紛失防止策

 

パイナップルセイジの赤い色も鮮やかになり、ラベンダーの秋の返り咲きもピークを過ぎてきた。

パイナップルセイジ

イレーネドイルラベンダー
秋にも返り咲きしやすいイレーネドイルラベンダー

毎年この時期は冬に向けての圃場や施設の整備を行う。まだ10月のうちならば晴れて気持ちが良い天気も多いが、11月に入ると急に雨の日が多くなってくるからだ。

畑の草取りを始め、冬に肥料作りを行うビニールハウスの整理整頓、掃除、今のうちにできる樹木の剪定も行う。

ビニールハウスの片付け
肥料作りで活躍する小さなビニールハウスも大掃除

特に、夏の間に伸びた雑草を片付けるのは大仕事なので、10月に入ってから、徐々に行うようにしている。

ハサミや鎌や熊手などを総動員しての作業だが、油断しているといつもなにかが行方不明になる。

草の山
この中にハサミが紛れている・・・はず。グリップがグリーンなので見つかるかどうか

今年もスタッフのハサミが草を集める時に一緒に紛れてしまって、未だにみつからない。この草山の中にあるはずなのだが探し当てることができるのだろうか・・・。

ハサミとストラップ
なくすと大変な大事なハサミはストラップを

大事にしている私のハサミは落下防止用コードでハサミケースとつないでいるからなくなる心配はないのだが、そのかわりなんども鎌が行方不明になった。

鎌で草取りをしていて、「おっと、このハーブも剪定しておかなきゃ」と、別の作業に取り掛かり、その場に置いてしまって忘れるのだ。腰袋をつけているので、挿しておけばいいのだが、すぐに使うからと足元に置いたが最後、あとで「どこにやったかなぁ」と探し回ることになる。

それでも、探して見つかればいい方で、先日は、いくら探しても見あたらず、時間ばかり過ぎていき、結局探索を断念した。

その翌日、刈った草を片付けていたら草の下から発見。前の日にも調べた場所だったのに、枯れ草と似たような色でわからなかったようだ。何日も経つと錆が出たり柄が傷んだりするので、すぐに見つかって幸いだった。

紛失した鎌
柄が出てきた
鎌発見
翌日だったので傷みはなかった

この鎌、小さい割にしっかりしていて、使いやすく気に入っている。だが、近所では売っていないので無くすと困るのだ。

探し回るのがいい加減嫌になったので、落としてもすぐ見つけられるようにと、柄に色を塗ることにした。さすがに、紐で腰と繋いでおくわけにもいかないし・・・。

ちょうど、以前つかった赤い塗料が残っていたので、草の中でも目立つよう、柄の部分を塗装してみた。確かにこれならきっと見つかりやすいだろうが、なんともどぎつい。せっかく柄もいい感じに使用感が出てきたところだったのに。

鎌の塗装
見た目的には・・・美しくない

後で考えてみると、鮮やかな紐を握り部分に巻くのもよかったなと思えてきた。ペンキが剥げてきたら、それもいいかもと今から企んでいる。

 

カミソリ持つ時は

昔から言うらしい。

「包丁持つ時は 包丁のことだけ考えとれ」

と。

包丁持つ時は

今日はティートゥリーの挿し木作業。ティートゥリーは、あまり気温が下がってくると発根しにくくなるので、そろそろ今年は最後になるかもしれない。

気持ちの良い天気の中、作業をスタートした。枝の処理にそんなに神経を使う種類ではないし、気軽に作業を進める。

単調な作業をしていると、ついいろいろなことが頭に浮かぶ。

「ビニールハウスの周りの草刈り、もう一回しとかなきゃな・・・」

とか、

「昨年ダメになったストーブの煙突もはやめに買っとかなきゃ」

とか、

「今年の忘年会、どうしよう・・・」←そもそも気が早すぎ。

などなど思案しつつ作業をしていたら、カミソリで人差し指をスパッと切ってしまった。

みるみるうちに血が染み出してきて傷口も見えない。勢いよく切ってしまったので、結構傷は深いかもしれない。

すぐに止血して、カットバンを貼る。おそらく大丈夫そうなので作業に戻る。バイ菌が気になるが、カミソリで切っていたのが殺菌作用のあるティートゥリーなのできっと大丈夫だろうと自分を納得させる。それなりに出血もしたし。

