風邪ひきさんの草刈り

子供に風邪をうつされた。寒いうちは「なにがなんでも風邪はひかないように!」と、うがいや手洗いも怠らないようにしていたのに、暖かくなってつい気を抜いてしまったのも悪かった。

月曜日に38℃近くまで上がった熱は、一旦下がったが、37℃を切ったぐらいから下がってくれない。おそらく3年ぶりぐらいだろう。平熱が低めなので、これぐらいの熱でも脳味噌に一枚ベールがかかったような感じだ。

月曜は定休日だったので1日横になっていられたが、火曜日からはそうはいかない。ゴソゴソと起き出して仕事をしてはまた横になるという1日。いい加減治るだろうと思っていた今日も状況は変わらず。だが、また1日布団に入っているのも気持ちが悪い。

切羽詰まった仕事がないのが幸いだが、体調が万全でないときにどんな仕事をするかは結構難しいものだ。あまり体に負担がかかる仕事は行うべきでないし、クオリティが重視されたり頭を使う作業もミスが多くて進みが悪い。

とりあえず、少し体を動かした方が良いのではないかと午前中は圃場に出かけた。

圃場では、いつも何かしら仕事があって、苗の整理や片付け、掃除など、こんなコンディションでする作業もよりどりみどりである。
草刈り機
明日は天気が悪くなるということもあり、草刈りをすることにした。草刈りも真夏の炎天下は重労働だが、この時期ならそれほど体に負担はかからない。
ヒメオドリコソウ
暖かくなって一気に伸びてきた雑草を刈り始める。
erythronium pagoda

水仙
草花やハーブたちの花も増えてきた。

オランダミミナグサ

オオイヌノフグリ

雑草もせっかく花を咲かせていると思うとちょっと可哀想になるのだが、ここは容赦なく。
アスパラ
伸び始めたアスパラの周りは特に慎重に。
ホワイトボリジ
畑の法面の下を刈っていたら、零れ種で飛んできたホワイトボリジが花を咲かせていた。草刈りでもしなかったら気がつかない場所である。
白花タンポポ
普段は時間を気にして一気にする草刈りも、体をいたわってゆっくり草刈り機をまわしていると草花に目を止める余裕も出てくるものだ。

小一時間ほど作業をしたら、うっすらと汗をかいていた。

帰宅して着替えて午後はデスクワーク。相変わらず進みは悪い。
体温計
夕方、熱を測ったが、こちらも相変わらず・・・。おとなしく寝てた方が良かったのかなぁ?

盆前のイライラ

今年も無事お盆を迎えられて安堵している。毎年、お盆の前はスケジュールがハードだ。圃場のほうはそれほどではないにしても、お客様のお庭のメンテナンスに追われる。あらかじめ余裕を持ってスケジュールを組んでいても突然の悪天候や予期しない用事等でスケジュール通り進むことは滅多に無い。今年はそれでもまだ良いほうだったかもしれない。

梅雨明け以来降水量が少なかったこともあり、比較的雑草の伸びも少なかったように思う。それでも、少し日陰等、水分のあるところでは雑草もしっかり伸びてくる。

昨年から手入れを始めたあるお庭で、一つの雑草に少し頭を悩ませている。花壇の横の少し急な法面で、種々の雑草に加えてカラムシが幅を利かせているのだ。見た目はごくおとなしそうな感じではあるが、結構しっかりとした根を張っている。無理矢理引き抜くこともできるのだが、そこは法面。根と一緒にボロボロボロボロ土が崩れてしまう。今のところは目立って困る状況ではないので鎌などで時々刈りそろえるにとどめている。今後土が崩れないよう、代替になる植物を選んで徐々に移行していくつもりである。


さて、このカラムシ、もともと繊維をとるための植物である。とはいえ、ものすごく丈夫かというと植物自体はそれほどでもなく、簡単にちぎることができる。ただ、その後が問題で、軍手等はめていようものなら葉が引っ付いて大変なことになる。葉が柔らかいのがかえって取りづらいし、少々洗っても取れないのだ。

カラムシ
小千谷縮の原料だったりする

調べてみるとあのネトルと同じイラクサ科。チクチクしないだけましだが、イライラはしっかりさせてくれるのだ。

 

秘めたしぶとさ

ニュースでその存在が報道され始めた数年前、すでにこのあたりでも時々目にしていたナガミヒナゲシ。帰化植物として猛烈な勢いで広がっているとして問題になっているが、ついに昨年ごろから圃場の回りでも見かけるようになった。

ナガミヒナゲシ

他の植物が生えにくい舗装道路の端などでも育つのでここまで広がっていったと言われている。けれど当店の畑の回りではミントやヨモギと言ったこれまた繁殖力の強い猛者たちに囲まれつつもしっかり花を咲かせている。可憐な姿のなかにしぶとさを秘めているようだ。

同じ帰化植物でもセイタカアワダチソウは本当に邪魔になるし、草刈りしていても本当に苦労するので私たちスタッフの間でも憎まれている。ところが、ナガミヒナゲシと来たら、ちょうど今ごろこの色の花が回りに無いものだから嫌悪感など湧いてこない。むしろ、アラかわいいと好意的に受け止めてしまっている。小さくて可愛らしい姿もまた繁殖に力を貸しているに違いない。

ただ、帰化植物にありがちだけど、心を許してしまうと痛いしっぺ返しを食らうかもね。気を付けねば。

食べて仇を討て!

圃場の所々でツクシが顔を見せ始めた。子供の頃は、母がツクシ御飯を作ってくれて、年に一度ぐらいは食べていたような記憶がある。しかし大人になってからと言うもの、あまりツクシを見かけるようなことがすくなくなった(というか、あっても収穫する気の起こらないような場所だったりする)せいか、食べた記憶が無い。

ツクシ

いまなら安心して収穫できるツクシが身近にあるというのに食指は動かない。きっと、この後生えてくる強烈なスギナに今年も悩まされるだろう、という心理が働くのだろう。

せめてツクシを食べて仇を討つと言う手もあるのだが。

どちらが幸せ?

3月の声を聞くと土の中から緑色がエネルギーとなって飛び出してくる。

ハウスの周りでも頼みもしないのに一斉にヨモギが顔を見せ始めた。「あ〜、今年も元気だね〜」と一人呟く。

ヨモギ
草押さえに撒いたそば殻も地下から出てくるヨモギには無力に近い

今はまだ可愛らしい姿に見えても、あっという間に大きくなる。そして、既に土の下では強力な地下茎が繁茂していることだろう。

ひな祭りにそなえる菱餅にでも使えばまだ溜飲を下げることもできよう。もちろん、優れた薬用植物としての利用もできる。しかし残念ながら需要に対して供給が恐ろしく過剰である。今年もまた草刈りの相手として立ち向かわなくてはならない。

毎年ながら、ヨモギを見るとこれがどうしてタラゴンと同じ属なのか頭をひねりたくなる。

でもきっと、タラゴンもヨモギぐらい強力だったら雑草として嫌がられただろうし、ヨモギもタラゴンぐらい繊細だったらきっと大切に扱われたことだろう。さて、どちらが幸せなのだろうか。