トウガラシの株元で

今、順調にルッコラの株が育っている。だいぶ涼しくなってからまき始めたのでちょっと心配したものの、案外暖かい日が続いて順調に大きくなっていった。先日から少しづつやわらかい葉を楽しんでいる。ちょうど葉のぎざぎざが目立つか目立たないかぐらいが苦味も少なくておいしい。

ロケットと斑入りトウガラシ

今年はあらかじめうねに斑入りのトウガラシをいくつか植えておいてその間に種子を蒔いてみた。これが功を奏したかどうか定かではないが、イモムシの害が非常に少なくて済んでいる。さらに、株元に近い方のルッコラは丁度よい影ができるのか、葉も柔らかめなのも嬉しい。トウガラシの方は実が熟すまではもうしばらくかかるし、葉の見た目も悪くないのでまだしばらくここで頑張ってもらう。

ロケットの発芽

時期をずらしてまいた種子も発芽し始めた。こちらは今後の成長はゆっくりにならざるを得ないので冬以降の収穫になるかも知れないけれどそれまでは先発隊でしっかり楽しませてもらおうと思う。

ナントカの法則

秋から冬、早春にかけての苗を育てるのなら、種蒔きは夏からスタートすることが多い。ただ、今年の残暑では発芽してもうまく育たないのではという心配から例年よりもかなり遅れて種子をまいた。

それでも、発芽するものとしないものがはっきり別れた。特に暑さを苦手とするチャービルイタリアンパセリはさっぱり発芽しないまま10月を迎えた。種子があまりよくなかったかも・・・。と、再度種子まきしなおした。

ところが、今度はあっという間に発芽。発芽率も高い。念には念を入れて、2回目には多めに蒔いたのも災いした。そのうえ、秋前に蒔いたものまでどんどんと発芽してきてしまった。良くあることだ。

イタリアンパセリの発芽

どうやら涼しくなるまでは全く顔を出す気はないらしい。自分の身を守る方法は良く御存知だということだ。(むしろ、冬でも結構発芽してくれるのだ)

さて、この大量の発芽苗、これからどうしようか。そもそも苗ができる頃には秋の園芸シーズンはとっくに過ぎている・・・。こりゃ、春用かな?来春、セール苗で出てくるようなことがあれば、それは私が原因です。

ドンゴロス

新そばの季節だから・・・というわけではないけれど、新しいそば殻が入荷した。殻とはいえ、そこそこ粉も残っていると言うわけで、乾いた蕎麦の香りが心地よい。

そば殻と麻袋

そば殻はもちろん用土にブレンドしたり、マルチに使ったりとこれから大活躍してもらうのだが、外側の麻袋も中身に負けないぐらい活躍する。

もともとは収穫した蕎麦の実が詰められるための袋で、今こうやってそば殻を詰めるという二番目の仕事についている。ところがうちに来ると、まだまだいくつもの仕事が待っているのだ。

中身が使われて空になった袋は、今度はブレンドした用土を入れておくのに使われる。通気性の点ではビニールの袋と比べ物にならないので、中の有用微生物にも安心である。もみ殻を摘めておくのにも良い。以前は専用のモミガラ袋(ビニール製)を使っていたが、半年もすれば劣化して破れて始末に負えなくなる。麻袋ならまずそう言ったことも無い。

冬ならば、肥料作りをする時、やはり通気性のある覆いとして欠かせない。肥料が出す水分も吸収してくれるのもポイントである。

土を詰めているとそのうち穴も開いてきて袋として用をなさなくなってくる。次は、長靴の泥落としマットとしてビニールハウスの入口に敷かれる。また、主に冬場、ハウスの補修などで金属を切断したりする作業を行なう。そんな時、鉄くずや火花から床のシートを保護するのにも欠かせない。

ここまで使うと、もう所々がほつれ、ボロボロになってくる。しかし、まだ役目は続く。袋の脇を切って開くと縦長の布状になる。これを畑へ持っていけばマルチ、そして通路用のシートになるのだ。

さらに季節をひとつかふたつ過ごせば、土に戻り、畑の養分としてすべての仕事をようやく終えるのである。

ところで、麻袋は、通称ドンゴロスとも呼ばれる。我々の世代だと、ドンゴロスと言えば初期の宮崎アニメに出てくる脇役がまず思い浮かぶのだが、この麻袋と同じようにこき使われてばかりいるキャラであった。
「ドンゴロ〜ス!!」
「へ〜い」
となるとこき使う側の私はダイス船長?

何を今更・・・

圃場の前の斜面に植えたロシアンセイジがようやく満開を迎えた。やはり今年は例年よりもずいぶん遅いような気がする。

ロシアンセイジ

この場所はあまり日当たりがよくないため、毎年開花の頃にはにひょろひょろになりやすい。昨年など花も貧弱で見る影も無かった。

その点今年は雨が少なめだった分まだましな方である。

ロシアンセイジは夏の暑さにも強く、かなりの乾燥でも耐えて咲いてくれるので何かと重宝する。夏、かなり乾燥する花壇でも安心して育てられる。唯一気をつけたいのは、風が強い場所の場合、株元が揺すられて倒れやすくなることだ。支柱を立てても良いのだが、なんかこの植物には支柱や紐が似合わないような気がする。そう言った点からも、成長期には分枝を促すよう、こまめに剪定をしてがっしりとした株立ちを作りたいものだ。(毎年放置しているくせに何を今更・・・)

紫蘇の穂漬け

梅雨明け頃から、食卓で活躍を続けてくれた紫蘇もそろそろおしまいになりつつある。真夏の冷ややっこには欠かせなかったし、そうめんにも活躍。大葉の天麩羅も何度か楽しんだ。初めて試した紫蘇の穂の天麩羅もなかなか結構なものだった。紫蘇ジュースを作らなかったのは少し残念だったけど。

さて、花穂が下から咲き上がってきて、上部の2〜3輪になってきたらいよいよ紫蘇の穂の収穫時である。実は最後に採れる紫蘇の穂が一番楽しみだったりする。紫蘇の穂漬けを作るのだ。

収穫した後ですでに穂はあまり残っていなかった・・・
収穫した後ですでに穂はあまり残っていなかった・・・

作り方は簡単でレシピもいろいろあるようだが、一応塩水であく抜きをしてから漬ける方法で行なう。漬物と言ってもそれほど手間もかからない。でき上がると早速御飯にまぶして食べる。プチプチ感がたまらない。子供の頃はこれだけで何杯もおかわりができた。

こんなに美味しいのに、家族にはそれほど人気がない。季節柄、あるお客様とも紫蘇の穂漬けの話になって、やはり自分は好きなのに他の家族は食べないと言う。どうやら小さい頃の経験ではないかと言う話になった。食育は大切である。

ついでに金山寺味噌に混ぜると美味しいと教えてもらったので、また試してみようと思う。

さて、紫蘇は言うまでも無くシソ科である。シソ科のハーブは沢山ある。となると、「同じようにして食べれないか?」と思うのは当然であろう。さすがにラベンダーは香りが強すぎるだろうし、ローズマリーやセイジは硬そうだ。少々小振りながら、タイムなどは良い感じではないかと思うが、塩漬けにして御飯に・・・というのはあまりにも無理がありそうだ。「来シーズンにでも試してみようか・・・」と、ちょっとだけ思ったがすぐに断念したのである。