こんな場所にはこのハーブ-ハニーサックル・セロチナ

ゼロからお庭を造るのではなく、すでに形ができているお庭に手を加えていくときに問題になるのが元からある構造物である。

 

花壇であり、柱であり、塀であるが、上手に活かせるか、それとも庭づくりに邪魔な存在になるか、知恵のしぼりどころだ。

 

このお庭を初めて見た時も、畑の縁にあるサルスベリと、そのすぐ横に立つ木製の電信柱(?)の残骸がまず目についた。とにかく、サルスベリとの位置関係が微妙な場所に立っている。

 

てっぺんから割れが入っているとはいえ、まだまだ結構丈夫な感じ。切り倒してしまえば分けないのだが、なんとか使えないかなと考えてしまうのが私の悪いところだ。

 

柱状のものなら、何かを巻き付かせてしまおう、ということで、ハニーサックル・セロチナを柱の足下に植えてみることにした。西側にサルスベリがあるので、初夏から秋にはそこそこの日陰にもなるが、ハニーサックルは陰にもかなり耐えるので問題ない。花も先にハニーサックルが咲いて、夏にサルスベリが開花するので、重なることもなさそうだ。

 

元々が野菜を作っていた畑だったので、肥料が十分だったのか、秋に植えたら、翌春からすくすくと育ち、一年半経った今年はつるの数もかなり増えた。

 

ハニーサックルは、細い枝なら絡みついていくが、これぐらい太いとさすがに無理だし、アイビーのように吸着するわけではない。釘かなにかで、つるを固定するものを作ろうかとも思いつつ、昨年はてっぺんの割れ目に長いつるを引っ掛けて、それ以降はそのつるに新しいつるを絡ませていくことで十分固定できた。

ハニーサックル・セロチナ

今年はまだかもと思っていた花も咲かせ始め、気温の上昇とともにつるの数もどんどん増加、毎回訪れるたびにつるの処理に追われている。

 

先日行った時には、隣のサルスベリにも絡みつき始めていた。もしかしたら来年にはこの柱もほぼ覆われているかもしれないと予想している。今後は肥料は控えめに。そうしないと、何年か後にはサルスベリも覆い尽くすぐらいになりそうだ(実際、ツルバラと組み合わせたお庭もあるのだが、何年か後には大抵抑えるのに苦労する。バラの肥料が効きすぎるんだよね・・・)。

 

 

緑のパラボラアンテナ

葉の形状の一つでツキヌキ葉というものがある。普通は葉の一番根元(葉なのに根と言うのは変か?)が茎から離れていることが多いが、この部分が向かいの葉とくっついて一枚の葉のように見えるものだ。そのため、茎が葉の中を突き抜く形になる。このロニセラ・ドロップモアスカーレットもその一つ。他には、ユーカリにもツキヌキ葉があったりする。

ロニセラ・ドロップモアスカーレット

花のすぐ下が特にツキヌキ葉になりやすく、花が落ちた後はまるでパラボラアンテナのようだ。空に顔を向けて宇宙からのメッセージでも受け取っているかのようである。

中高生の頃は、宇宙にも憧れた時期があったが、結局遠い夢に終った。ま、そもそも天体望遠鏡でも頑張って手に入れるような強い気持ちが無かったのだからお話にならないけどね。今でも縁が無いのか、衛星放送用のパラボラアンテナも買えていなかったりする

柔らかな新芽

寒さと暖かさが入れ替わる日が続く。今までごわごわとしたツルだけを見せていたハニーサックルも柔らかな葉が枝から見せ始めてきた。なかでも、斑入りハニーサックル・ハーレクインはいまごろ出てくる葉が特に良い感じである。

斑入りハニーサックル・ハーレクイン
こんなに硬そうな枝から、薄く柔らかな葉が現れてくるのを見ると不思議な思いがする。ごつごつした枝のどこにこれほど繊細で弱々しいものが隠されているのだろうか。

柔らかく、か弱い葉は少し寒さがぶり返すと葉先が傷みやすいが、これは仕方のないことであろう。

葉がしっかりしてくる頃は、もう春本番だ。

成長ハカバカシカラズ

店舗の北側は木の壁になっている。せっかく雰囲気がある壁があるのをそのままにして置く手は無いと、ハニーサックルでも這わせようかということになった。

もちろんそのままではハニーサックルは壁に張り付くことは無いので、地味目の針金を張って絡ませることにした。種類も迷ったが、暗めの壁色に映えそうな明るいクリーム色の、ロニセラ・グラハムトーマスとした。

株元にしっかり元肥をして植え込んだのが約2年前、そこそこ伸びているのだが、思ったほどの成長をしていない。予想では壁の半分ぐらいまでは伸びているところだったのに・・・。

ロニセラ・グラハムトーマス

それでも先月からぼちぼち花も咲きはじめてきた。本当を言うと花を咲かせてくれるより、少しでも大きく育ってくれる方が嬉しかった。台風を心配する季節も間近である。お盆ごろには暇を見つけて誘引し直してみたい。

開花前と後で

6月に入り、お気に入りのハニーサックルが徐々に開花しつつある。花の香りが良いことは言うまでも無く、ハーブにはやや少ない蔓が楽しめること、トラブルフリーであることも好感度を高くしている。

ハニーサックル

小さな蕾がぎゅっと詰まって見えはじめていたかと思うと、どんどん大きく育ち、見事な大きさになる。特にピンク系の種類はこの咲く前の色合いが良い感じだ。つやつやとして、グラデーションのかかりかたも雰囲気良く、形もすっきりしている。

ハニーサックル

ところが、開花すると「ちょっと派手過ぎるかな」と言う印象である。色も派手な上に、立体感がある。大きな塀などにからませているのなら丁度よいかも知れない。また、ローズなどと組み合わせるのなら、これぐらいボリュームがある方が良いだろう。

ロニセラ・グラハムトーマス

ロニセラ・グラハムトーマス

だが、個人的には開花時はむしろ白系のグラハム・トーマス辺りのほうが好きである。蕾の頃はこちらはさえない感じだが、開花した時はかえってすっきりしている。今、店舗の木の壁にはこちらを広げようと画策中である。ブラウンの壁にはきっと映えてくれるものと思う。見ごろを迎えるのはまだ数年先になるだろうが、その時を想像しつつ気長に待つのである。