きっと楽しいかも

年明けに一度落ち着いた降雪だったが、7日から11日まで再び断続的に雪が降り続けた。ここ松江では、何日も降り続ける雪というのはわりと珍しい。

思い出す限りでも、ここ10年ほど、大雪はあったが、それも1日か2日。多くはどかっと降って、朝にはやみ、主要道ならば午後にはアスファルトが顔を出すような感じだ。

ところが今回は、一度やんだと思った雪が夕方からまた降り始める。気温も低かったので、何日も溶け始める気配さえなかった。

ビニールハウスも、倒壊の恐れさえなかったが、滑り落ちた雪がハウスとハウスの間にどんどん溜まり続けた。これにはさすがに心配になった。

毎年、周りの野山が雪に覆われると、何故か小鳥がビニールハウスの中に入ってくる。暖かい時期にもときどきあるので、迷い込んできたとばかり思っていた。

苗をついばまれてもこまるので、追い出すようにしていたが、追い出してもまた翌日になると入っている事に気がついた。

そっと近くに寄って観察すると、苗の棚の上に登ることは稀で、どうやら床に広がっているヒメツルソバや雑草の種をついばんでいるようだ。ただ、何の小鳥か種類はわからない。

スマホで調べてみるが、調べようが悪いのか、どうも判然としない。ビンズイとかタヒバリとかに近いような気もしたが、どうも違うようだ。

ハーブはともかく、植物ならば少なくとも「~の仲間かな」というぐらいはわかるのだが、鳥についてはせいぜいわかるのはスズメ、カラス、ハト、白鳥、ニワトリ・・・あげてみるとあまり動きが早くなく、近くまで寄ってみることができるものばかりだ。動きが早くて小さな種類は全くお手上げ。警戒心が強くて近寄れない種類も同様だ。

この頃、山登りする機会も多いので、鳥について知っていればもっと楽しいのに・・・と思うことがよくある。昆虫に比べるとハーブと鳥はそれほど関わりは強くないが、せっかく色々な鳥が見れる環境にあるので、知っていれば日々きっと楽しいに違いない。

結局、夕方事務所に帰ってパソコンで本腰を入れて調べたら、どうやら「クロジ」という鳥のようだった(確証はないし、まだ自分の中では少し疑っている)。録画しておいた動画でチェックしたさえずりもよく似ていた。

クロジ|日本の鳥百科|サントリーの愛鳥活動

「常緑樹林の暗い林縁部の地上で数羽が草の種子を採餌」との説明もあるので、苗の棚の下の暗いところで、種子をついばんでいてもおかしくはなさそうだ。今の時期種子をつけている苗はまずないので、いたずらされる心配もない。無理に追い出して悪かった。

「観察例は極めて少ない」ともあるし、名前も縁起が良さそうだ。新年から「黒字」がビニールハウスにやってきたなんて。

 

あしあと

雪が降った翌朝、圃場に行くとちょっとした楽しみがある。

小さな山に囲まれているここは、夜中結構動物たちが出没しているらしい。むろん普段はあまりその存在に気づくことはないが、雪の後はしっかり足跡を残してくれる。

あしあと

犬や猫はもとより、タヌキは頻繁に出没しているようだ。野うさぎらしい足跡も見つけたし、正体不明の足跡もあった。町に近いのに、結構野生動物は豊富にいるようだ。近年はヌートリアの被害も周囲の畑にあると聞く(今は冬眠中だろうか?)。イノシシや猿が出没したことさえある。

今まで一番驚いたのは、圃場から50メートルも離れないところに大きなクジャクが羽根を広げていたのを見たときだ。さすがに目を疑った。もちろん野生ではなく、どうやら誰かが飼っていたのを捨てたらしかったのだが。

でも、さらに驚いたのは、近所のおばあさんがまるでニワトリを捕まえるようにそのクジャクを捕まえたことだ。こちらは鋭いくちばしでつつかれないかとヒヤヒヤしていたのに「おおよしよし」とかいいながら接近して難なく捕獲。連れてかえってしまた。その後のクジャクの消息は不明である。スタッフの間ではもしかしてその晩食卓に上ったのでは・・・と噂になっている。

