野山と庭と

ずいぶん昔のことになる。ちょうど今ごろの季節だろうか、当時借りていた貸農園が山の上にあったので山道を車で登っていた時のこと。山かげの道端にブルーの花が群生して咲いていたのを見つけた。何だろうと思って近づいて見たのがアキチョウジであった。当時はまだハーブはともかく、山野草のことも全く知らなかったのでなおさら目に留まったのだろう。

その後、庭で育てたり、鉢植えなどでも試して見たことはあるが、やはり最初に見た野に咲いている姿の印象が強かったのだろう。庭や花壇ではどのように植えて見てもなかなか納得いく姿にならない。

その一方で、園芸種の桃花アキチョウジは華やかで、花壇などで他のハーブと混植しても違和感が少ない。花もかなり良く咲くので、秋の花壇を彩るには結構使いやすい。でも、これが山際に咲いているとちょっと派手すぎるのではないかと思ってしまう。

桃花アキチョウジ
いずれも冬には潔く地上部が枯れてくれるので、片づけもあまり深く考えずに済む。上手に活用したい種類である。