなものも見える。恐る恐る(虫が怖いのではなく、ネトルがね)顔を近づけてみるとまだ小さいながら、蝶か何かの幼虫のようだ。

ネトルと虫

美味しいかも知れないけれど、痛くないのかなと人ごとながら心配してしまう。結局は手袋を付けた手につまみ出されたけれど、自分自身が棘が大丈夫だとしたら防御壁も兼ねる素晴らしい住み家であるに違いない。

サスティナブル

店頭ディスプレイ用のオリーブの鉢植えが調子悪いとスタッフが言うので調べてみた。鉢には店の移転オープン時にお客様から頂いたオリーブが植わっており、ブルーベルクリーパーが絡んでいる。そのブルーベルクリーパーが妙にしおれていると言うのだ。

ブルーベルクリーパーはそれほど貧弱な植物ではないし、この夏の暑さぐらいでダウンするとは思えない。やはり考えられるのは今年の場合コガネムシの幼虫ぐらいではないかと思われた。

鉢の様子を見てみると、あれ?冬に牛糞堆肥でもマルチしたっけ?と思うほど黒々とした土である。

もともとは赤玉などが主体だったのが黒土に・・・
もともとは赤玉などが主体だったのが黒土に・・・

鉢をひっくり返してみるとサラサラになった用土と共にたくさんのコガネムシの幼虫が出現。後で数えてみたらなんと70匹。ブルーベルクリーパーは細根はほとんど食べ尽くされていた。しおれて当然である。オリーブもご覧の通りラピュタの樹状態。

こちらも細根はほとんど無い
こちらも細根はほとんど無い

もうこの鉢の中には食べるものは無い。70匹もいて、今後どうするつもりなのだろう。せめて持続可能な程度に食べたらどんなもんでしょう。「サスティナブル」というのが時代の流れだよ。なんて我々人間が言える立場ではないけどね。

もともとこれぐらいの株だったのだが・・・
もともとこれぐらいの株だったのだが・・・

さて、コガネムシにはお引き取り願って植え替えを行い、かなり強めの剪定をかけた。特にブルーベルクリーパーは大幅に枝を落とした。これで無事復活してくれれば良いが。せっかくお客様にいただいた株なのでなおさらだ。しばらくは目が離せない。

ここまで切り詰めた
ここまで切り詰めた