時には科学的に

当店のハーブの栽培は、もっぱら勘や経験に頼っていてあまり科学的とは言えない。育てる種類が限定されるのならもっと色々なデータに頼っても良いかも知れないが、種類が多いために、何でも一把ひとからげ、全体をみて判断するしかない。

そんな我々でも、時には科学的な考察を試みることがある。(おお、なんかカッコいいぞ)

時々手入れに伺う、とあるお宅の庭のクリーピングタイムが数年前から調子が良くない。肥料を入れたり、植替してみたりしても大きな変化なし。ガンガン日が当り、風通しも良い。それなのに今年など、苔が生えてくる始末。埒が明かないので、土を調べてみることにした。

PH試験

お庭の何箇所からか土をもって帰り、PH試験キットでチェックしてみる。タイムが植わっている場所のPHが低いことが分かる(上列)。いつからこういう状態か分からないが、以前は問題なく成長していたので、その後何かが変わったのかも知れない。

これだけが原因とは言えないものの、とりあえず原因の一つになりそうなものが分かっただけでも少し前進である。さて、これからどうしようか・・・。

気になる鳥

ここ数ヶ月ほどだろうか、なにかと目につく鳥がいる。ある時は道端で、またある時は店の周りで見かける鳥だ。背中は青っぽく、ちょっと目を引くけれど、ものすごくきれいと言うわけではない。それでも何となく気になっていた。

今日もビニールハウスから出てみると、駐車場の砂の辺りでしきりに何かをついばんでいる。どうやら毛虫をつついているようだ。毛が嫌なのでつついては離しているようにも見えるし、ネコが小動物をもてあそぶように、ただ遊んでいるようにも見えた。

イソヒヨドリ?

どうやら夢中のようなので、これはチャンスとカメラを持ってきてそっと近づく。それほどこちらを気にする素振りもなく、夢中で毛虫と遊んでいた。

イソヒヨドリ?

何枚かの写真を撮り終えた後もしばらく遊んでいたようだ。そのうち、毛虫も一緒にどこかへ消えていた。

帰って調べてみるとイソヒヨドリと言う鳥ではないかと思った。「イソ」とつくからには海の近くの鳥のようだけれど、時には内陸のほうにもやって来るらしい。ここから海までは結構ある。ビルなどを崖地と思ってすむこともあるとか、それで高速道路の橋脚の下で見たのかも知れない。

カラスの視線

鳥のカテゴリで何度か書いているように、鳥たちとは概ね良好な関係を保っている。唯一例外がカラスである。

圃場の周辺はねぐらになる山林や餌場になる田畑も多い。当然のようにカラスはたくさんいらっしゃる。数匹ならともかく、百羽を超すような集団になるとさすがに不気味さを感じる。

以前、何かでカラスは十人ぐらい(もっとかも)だったら人を見分けることができると言うような話を聞いた事がある。私はそうでも無いが、スタッフの一人は、家からコンポスト用の残飯を持ってくる時、いつも強い視線を感じると言っていた。餌を持ってくる人という認識ができているのだろう。

カラス

私に対しては警戒心を持っているようでなかなか近寄っては来ない。カメラを持って近寄っていくと、他所を見ているようでも、確実に飛び去る。

カラスの賢さは有名だし、凄いと思わざるを得ないが、冬の夕暮れなど、電線から電線へ飛び交う姿はどうしても好きになれない。

カラス

この頃は気を付けているので被害に遭っていないが、ある時期、お茶の時間のためのお菓子を机の上(ビニールハウスの上だ)に出していたら、いつの間にか入ってきてつつかれてしまった事があった。ビニールハウスの横の隙間から上手に入り、荒らすだけ荒らして逃げていった。まさかカラスだとは思わなかったのでこの時はさすがに驚いた。

それからは鳥だからと言って決して侮らない事だけは心に決めている。