指のケガ

挿し木の時に手を切ってしまうなんて我ながら驚いた。何年ぶりだろう、いや、何十年ぶりかもしれない。

結構硬い枝を処理するのに先月から使っていた少し古いカミソリを使ったのもよくなかった。切れにくい刃ほど危ないものはない。

何れにせよ、挿し木枝の処理なんて簡単、カミソリで手を切るはずがない。という軽い気持ち、そして余計なことを考えていたのが一番の原因だった。

午後には傷もふさがった模様だが、ちょうど人差し指の先で、キーボードを打つのも結構つらい。

「包丁持つ時は 包丁のことだけを考えていないとケガをする。」

昔から言われていることなら肝に銘じておこう。

だが、挿し木をしながら、他のことを考えないというのはなかなか難しそうだゾ。

台風の前に

台風18号接近中。

今朝の予報では、こちらへまっすぐに近づいてくる模様。やってくるものを待ち構える時間というのはなにかそわそわして落ち着かないものだ。

台風への備えは、夏前にある程度完了していたし、昨日スタッフが気になるところを再確認していたので、今日になって慌てなくても良かった。

ところがこんな日はなぜか腰を据えて作業をすることが難しい。

伸び気味に育っていた苗の剪定をしてみたり、ストロベリーの傷んだ葉を取り除いたりと、普段の作業をしてみるのだが、ラジオの台風情報が気になったりしてどうも集中できない。

仕方がないので片付けに変更。夏が終わってもそのままになっていた寒冷紗を取り外したり、あちらこちらに散らばっている苗のケースを集めたりしていると、ビニールハウスの換気窓の紐が切れていることに気がついた。

台風など風が強い日には閉じてしまう窓なので、これはぜひとも修理しておかなければならない。いい仕事が見つかったものだ。

換気窓の修理

するべき仕事はやはり張り切り具合が違う。早速脚立を取りに行って修理スタート。もう何年も使っているし冬は結構開けたり閉めたりするので紐も劣化してボソボソになっていた。丸ごと新しい紐に交換が必要だ。

紐の交換
紐を交換するも・・・

慌てて紐を取り付けたら、取り付ける方向を上下間違えていた。これでは紐が擦り切れてしまう。

紐の交換
これが正解

劣化

普段は近づいて見ることがないので気がつかなかったが、開閉システムの部分が錆びついてたり、ひび割れも見つかった。とりあえず可動部にはスプレーで注油しておいたが、交換する時期も遠くないかもしれない。

窓の開閉

紐を引っ張って、問題なく開閉することを確認。

窓の開閉

窓の開閉

これで台風がいつ来ても大丈夫。台風前のソワソワした気分もちょっと落ち着いた感じだ。

店に戻ると、雨模様なのに妙に来店するお客様が多いとのこと。やはり台風を前にして落ち着かない人が多いのだろう。

台風の被害が少なくて済みますように。

試行錯誤の天窓取り付け

天気任せの農作業。その日になって当日の作業が決まることも多い。

今日は朝から快晴、風も弱め。雪害ビニールハウス修理の総仕上げにはもってこいの天気!と、朝一番の仕事をビニールハウスの天窓付けに決定した。

この天窓の取付、毎回ビニールを張り替えるときに大苦戦する問題の作業。一応、昨年プロの作業方法を間近で見て理解した。

ただ、先日分解するときに天窓をビニールハウスの上で持ってもうひとつ理解した。

「無理!!」

大きくて重い天窓。ビニールハウスの上の足元の悪いところを持って歩くなど不可能である。万一風でも吹いた日にはバランスを崩して天窓ごと落下するのは目に見えている。改めてプロの凄さを感じた。

歩く
できるかも・・・と一瞬思ったのだが。

その後、どうやったら安全にハウスの上まで天窓を持っていけるかを考え続けていた。

マニュアルのない作業を一から考えるというのはとても面白いものである。頭の中でああでもない、こうでもないと試行錯誤しながら検討を重ねる。もちろん、クレーンなどの重機を使ったり、それこそプロに依頼すれば瞬時に解決するが、お金をかけず、頭を使うことに意味がある。

スタッフの、「ビニールハウスの横に脚立を立てて、脚立からレールのように長いパイプをビニールハウスのてっぺんに渡して引きずり上げたらどうだろう」という案がヒントになった。

脚立にパイプをかけてもいいが、結構不安定になりそうだ。そのうえすぐ脇にはビニールが隣接している。万一倒れたりしてビニールが破けてもコトだし・・・。というところで止まっていたのだが、

「いっその事、隣のビニールハウスをパイプの支えにすりゃいいじゃん」

と閃いた。ビニールハウスのパイプ同士なら固定も確実だ。それどころか下手すりゃ一人でも作業ができそうだ。

農業の大先輩でもある伯父は、

「おらぁ、誰かと一緒に仕事するのは好かん。二人や三人でする仕事をどうやったら一人でできるか考えるのが面白い」

と言っていたが、これも農業の楽しみの一つだと思う。頭と道具を上手に活用、組み合わせて作業をやりとげたときの充足感はまた格別だ。実行に向かってムクムクと意欲が湧いてきた。こうなるとあとは速い。

天窓部分の穴開け
天窓部分の穴開け

まずは天窓が覆いかぶさる部分のビニールに穴を開け、周囲を専用の固定具で留める。この作業だけはビニールハウスの上に上がらないことにはどうにもならない。そもそも、入り組んだビニールハウスの上部から体を出すのがひと仕事。お腹が出ている頃だったらそもそもこの部分を抜けることさえできなかっただろう。

パイプが入り組むハウス上部
パイプが入り組むハウス上部

毎回思うのだが、これを設計したひとは自分で取り付けたりビニールを張ったりはしなかったに違いない!

