見かけによらず

先日、お客様と話していて、今年はジャガイモのできが本当に良くないということを伺った。5、6月と雨が少なかったためだと仰っていたが、そのかわり、ラベンダーのできはとても良かったとのこと。このところのように天候が極端だとなかなか両方とも満足がいくようにとはならないものだ。

今年、目立ってよい調子だったのがレディースベッドストロー。お客様のお庭に植えたものも、店の花壇の株も、そして圃場の隅に植わっている株も、ここ数年無かった程よく咲いた。おそらく開花まで涼しい日々が続いたのが良かったのだろう。

レディースベッドストロー

とはいえ、例年もあまりひどい育ちかたをする年は無い。近い仲間にスイートウッドラフがあるうえ、その繊細な姿から弱々しい感じを受けるのだが、どっこいコイツはかなり頑丈だということがこの頃わかって来た。店の花壇は西向きで夏の午後は厳しい日射を受ける。特に日よけをしてやるわけでもないし、手入れをするといっても横に伸びて行く株をそれ以上広がらないよう整理するぐらい。

まして、圃場の株にいたっては完全にほったらかし。上のようなクローズアップ写真だとそれなりに見えるが、実は下の写真が現実でカヤの仲間と生存競争中である。しかも10年近くこの状態である。

レディースベッドストロー
同じ圃場でも苗増殖用の親木は鉢の中の快適な環境で優遇されている。コイツも頑張っているので冬には少しメンテナンスをしてやると良いのだが、強いとなるとつい放任になってしまうんだよなぁ。

見かけによらず

8月に入っても日差しの弱い日が続く。花壇のハーブたちもやや徒長気味。本格的な夏の日差しがやって来るのが少し怖い。

レディスベッドストロー

一方、普段の夏なら少しカサカサになることも多いレディスベッドストローは非常に御機嫌のようだ。花の後の疲れも見せず、繊細な葉を密生させている。同属のスイートウッドラフに比べると開花時の雰囲気は少し見劣りがするものの、葉の細やかな様子は名前の通り非常に女性的である。

黄色い花は6月ぐらいに開花
黄色い花は6月ぐらいに開花

また、スイートウッドラフは結構気難しがりやのようで、好いた場所なら良く広がってくれるのに、少しお気に召さないところがあるとすねたようにいくら機嫌をとってもうまく育ってくれない。

その点、レディスベッドストローはかなりの日なたでも、また湿気が多い半日陰でもまずまず育ってくれるのも嬉しいのだ。圃場の脇でも10年以上植えっぱなしの株がある。特に手入れもしないのに、弱ることなく結構育っている。姿に似合わず、芯の強い植物である。

ぽきぽき

折れやすい植物は苦手である。なんてったって、苗を発送する時の梱包に一苦労。もちろん、届いた後でとり出すお客様も神経を使うだろうが、送り出す方はなおさらミスは許されない。今まで何度枝が折れ、圃場に取りに戻ったことだろう。

開花時期の花オレガノ(ケントビューティープルケルム)、スイートウッドラフなどは特に注意が必要である。また、サルビア属にも要注意人物が多い。サルビア・ブカナニーローズリーフセイジなど、ちょっと手が当っただけでぽっきりなんてことも珍しくない。いずれも花が大きく、見事なので蕾がついていたりしたらなおさら折れやすい。

サルビア・ダルシー。花だけ見ると大きなチェリーセイジである。
サルビア・ダルシー。花だけ見ると大きなチェリーセイジである。

今ちょうど花が咲きはじめている、サルビア・ダルシーもそんな悩ましい種類の一つである。いったい、原産地でどんなふうに育っているのか見てみたいものだ。メキシコの高地にお育ちのようなので全く想像もつかない。案外現地ではしっかりと枝を伸ばしているのかも知れない。