サスティナブル

店頭ディスプレイ用のオリーブの鉢植えが調子悪いとスタッフが言うので調べてみた。鉢には店の移転オープン時にお客様から頂いたオリーブが植わっており、ブルーベルクリーパーが絡んでいる。そのブルーベルクリーパーが妙にしおれていると言うのだ。

ブルーベルクリーパーはそれほど貧弱な植物ではないし、この夏の暑さぐらいでダウンするとは思えない。やはり考えられるのは今年の場合コガネムシの幼虫ぐらいではないかと思われた。

鉢の様子を見てみると、あれ?冬に牛糞堆肥でもマルチしたっけ?と思うほど黒々とした土である。

もともとは赤玉などが主体だったのが黒土に・・・
もともとは赤玉などが主体だったのが黒土に・・・

鉢をひっくり返してみるとサラサラになった用土と共にたくさんのコガネムシの幼虫が出現。後で数えてみたらなんと70匹。ブルーベルクリーパーは細根はほとんど食べ尽くされていた。しおれて当然である。オリーブもご覧の通りラピュタの樹状態。

こちらも細根はほとんど無い
こちらも細根はほとんど無い

もうこの鉢の中には食べるものは無い。70匹もいて、今後どうするつもりなのだろう。せめて持続可能な程度に食べたらどんなもんでしょう。「サスティナブル」というのが時代の流れだよ。なんて我々人間が言える立場ではないけどね。

もともとこれぐらいの株だったのだが・・・
もともとこれぐらいの株だったのだが・・・

さて、コガネムシにはお引き取り願って植え替えを行い、かなり強めの剪定をかけた。特にブルーベルクリーパーは大幅に枝を落とした。これで無事復活してくれれば良いが。せっかくお客様にいただいた株なのでなおさらだ。しばらくは目が離せない。

ここまで切り詰めた
ここまで切り詰めた

こっちを向いて

お客様の依頼で庭作りをする時、しばしば希望があるのが目隠しという要望である。第三者から見ると、それほど気にしなくても・・・と思えるような場所でも、御本人にとっては案外気掛かりだったりするようだ。

このお庭も、南側が月極駐車場になっている。朝夕以外車の出入りは無いようだが、フェンスも高めに作られ、下の金網部分も植物で覆って欲しいとの御要望があった。

クレマチス、ブルーベルクリーパーフレンチラベンダーなどを手前に植えて、2年目には程よい目隠しができ上がった。

ブルーベルクリーパー

当初の目的は達成したものの、クレマチスが花をつけるのはほとんど駐車場側。フレンチラベンダーさえもフェンスを突き抜け、駐車場に向けて花を咲かせるようになってしまった。

「地域の景観向上に貢献していると思って・・・」
と弁護しつつも、駐車場側ばかり華やかなのを見るとさすがに心苦しい。

唯一ブルーベルクリーパーだけが家側に向けて花を咲かせてくれるので胸をなで下ろしている。最初はこの株も成長がゆっくりだったが、いったん成長を始めると一気に伸びて良い目隠しとなるとともに、ちょうど暑さが気になりはじめた頃に涼やかなブルーで目を楽しませてくれるようになった。

ブルーベルクリーパー

もちろん、お庭のオーナーにも大変好評だ。でも、この株の成長を一番喜んでいるのはきっと自分である。

惜しむらくは、なかなか増やしにくいこと。もっとたくさんの方に楽しんでいただければいいのだが、現在も育苗中だ。あと、物の本によると花の後の果実が食べられるとのことだが、今まで食べてみた経験では美味しくなかった。味を良くするコツとか食べ方があるのかも知れないが、???のままである。