次に、隣のビニールハウスにレールになるパイプを固定する。この作業はお手の物。天窓を設置する側のビニールを破らないように細心の注意を払う。

レール固定
レールになるパイプを隣のハウスに固定

天窓運搬

天窓運搬

天窓を運んで、ヨイショ、レールに乗せる。

紐固定

天窓に紐をつけ

引っ張る

設置側のビニールハウスからゆっくりと引っ張る。

慎重に、慎重に、左右のバランスも取りながら。

引っ張る

もうちょっと

到着

無事到着。

あとは内側から金具に固定。

inside

内側から見るとこんな感じ

テスト

開閉テストをして

完成

無事完成。

レールの位置に改善の余地はあるものの、ほぼ大きな問題もなく取り付けができ、大きな達成感。

隣にビニールハウスがない場合でも、支えになるパイプを地面に突き立ててしっかり固定すれば同様にできそうだ。

傷

あまり夢中になってやっていたので、いつの間にか手の甲に大きな引っかき傷ができていたが、これで冬の大雪の被害も全て解消。オンシーズンの準備も完了である。

竹を使う理由

行く、逃げるの1,2月が終わり、いよいよ3月。「あっという間に去ってしまった・・・」とならないように気合が入る。

植物の成長が鈍る冬は他の季節に比べるとどうしてもできる仕事が限られてくる。そこでビニールハウスの改修、補修、作業環境の改良などを集中して行っているが、この作業ももうすこしで終わりを迎える。

例年のように行うのが、育苗時に苗を並べるための竹の棚の改修である。

ベンチ作り

育苗のために腰の高さぐらいまでに上げた台は育苗ベンチと呼ばれ、普通はネット状になった薄い網状の金属(エキスパンドメタルというんだそうな)を広げてその上に苗のケースを並べることが多い。当店にも、譲ってもらったエキスパンドメタルがいくつかある。

エキスパンドメタル
当時憧れだったエキスパンドメタル

この仕事を始めた当初は大規模に栽培しておられる農家が大抵このエキスパンドメタルを使っているのを見てすこし憧れだったこともある。

お金もなかった当時は地面に杭を立て、その上に桁を渡し、その上に木製のパレットを乗せて長い台を作っていた。水はけは問題ないし、パレットは近くの運送業者でいくらでももらえるような時代だった。

ただ、使い古したパレットに始終水をかけることで案外腐ってしまうのが速く、処分も結構大変だった。また、そのうちパレットがプラスチックのリユース品になり、譲ってもらえなくなった。この時点でエキスパンドメタルに変えてしまうことができたら今頃全てがエキスパンドメタルの台になっていたのかもしれないが、残念ながら当時はそんな余裕もなかったのだ。

また、エキスパンドメタルは実際に使ってみると端の部分が引っかかるし、夏は結構暑くなる。しかも丈夫な分、加工が難しい。ちょっとサイズを変えようとしても一苦労だ。そのうえ処分となると外部に頼まなければ手に負えない。

安価で手に入りやすく、加工がしやすく、片付けも楽、となったら必然的に竹が候補に上がってきた。

安価で手に入りやすいということでは、ハウスの目の前に竹林があるし、親戚にも放置された竹林がある。そのうえスタッフの家にも竹林がある・・・といった感じ。竹を切るのはそれなりに重労働なのでむしろ切ってもらえると喜ばれるぐらいで、気持ちほどのお礼で済むことが多い。

いつも竹を切り出す竹林

もちろん、加工はこの上もなくしやすい。よく切れるノコギリとナタさえあれば十分である。

ナタと竹

それなのに耐久性は相当高い。

跳ね上げ式の台
跳ね上げ式の台

開け閉めが出来て通路のように使える部分もこのとおり、簡単に作れる。通路幅がすこし広くとりたい場所も、ノコギリ一つでハイ、出来上がり。エキスパンドメタルではこうはいかないだろう。

それでも何年も使っていると所々が折れたり腐ってくるので取り替えが必要だ。取り替えた竹は最後は燃料となり、作業場のストーブで主に焚き付けとなり使命を終える。更に言えば残った灰も畑に撒かれて植物を育てる。極めて気持ちの良い素材だ。

交換した竹
古くなって交換した竹
竹の最後
最後は燃料として

竹を使うメリットとして抗菌作用が・・・とも言われるが、とりあえず育苗においてはそれほど違いは感じないので、この点でのメリットはほとんどないようだ。ハーブ自体の抗菌作用がまさっているのかもしれない。

加工する手間なども考えるとコスト的にはむしろエキスパンドメタルに軍配があがるのだろうが、竹を切ったり割ったりも冬の良いエクササイズのつもりで行っている。

竹切りがしんどくなるまでしばらくはこの素材と付き合っていくことになりそうだ。