この冬のハーブたち

この冬は本当に暖かい。冬になって、雪は降った。でも、積もるようなことはまだない。例年ならもう一度や二度は雪かきをしていることだろう。

宅配便のお兄さんも「今年は雪道を走らなくていい」と笑顔だし、介護施設の職員さんも「今年の冬は送迎が楽です」と喜んでいる。

今日も事務所で気が付いたらエアコンをつけていなかった。それでも、「ん、ちょっと寒いかな?」と言う程度。体にはとても楽だ。物事もスムーズに進んでありがたい限り。

ところが、ハーブたちを見るとそう楽観的でもいられない。

極端に寒くならないので、ビニールハウスも冬とは思えないぐらい開けっ放し。これで閉めるとアブラムシなど春から活動する虫たちが動き始めそうなぐらいだ。

ローンデイジーそれでも、春に蕾をつけるはずのローンデイジーが次々と蕾を作り始めた。

ステビア春、ずいぶん暖かくならないと地下からの新芽が出てこないステビアも、早々と芽を出し始める。

スイートバイオレットスイートバイオレットの仲間も、まだ根が充分に張っていないのに花を咲かせ始めた。

エルダーエルダーも落葉しないので挿し木をするタイミングが図れず、その上、春のような新芽さえで始める始末。

ラベンダーのようにある程度の寒さが当たらないと休眠が破れない種類もある。今後の気温にもよるだろうが、本格的な春になった時、どの様な動きをするのか、今の時点では全く想像がつかない。

春になるのが待ち遠しい季節のはずなのに、ちょっと怖い。これが今年の冬である。

花と耐寒性

冬を前にして、早く花を咲かせておこうと、秋咲きのハーブたちが次々と花を咲かせるようになった。

とはいえ、中にはあまり咲いて欲しくない種類もある。耐寒性があまり高くない種類は花を咲かせてエネルギーを消費するのか冬越しの成績が下がってしまうようだ。

松江では、耐寒性と冬の寒さがぎりぎりのラインにあると思われるステビアがそれに当たる。大きくした鉢植えや、地植えでも大株になり、株元にしっかりマルチなどの防寒をすれば大丈夫なのだが、今年の夏ポット上げしたような苗は危ない。冬と言ってもとりわけ加温することもないので年によってはかなり冬越しできない株が出てくる。

ところが、秋に花を咲かせないと、葉を残したままで案外持ってくれるのだ。そのかわり、秋遅く(つまり今の時期)、次々と花芽が上がってくるのを剪定して開花を阻止してやらなければならない。これが案外面倒でつい怠けてしまって花を咲かせてしまいがちである。

ステビア
ただ、一つ有り難いのはステビアの花はそれほどパッとしないので、「せっかく花が咲いているのに・・・もう少し咲かせよう」なんていう気が起こらないことである。