最後の職場

作業をする時に欠かせないツールはまずハサミであるが、ポット上げや挿し木などをする場面も多いのでラベルと鉛筆も必携である。

ラベルはともかく、ラベルを記入するための筆記用具については、園芸に携わるようになってしばらくの間、色々な種類を試した後、ようやく鉛筆にたどり着いた。最初に手を出したのは、ホームセンターの園芸コーナーにあった園芸用の太い鉛筆である。しっかり書けるのは良いのだが、細かい字は無理。長い名前など、何を書いているか後で見ても分からなくなる。「ひまわり」とか、「あさがお」と書くには良いのだろう。

同時期に園芸用マーカーも使いはじめたのだが、これもちょっと乱雑な使い方をしたり、泥がついたラベルに記入しようものならすぐに書けなくなる。これも字が太めだし、そもそも、どこが園芸用なのか良く分からなかった。細字タイプもある汎用の油性マーカーもしばらく試した後、使わなくなった。書き味は良いものの、水や泥がかかったり、高温、低温下ではじきに使えなくなる。その上、案外耐候性は低く、数年はおろか、一年でだいぶ字が薄くなってしまい、書き直す手間も出てくる。

結局、一番シンプルで昔から使っていた鉛筆が最良だということが分かった。水に濡れようが、日に当ろうが、少々のことで問題はない。文字の太さや濃さも種類や削り具合でいかようにもなる。耐候性も一群の筆記用具の中では抜群である。実は鉛筆愛好家は結構いるようで、それぞれに柔らかめの2Bが書きやすくて良いとか、硬い4Hのほうが消えにくいとかこだわりを持って使っていらっしゃるようだ。

うちのスタッフの間にはそれほどのこだわりはないものの、いつもハサミたちとともに腰にぶら下がっているし、圃場の要所要所においてある。

もちろん、そんな過酷な場所で使うので、新品など使ったりしない。子供の使い古しや、道端で拾ったものなど、既に一度その役目を終えたような鉛筆ばかりである。

それにしても削り方が下手である。一番下のはプラグ苗を下からつっつくのでお尻のところが摩耗している。
それにしても削り方が下手である。一番下のはプラグ苗を下からつっつくのでお尻のところが摩耗している。

彼等にとってはおそらく最後の職場。頑張って欲しい。