春風に揺れて

「春は黄色い花が多い」と何かで読んだ。思えばたしかにその通りだ。桜に代表されるピンクとともに、イエローは春に良く似合う色だろう。

ところが、個人的にはあまり好きな色ではない。服はもとより、あまり身の回りに置かない色である。金運が良くなるからと黄色の財布を持つ気などさらさら起きない。育てる花も、黄色のものはかなり少ない方だと思う。

それでもアカシアの黄色はとても好ましく思えてしまう。一つ一つの花のとても繊細なことやさわやかな春の風にそよぐ姿など、アカシア全体に魅かれるのかも知れない。

サンカクバアカシア

さて、そのアカシア、何百種類もあると言われ、数十メートルに達する種類から背丈にも満たないコンパクトな種類も有るらしい。ただ、実際に育てやすい種類となると、残念ながらかなり選択肢は狭まってしまうように思う。

庭木として良く使われるギンヨウアカシアなどは比較的扱いやすい種類だろう。フサアカシアは、松江でも寒さに耐え、ものすごいスピードで大きく育ったことがある。あっという間に5メートル、6メートルと伸びていき、その時にはさすがに困ってしまった。あまり安易に植えると後悔すると思う。

サンカクバアカシア

さて、今お気に入りなのがサンカクバアカシアである。それほど大きくならず、形的にもまとめやすい。花には爽やかな香りがある。といっても鼻を近づけなければ分からぬ程度なのだが。

サンカクバアカシア

この辺りでは、雪によってやや折れやすいことが心配なくらいだろう。また、アカシアを育てる上で共通の悩みがある。挿し木増殖が困難で種子で増やさざるを得ないことだ。だから毎回種を蒔くたびに思うのだ。あんなに大きくなる植物がどうしてこんな小さな種子から・・・と。